通し番号 |
用語 |
読み |
英語 |
説明文 |
344 |
SURF(サーフ)方式 |
さーふほうしき |
SURF system |
耐熱性薄層エンドレスベルトを未定着トナー画像に当て,裏側より線状ヒータにより接触加熱する定着方式.ローラ定着に比べ,熱容量が小さいのでウォームアップ時間を短くすることが可能となる.Surface Rapid Fusing に由来する. |
345 |
サーマルインクジェット |
さーまるじぇっとしき |
thermal inkjet |
ノズル内に発熱抵抗素子を埋め込み,その発熱によりインクを沸騰させ,その時発生する気泡の圧力によりインクを吐出させるインクジェット記録方式.バブルジェット方式と同一原理の方式. |
346 |
サーマルヘッド |
さーまるへっど |
thermal head |
微小発熱体を整列配置し,画像データに対応した通電により選択的に発熱体を加熱するサーマルプリンタ用記録デバイス.製造方法から厚膜ヘッドと薄膜ヘッドに,また,印画時の形態からシリアルタイプとラインタイプに分かれる. |
347 |
サーマルヘッド消去 |
さーまるへっどしょうきょ |
thermal head erasing method |
熱可逆性媒体において,サーマルヘッドにより熱印加を行いながら,媒体上を走査させ,画像を消去する方法.同一のサーマルヘッドにより,画像の印字も行われる為,印字・消去装置の小型化が図れる. |
348 |
サーマルリライタブルマーキング |
さーまるりらいたぶるまーきんぐ |
thermal rewritable marking |
熱エネルギーを与えて可視画像を形成し,その可視画像はエネルギーを与えることなしに保持し,再び熱エネルギーを与えると可視画像は消去され,その繰り返しが可能なマーキング技術を云う.その記録原理から,相分離又は相変化に伴う光散乱性変化等を利用した物理変化型とロイコ染料のラクトン環開閉の発色変化を利用した化学変化型の二つに大別出来る. |
349 |
サーモプラスチックホログラム |
さーもぶらすちっくほろぐらむ |
thermoplastic hologram |
レーザホログラフィーの記録に変形像記録を応用したもの.原理的に微細な干渉縞を記録するのに適しているうえ,加熱により直ちに現像,記録状態を確認できる利点がある. |
350 |
サーモプラスチックレコーディング | さーもぶらすちっくれこーでぃんぐ |
thermoplastic recording |
真空チャンバー中で熱可塑性のプラスチックフィルムに電子ビームを直接照射して静電荷パターンを作成し,次に加熱により静電荷パターンに相当する変形歪像をえる. |
351 |
再結合 |
さいけつごう |
recombination |
光導電体に光を照射することによって生成した電子と正孔が,再度,結合して安定な状態をつくる現象. |
352 |
再現開始点 |
さいげんかいしてん |
start point |
文字画像や自然画像を低濃度から滑らかに再現することと,画像背景部のかぶりを防ぐという相反要求の妥協点をいう.現像開始濃度や画像面積率によって定める. |
353 |
最小濃度 |
さいしょうのうど |
minimum density |
現像あるいは記録によって得られる最低の画像濃度で,カブリあるいは紙等の受像シートの濃度と一致する. |
354 |
サイズ検知 |
さいずけんち |
size detection |
用紙サイズの自動検知と,原稿サイズの自動検知がある.用紙サイズはトレイの用紙位置決め部材位置をリードスイッチなどにて検出する.原稿サイズはプラテン上の位置を光学的手段により検出する例が多い.
|
355 |
再生PPC用紙 |
さいせいぴーぴーしーようし |
recycled PPC paper |
上質古紙および新聞古紙などを主パルプ源とし,PPC向けに特性が調整された用紙.古紙配合率は70%程度が多いが,100%古紙を原料とした用紙も商品化されている.
|
356 |
最大濃度 |
さいだいのうど |
maximum density |
現像または記録によって得られる最大の濃度. |
357 |
再転写 |
さいてんしゃ |
retransfer |
カラー多重転写にて,先に転写された画像の一部が次色トナー転写の際に,再び感光体へ転写されること.
|
358 |
彩度 |
さいど |
color saturation |
色のあざやかさの程度を示す尺度である.等しい明るさの無彩色からの距離で表わす.たとえば,L*a*b*表色系では,中心からの距離で表わす.彩度={(a*)^2+(b*)^2}^1/2 となる. |
359 |
サブバンド符号化 |
さぷばんどふごうか |
subband coding |
送信側では入力信号を通過周波数帯域が限られた複数の分析フィルタに通し,それぞれの出力をダウンサンプル,量子化,エントロピ符号化した結果を合成伝送し,受信側では復号,逆量子化,アップサンプル後,合成フィルタを適用し画像を再生する符号化方式.通過周波数帯域が限られた複数のフィルタを用いる事からこの様に呼ばれる. |
360 |
サブマトリクス法 |
さぶまといりくすほう |
sub-matrix method |
組織的ディザ法において,解像性の向上と階調再現の安定性ををねらいに,大きなディザマトリクスを小さなサブマトリクスに分割し,サブマトリクスの中ではドット集中的な閾値配置を行い,全体的にはサブマトリクスを分散配置する方法. |
361 |
酸化還元反応 |
さんか・かんげんはんのう |
oxidation-reduction reaction |
電子供与性化合物と電子受容性化合物の反応をいう.ロイコ染料型サーマルリライタブルマーキングではロイコ染料(電子供与性化合物)と可逆顕色剤(電子受容性化合物)の酸化・還元反応を利用している. |
362 |
酸化亜鉛 |
さんかあえん |
zinc oxide |
ZnO.感光材料に使用される白色顔料.N型の無機酸化物であり負帯電感光体として用いらる.光感度ピークを約 370nm 付近に有することから,一般には色素増感による感度調整が行なわれる.紙に塗布して用いられ,その上に直接画像を形成する. |
363 |
酸化亜鉛コート紙 |
さんかあえんこーとし |
zinc oxide coated paper |
直接電子写真方式で用いられる電子写真感光紙.粒径 0.3μm 程度の酸化亜鉛粉末を樹脂に分散し紙の上に塗布して作られる.1960年代から70年代にかけてエレクトロファックス方式と呼ばれる複写機用として多く用いられた. |
364 |
三刺激値 |
さんしげきち |
tristimulus value |
試料の色刺激に等色するために必要な3つの原刺激の量.XYZ表色系(2°視野,視覚4°以下の対象に適用)ではX,Y,Zで,X10Y10Z10表色系(10°視野,視覚4°以上の対象に適用)ではX10,Y10,Z10で表わす. |
365 |
算術符号化 |
さんじゅつふごうか |
arithmetic coding |
符号化効率の高いエントロピ符号化の1方式で,JBIG/JPEGで規定されているQM-Coderがその一例である.対象シンボル系列の出現確率に応じて数直線上の部分領域を割り当ててゆき,該当範囲を判定するのに必要な座標情報をその符号語としている.座標計算に演算が必要なため,この名がある. |
366 |
酸性紙 |
さんせいし |
acid paper |
PHが酸性から弱酸性で抄紙された紙.ロジンサイズ剤などを硫酸ばん土(硫酸アルミニウム)で定着するため酸性となる.硫酸イオンはセルロースの分解劣化を引き起こし,黄変や強度低下が生じることから中性紙への転換が進められている.填料としてタルク,カオリンの利用が多い. |
367 |
酸性染料 |
さんせいせんりょう |
acid dyes |
水溶性染料の一つで分子中にスルホン基,カルボキシル基などの酸性基を有する染料.色相が鮮明な染料が豊富で,水溶性が高いことよりインクジェット用色素として多用されている. |
368 |
残留磁化 |
ざんりゅうじか |
residual magnetization |
強磁性体に外部磁界をかけて磁化したとき,外部磁界を除いた後も残る磁化をいう.永久磁石や記憶装置,マグネトグラフィなどに使われる磁気記録媒体は残留磁化が大きい硬磁性材料である. |
369 |
残留電位 |
ざんりゅうでんい |
residual potential |
電子写真感光体において,帯電後露光量を増しても減衰せずに残る電位.繰り返し使用により増大することが多い.また,電子写真プロセスを繰り返し行なう場合,帯電前のプロセスにおいて感光体表面に除電しきれずに残った電荷により発生する表面電位。 |
370 |
ジアゾカップリング反応 |
じあぞかっぷりんぐはんのう |
coupling reaction of diazonium salt compound |
ジアゾニウム塩化合物が,フェノール誘導体,ナフトール誘導体,芳香族アミン,活性メチレン基を有する化合物など(これらをカプラーと称する)と反応しアゾ染料を生成する反応.光定着型感熱紙の画像形成に利用される. |
371 |
ジアゾニウム塩 |
じあぞにうむえん |
diazonium salt |
一般式ArN2Xで表される化合物.Arはアリール基,Xは塩酸,硫酸等の酸の陰イオンを表す.カプラーと反応して染料を形成するとともに感光性も有するため,さまざまな記録材料に利用されている. |
372 |
シアニン染料 |
しあにんせんりょう |
cyanine dye |
両端に含窒素ヘテロ環をもち,その間がメチン共役鎖で結合された染料で,共役鎖の数により,モノメチンシアニン,カルボシアニン,ジカルボシアニンなどと呼ばれ,共役鎖が長いほど吸収波長が長波となり,青光の領域から赤外線領域にわたって適した吸収波長の色素が得られる.写真感光材料の分光増感剤として用いられるほか,アクリル繊維の染色や医薬にも用いられる. |
373 |
CIELUV色空間 |
しーあいいーえるゆーぶいいろくうかん |
CIE 1976 L*u*v* color space;CIELUV colorspace |
CIEが1976年にL*a*b*色空間とともに定めた均等色空間.次式で定義される.L*=116(Y/Yn)^1/3-16 Y/Yn>0.008856 u*=13L*(u'-u'n) v*=13L*(v'-v'n) ここで,Y値は任意な色のXYZ表色系における三刺激値のY値, u',v'はCIE1976UCS 色度座標である. Yn,u'n,v'nは標準の光の下における完全拡散反射面に対するY値,u',v' 色度座標であり,Yn=100と定められている. |
374 |
CIE表色系 |
しーあいいーひょうしょくけい |
CIE 1931 standard colorimetric system CIE 1964 supplemenntaru standard colorimetric system |
CIE(Commision Internationale de l'Eclairage)が,実験に基づいて1931年および1964年に採択した,2°視野および10°視野の標準観察者の等色関数 x(λ),y(λ),z(λ)およびx10(λ)y10(λ)z10(λ)を用いて,任意の分光分布の3刺激値X,Y,ZおよびX10,Y10,Z10を決定する表色体系.前者は視覚4°以下の,後者は視覚4°以上の観察対象に適用される.一般に,モニター画面や印刷物については2°視野が,繊維製品やペイント,プラスチックについては10°視野が用いられる. |
375 |
CIELAB色空間 |
しーあいいーれるえーびーいろくうかん |
CIE LABCIE 1976 L*a*b* color space; CIELAB color space |
均等色空間の代表的なものであり,広く実用化されている.CIEが1976年に規定した,量L*(明るさを示す),a*,b*(色みを示す)を軸とする直交座標色空間をいう.以下の関係式で表される.L*=116(Y/Yn)^1/3ー16 Y/Yn>0.008856 a*=500[(X/Xn)^1/3-(Y/Yn)^1/3 ] X/Xn>0.008856 b*=200[(Y/Yn)^1/3-(Z/Zn)^1/3] Z/Zn>0.008856 |
376 |
CMS |
しーえむえす |
CMS |
(参照:カラーマネジメントシステム) |
377 |
G3ファクシミリ |
じいさんふぁくしみり |
group 3 facsimile (G3) |
現在最も一般的なファクシミリの種別でITU-T Rec.T.4,T30で規格化されている.ファクシミリは,その通信機能によりグループ分けされており,そのグループ内では相互通信が可能となっている.G3は,読み取った画像をディジタルデータとして,冗長度抑圧符号化を行い,モデムによりアナログの変調信号に変換して電話回線等を通して通信を行なう. |
378 |
GCR |
じいしいあーる |
glay color replacement |
UCRで,ハイライト領域からシャドウ領域まで全ての領域でCMY信号の重なったグレー成分とK(黒又は墨)成分の置き換えを行なう方法.フルブラック,アクロマチック製版等とも呼ばれる. |
379 |
CGL |
しーじーえる |
carrier generation layer |
(参照: 電荷発生層) |
380 |
CCD |
しーしーでぃ |
charge coupled device (CCD) |
(参照: 電荷結合素子) |
381 |
CTL |
しーてぃーえる |
carrier transport layer |
(参照: 電荷輸送層) |
382 |
CTP |
しーてぃーぴー |
computer to plate |
デジタル化された印刷原稿の情報を使用し,出力装置により直接,印刷用の刷版を作製することをいう.Computer to Pressともいう.従来は,印刷原稿の情報をレーザプリンタやイメージセッタから普通紙,印画紙,フィルムに出力した後に密着露光により刷版を作製していた. |
383 |
G4ファクシミリ |
じいよんふぁくしみり |
group 4 facsimile (G4) |
G3ファクシミリと同様の通信機能によるグループ分けの一つでITU-T Rec.T.563等で規格化されている.冗長度抑圧した符号化画像データをモデムを介さずに直接デジタルデータとしてISDN等のデジタル回線を用いて通信を行なう.ISDNの普及の遅れ等により普及していない. |
384 |
シールド電流 |
しーるどでんりゅう |
shield current |
コロナ放電器においてコロナ放電ワイヤーを取り囲むシールド(遮蔽体)へ流れる電流成分.帯電には寄与せず無駄な電流であるが,コロナ放電の発生を安定させる効果を持つ. |
385 |
J?会合体 |
じぇい?かいごうたい |
j-aggregate |
色素の会合体.単量体に比べて吸収帯が鋭く,吸収極大波長が長波長側に移動する.J会合体によって,メロシアニン系のホトクロミック材料の熱安定性向上が可能になる. |
386 |
JND |
じぇいえぬでい |
just noticeable difference (JND) |
明るさ等の刺激を一定値の標準刺激とそこから少し変化させた変化刺激として場所的あるいは継時的に提示し,その変化を知覚できる限界の変化量を言う.明るさだけでなく色や音等についても用いられる. |
387 |
JBIG(ジェイビグ) |
じぇいびぐ |
JBIG |
ITU-T T.82 | ISO/IEC 11544規定の2値画像符号化方式.マルコフモデル符号化と算術符号(QM-Coder)の組合せで階層的符号化も可能.文字画像ではG4標準用符号MMRより約30%圧縮率が高い.該標準作成機関(Joint Bi-level Image experts Group)の略称に由来する. |
388 |
JPEG(ジェイペグ) |
じぇいぺぐ |
JPEG |
ITU-T T.81 | ISO/IEC 10918-1で始まるシリーズで規定されたカラー静止画符号化方式.DCT変換を基本とし,変換係数の量子化で画質が制御できる.段階伝送や算術符号化も規定.該標準作成機関(Joint Photographic Image Experts Group)の略称に由来する. |
389 |
シェーディング |
しぇーでぃんぐ |
shading |
照度ムラ,照明ムラ,レンズの明るさのムラ,感光体の感度ムラなど低周波のムラをいう.機械的補正版や電気的補正で一様化するのをシェーディング補正という. |
390 |
ジェネレーションコピー |
じぇねれーしょんこぴー |
generation copy |
複写された画像を原稿として,再度複写された画像をいう.複写回数を重ねると複写機のもつ特定の空間周波数特性を有した模様に収束する. |
391 |
シェフィールド平滑度 |
しぇふぃーるどへいかつど |
sheffield smoothness |
幅0.015インチの同心二重リングで構成される標準面上に試料を置き,その上に板を重ねて圧力1.5lb/in2で空気を流したときに1分間に流れる流量(ml/min)を10倍したシェフィールドユニットと称する単位で表す.TAPPI TEST METHODのT 538 om-96参照. |
392 |
紫外線硬化インク |
しがいせんこうかいんき |
UV curable ink |
紫外線硬化樹脂をバインダとして含む印刷インク.紙面から盛り上がる文字・画像を印刷するとき,あるいはプラスチックフイルムなどインクの吸収性や乾燥の悪い材料に印刷するときに,印刷後,紫外線を照射して急速に乾燥・硬化させる目的で使用する. |
393 |
磁化曲線 |
じかきょくせん |
magnetization curve |
磁性体に加える外部磁界をだんだん大きくするにつれて,磁性体の磁化の強さが大きくなっていくが,ある程度以上の磁界になると磁化の増加が少なくなり,やがて飽和する.このように外部磁界と磁性体の磁化の関係をプロットしたものをいう. |
394 |
視覚伝達関数 |
しかくでんたつかんすう |
visual transfer function (VTF) |
画像の再現性を評価する手段として,システムを各部に分割して,その空間周波数領域での伝達関数の重ね合わせとして評価する方法がある.この際に人間の視覚特性を表わすのに用いられるのが視覚伝達関数であり,明度軸については,4cycle/deg.程度にピークを有する特性が主に用いられている. |
395 |
磁化転移領域 |
じかてんいりょういき |
magnetic transition region |
ディジタル磁気記録において,磁気記録ヘッドから記録媒体に加える記録磁界をステップ状に反転させたとき,記録媒体内で徐々に磁化の向きが反転する領域をいう.この領域には磁荷が生じて,マグネトグラフィでは磁性トナーが吸引される. |
396 |
磁化率 |
じかりつ |
susceptibility |
ある物質に磁界を加えて磁化したとき,磁界の強さ(H)とその物質の示す磁化の強さ(I)との比をいい(I/H),磁化のされ易さを表す. |
397 |
色域(しきいき) |
しきいき |
color gamut |
特定の3刺激値の加法混色によって再現されるすべての色を含む色度図上に表現された範囲. |
398 |
磁気カプセル方式リライタブルマーキング |
じきかぷせるほうしきりらいたぶるまーきんぐ |
magnetic capsule type rewritable marking |
磁性粉とオイルやワックスを封入したマイクロカプセルから成る媒体に,磁場と,必要に応じて熱を印加して繰り返し記録および消去が可能な記録方式.フレーク状の粒子を配向させる方式と,磁気泳動を利用した方式がある. |
399 |
磁気記録媒体 |
じききろくばいたい |
magnetic recording medium |
磁気記録ヘッドから生ずる磁界により磁化されて,残留磁化パターンが記録される媒体をいう.硬磁性材料から成り,マグネトグラフィの代表的な磁気記録媒体はCo-Ni-Pのメッキ膜である. |
400 |
磁気記録ヘッド |
じききろくへっど |
magnetic recording head |
磁気記録媒体を磁化するために信号に対応した磁界を発生するヘッド.リング状のコアにコイルが巻いてあり,コアの一部が非磁性体になっていて,そこから記録磁界が発生する構造になっている.コアにはパーマロイ,フェライトなどの軟磁性材料が使われる. |
401 |
磁気光学シャッタアレイ |
じきこうがくしゃったあれい |
magnetooptical shutter array |
直線偏光した光が磁場内におかれた等方性の物質中を磁界方向に進むときに,その偏光面が回転する性質(ファラデ?効果)を利用した光シャッタ.2枚の偏光板のあいだに素子をおいて使用する.1μs位の短い露光時間を得ることができる. |
402 |
色差 |
しきさ |
color difference |
色の知覚的な違いを定量的にあらわしたものである.L*a*b*表色系では,ΔE*ab(デルタ・イースター・エイ・ビー)の次式で定義される数値で表わす.ΔE*ab=[(ΔL*)^2+(Δa*)^2+(Δb*)^2]^1/2 これにより,各種の色度図上での距離がこれに対応する. |
403 |
色彩計 |
しきさいけい |
colorimeter |
色を表示する数値を測定する計測器.人間の目には分光応答度の異なる3種のセンサがあり,人間はこのセンサから刺激として色を感知する.色彩計はこの刺激量(3刺激値X,Y,Z)を客観的に測定し,目的に応じた表色系に変換する.客観性を確保するため,CIEにより標準観測者が定義されている. |
404 |
磁気スタイラス記録 |
じきすたいらすきろく |
magnetic stylus recording |
導電性かつ強磁性のスタイラスの先端と絶縁層との間に導電性磁性トナーを配置し,トナーを磁気力でスタイラスの先端に吸引させておき,選択的にスタイラスに電流を流して電気力でトナーを絶縁層の上に残す,画像形成技術. |
405 |
磁気潜像 |
じきせんぞう |
magnetic latent image |
マグネトグラフィにおいて,磁気記録媒体に記録された画像に対応する磁化パターンで,現像前の見えない状態をいう. |
406 |
色相 |
しきそう |
hue |
赤,黄,緑,青,紫のような色感覚の性質を特徴付ける色の属性を色相という.色度図上では,無彩色を中心にして放射状に同一色相が並び,円周方向に異なる色相が連続的に配列される. |
407 |
磁気双極子 |
じきそうきょくし |
magnetic dipole |
N,S両極がきわめて接近して存在しているものをいう.磁化された磁性体では必ず両端にN極とS極とが対になって現れる.磁性トナーのような小さな磁性体が磁化されると,磁気双極子として振る舞う. |
408 |
色素拡散転写法 |
しきそかくさんてんしゃほう |
dye diffusion transfer process |
ハロゲン化銀写真法の一つで,現像過程で染料が放出されて受像層に拡散して転写されるカラー画像形成法.カメラ撮影用としてインスタントカラー写真が,またカラープリント,コピー用として熱現像型カラー写真 (ピクトロカラー) がある. |
409 |
色素受容層 |
しきそじゅようそう |
dye receiving layer |
インクフィルム(染料ドナーシート)より染料が熱転写されることが可能な受像紙の表面に構成された層.染料に染着されやすい材料が塗布された層.染料受容層,受像層ともいう. |
410 |
色素増感 |
しきそぞうかん |
dye sensitization |
酸化亜鉛やポリビニルカルバゾールなど可視光領域に光吸収のない光導電体中に有機色素を添加してキャリヤ生成の波長領域を可視域や赤外線領域に広げること.ハロゲン化銀感光材料における分光増感に対応する. |
411 |
色素媒染法 |
しきそばいせんほう |
dye mordanting |
拡散性の染料を媒染剤によって固定すること.インスタントカラー写真に利用されている色素拡散転写法では, 受像層に媒染剤を添加し, 画像状に拡散・転写してきた染料を固定している. |
412 |
磁気チェーン現像 |
じきちぇーんげんしょう |
magnetic chain development |
マグネトグラフィの現像法で,トナーが記録媒体と接する領域でトナーをチェーン状に結合させて記録媒体の磁気潜像に供給する.画像部では磁気潜像の吸引力がトナーのチェーン結合力に勝るので,トナーが潜像側に移り,非画像部ではトナーが移らない. |
413 |
磁気ディスプレイ |
じきでぃすぷれい |
magnetic display |
磁場を印加して記録を行うディスプレイ.磁気カプセル方式リライタブルマーキングや磁気粉方式リライタブルマーキング等がある. |
414 |
色度図 |
しきどず |
chromaticity diagram |
色度座標を直角座標に示した図.三刺激値X,Y,Zから定義された(x,y)をプロットしたxy色度図は,色度図上の2点間の距離が等しくても色度図の位置によっては同一の知覚差とならない.これを知覚的に等しい差となるように変換した表色系をUCS色度図と呼ぶ. |
415 |
磁気ブラシクリーニング |
じきぶらしくりーにんぐ |
magnetic brush cleaning |
磁石による磁界で現像剤のキャリア等の磁性粒子によるブラシを形成し,感光体表面をこすることにより残存トナーを除去すること. |
416 |
磁気ブラシ現像法 |
じきぶらしげんぞうほう |
magnetic brush developing |
トナー粒子を表面に静電的に付着させた磁性キャリアを磁石に吸引付着させブラシ状となし,これで静電潜像を形成した像面を擦ることによって可視像を得る方法.トナー中に磁性粉を含有する磁性トナーを用いる場合も磁気ブラシ現像法と言う. |
417 |
磁気ブラシ帯電 |
じきぶらしたいでん |
magnetic brush charging |
マグネットローラ上に磁性粒子の層(磁気ブラシ)を形成して感光体ドラムに接触させ,マグネットローラに印加された電圧で感光体ドラムを帯電する方法.磁気ブラシと感光体との接触面積が広く,安定した画像が得られる. |
418 |
磁気プリンタ |
じきぷりんた |
magnetic printer |
磁気潜像を形成し,磁性トナーにより可視像化してハードコピーを作るプリンタ.消去,記録,現像,転写,定着,クリーニングのプロセスを経る.一度潜像記録すると,現像以降のプロセスを繰り返すだけで極めて多数のコピーができる. |
419 |
磁気粉方式リライタブルマーキング |
じきふんほうしきりらいたぶるまーきんぐ |
magnetic powder type rewritable marking |
磁気粉に磁場を作用させることによりくり返し記録および消去が可能な記録方式.一般には,封入された磁気粉の裏面におかれた強磁性体層に磁気パターンを記録し,文字等を表示する. |
420 |
磁気リーダライタ |
じきりーだらいた |
magnetic reader writer |
磁気記録媒体の記録及び,再生を行う装置.カード媒体では,手動により媒体を走査させるもの,電動により媒体を走査させるものがある.電動によるものでは,カード上に画像を印字する機能を有するものがある. |
421 |
仕事関数 |
しごとかんすう |
work function |
温度0°Kで固体中の自由電子1個を物質外に引き出すに必要なエネルギーを電位差(V)で表わしたもの.真空中の電子のエネルギー準位を零として測ったフェルミ準位のエネルギーの絶対値である. |
422 |
視細胞 |
しさいぼう |
visual cell |
網膜中の光の受容器部分を視細胞という.視細胞には桿状体および錐状体の2種がある.それぞれ,約700万個と1億個ほどあり,外光を吸収して光反応を起こし,その信号が視神経に伝達されて視覚を生じる. |
423 |
示差走査熱量測定 |
しさそうさねつりょうそくてい |
differential scanning calorimetry |
基準物質と試料とを同時に一定の速度で加熱しながら両者の間に生じようとする温度差を0に保つのに必要な電気エネルギーの記録が示差熱分析曲線(thermogram)であり,これにより試料物質の熱的特性を解析する.測定機は示差走査熱量計. |
424 |
支持体(基材) |
しじたい |
substrate |
インクシートや受像紙の構成材料で塗布層を保持させるためのベースフィルム.基材とも呼ばれる.インクシートでは支持体上に滑性層および色材層を形成する.染料熱転写用受像紙の支持体は断熱性とクッション性が重要である. |
425 |
システムレスポンス |
しすてむれすぽんす |
system response |
ある系の入出力応答をいうが,電子写真の場合,入力画像濃度/露光量/感光体表面電位/出力画像濃度(ジョーンズプロット)間の入出力応答特性を指す.
|
426 |
磁性キャリア |
じせいきゃりあ |
magnetic carrier |
磁気ブラシ現像法で用いるキャリア.磁場の中におかれると磁性を帯びる,鉄化合物を主な材料として作る. |
427 |
磁性トナー |
じせいとなー |
magnetic toner |
粒子中に磁性粉を含有するトナー.磁力によって搬送可能で,キャリアは不要である.導電性と絶縁性のトナーとがあり,前者は現像領域での電荷注入,後者は現像スリーブやブレードとの接触・摩擦により帯電する. |
428 |
持続性静電潜像システム |
じぞくせいせいでんせんぞうしすてむ |
charge retention system |
電子写真プロセスにより形成された静電潜像に対し,現像,転写を繰り返すことにより1回の潜像形成で他数枚の複写を得るシステム. |
429 |
持続性内部分極 |
じぞくせいないぶぶんきょく |
persistent internal polarization(PIP) |
光導電性絶縁材料に光照射と同時に電場を加えて,材料内部に生成した電荷を分極させてトラップさせることにより,光照射および電場を解除後も有限時間分極状態を保つ現象. |
430 |
持続光導電性法 |
じぞくひかり(こう)どうでんせいほう |
electroconductivity process |
導電性感光体には,光像を露光すると像上に持続性の導電部を生じるものがある.この現象を利用した電子写真法で,充電現像,電気泳動現像で可視化する.帯電工程が不要であるが,光像を露光した後に帯電し静電潜像に変換することもできる. |
431 |
下色(したいろ)除去 |
したいろじょきょ |
under color removal(UCR) |
カラー印刷や,電子写真では,YMCの3原色にK(黒)を使用してカラー再現を行うが,YMC3色の重なりからなるグレー成分を減らしてK(黒)成分で置き換えることをいう.この置き換えの割合は原稿種類によって使い分けることがある. |
432 |
ジッタ |
じった |
jitter |
狙いの速度あるいは周期に対し,その値の周辺で変動(振動)することをいう.例えばチェーンによる駆動ではチェーンのピッチに対応して速度変動を生じ,画像にバンディングとなってしま状の画像が現われる. |
433 |
自動給紙 |
じどうきゅうしほうしき |
automatic paper feed |
スタックされた用紙を自動的に機械の中に送り込む機構を持つ装置.シート給紙,ロール給紙の2つに分類される.
|
434 |
自動原稿送り装置 |
じどうげんこうおくりそうち |
automatic document feed (ADF) |
あらかじめセットされた原稿を一枚ずつ自動的に原稿面ガラス上に送り,コピー終了後,自動的に原稿を排出する装置.
|
435 |
自動両面機構 |
じどうりょうめんきこう |
auto duplex mechanism |
用紙片面へ複写後,用紙を表裏反転させて両面用トレイに集積し,次の複写指示により再び複写画像形成部に送出して両面複写を行う機構.感光体上に2画面を形成し第1の画面を転写後,用紙を反転し第2の画面を転写し両面同時に定着する方式もある.
|
436 |
視認性 |
しにんせい |
visibility |
色やコントラストや解像度等の要因で支配される可視画像の見易さを総合的に表わしたもの. |
437 |
地肌濃度 |
じはだのうど |
background optical density |
リライタブルマーキング媒体等において,印字記録が一度もなされていない部分の光学反射濃度.一般に,発消色型では発色部の濃度より低く,透明/白濁変化型では白濁部の濃度より高い. |
438 |
滲みだし機構 |
しみだしきこう |
exudation mechanism |
溶融型熱転写記録において熱溶融性のインク層が全体的に転写することなく,非転写性の構造(例:石垣構造)中からパラフィン等を主成分とする低温で溶融する色材成分が滲みだすように出てきて記録媒体へ転写する機構. |
439 |
シャープネス |
しゃーぷねす |
sharpness |
画像の鮮明さや鮮鋭さに関する物理量で,像の微細構造を測定してMTFで評価することが一般に行われている.白黒の境界部の立ち上りや,遠近の判然さ等もこれに関係する.解像力とは異なる. |
440 | ジャギー |
じゃぎー |
jaggy |
デジタル画像出力の際,斜め線に鋸歯状のギザギザが発生すること.出力装置の解像度に依存する.これを軽減するために解像度補間処理(resolution enhancement technology :RET)が採用される.(参照:擬似解像度)
|
441 |
弱磁界現像 |
じゃくじかいげんしょう |
weak magnetic field development |
マグネトグラフィの現像法で,記録媒体の磁化を消さないように,比較的弱い磁界を加えてトナーを供給する方式. |
442 |
シャドーポイント |
しゃどーぼいんと |
shadow point |
スキャナ等による画像の取り込みにおいて,階調の有る中でもっとも暗く再現する部分.印刷用等では,この部分の網パーセントを暗い方に少し余裕を残す為,95%等に設定する. |
443 |
ジャンピング現像 |
じゃんぴんぐげんぞうほうしき |
toner projection development |
一成分絶縁性トナーを用いる非接触現像方式.トナー薄層を現像ローラ上に形成し,感光体とは非接触で回転させる.トナーの現像ローラへの付着力,鏡像力をキャンセルさせるため,直流バイアス電圧の上に交流バイアス電圧を重ねて印加される. |
444 |
重回帰分析 |
じゅうかいきぶんぷ |
multi regression analysis |
画像の品質の様に各種の要因が作用している場合,それら要因の中で,ほぼ独立に寄与する要因を見つけ出し,その寄与度を明確にする為の手法.多次元での回帰直線(曲線)と相関係数の導出が主となる. |
445 |
重合トナー |
じゅうごうとなー |
polymerised toners |
着色剤や添加剤等とモノマを水媒体中で分散させながら重合して製造するトナー.一段階の反応でトナーサイズの粒子を形成,形状が球形となる懸濁重合法と,重合した微粒子をいくつか凝集させてトナーサイズとする乳化重合法とがある. |
446 |
重送 |
じゅうそう |
multi feed (feeding) |
紙送り出し部から用紙が単葉に分離されず,複数枚重なった状態で送り出されること.
|
447 |
重層効果 |
じゅうそうこうか |
interlayer effect, inter-image effect |
銀塩写真の現像効果の一つ.現像反応が進んでいる局部的な場所の下層又は上層が反応生成物により現像促進又は抑制を受けて,それが画像特性に及ぼす影響.カラー写真画像の色彩度や鮮鋭度を強調する目的で,重層効果が利用できるような感光材料設計が行われる. |
448 |
収束性光ファイバーレンズアレイ |
しゅうそくせいひかりふぁいばーれんずあれい |
optical fiber lens array |
(参照: レンズアレイ,SLA) |
449 |
充電現像法 |
じゅうでんげんぞうほう |
charging development |
光照射を止めても暫くの間導電性が保たれる光導電体を用いて導電性の潜像を形成し,導電性磁性トナーに電圧を印加しながら潜像上をこすると非露光部を充電する形でトナーが付着する. |
450 |
主観評価 |
しゅかんひょうか |
subjective evaluation |
画質の良し悪しは,最終利用者である人間が判断することになるので見る人の主観判断による主観評価が望ましい.しかし人間の主観判断は,バラツキが大きく実用的には効率が悪いので,主観評価との対応関係が良い客観評価方法を開発することや,それを用いることが重要である. |
451 |
縮合多環系顔料 |
しゅくごうたかんけいがんりょう |
polycyclic dye |
構造式中に環状の原子配列を複数持ち,2つ以上の環がそれぞれ2個以上の原子を共有して一体化している有機顔料.π発色系の拡大により鮮明な色や蛍光性,導電性などの機能を示す.キナクリドン,キノフタロン,オキサジン系色素がある. |
452 |
縮小型イメージセンサ走査 |
しゅくしょうがたいめーじせんさそうさ |
reduction type image sensor optics scan |
縮小光学系を介して原稿像をイメージセンサ受光面に結像走査する方式.等倍イメージセンサに比較し画像の縮拡大が容易であり,焦点深度も深く出来る.
|
453 |
主走査 |
しゅそうさ |
first scan |
画像を複数のラインに分割して読み込むまたは書込む際に,ライン方向に走査することを主走査,次のラインに移動することを副走査(slow scan)という. |
454 |
受像紙 |
じゅぞうし |
receiver paper |
最終的に画像が形成される記録用紙.熱転写記録においては,染料または顔料が転写されて画像形成する. |
455 |
受容器 |
じゅようき |
recepter |
光その他の刺激を受けて入れる生体の器官.視覚系では,かん状体と錐状体とがあり,前者は暗所,,後者は明所で働く. |
456 |
シュリーレン法 |
しゅりーれんぞうとうえい |
schlieren method |
微小な屈折率変化を明暗の差として表す光学的測定法.平板ガラスの脈理測定などに用いる.点光源をコリメータレンズにより平行光束とし,被検物を置き,通過後レンズにより一点に収束させる.その収束点をナイフエッジで遮って目視すると脈理がないときは一様に暗くなるが,脈理があると濃淡像が観察される.他にも反射・屈折面の表面凹凸や流体の流れの可視化などにも用いられる. |
457 |
順次再生符号化 |
じゅんじさいせいふごうか |
sequential coding |
最終品質の画像が走査順に送られてくる,通常の符号化伝送方式を指す.階層的符号化に対する言葉で逐次符号化ともよぶ.
|
458 |
昇華 |
しょうか |
sublimation |
固体が直接気体になる現象.この現象を利用して,サーマルヘッドの熱により,染料がインクフィルム(染料ドナーシート)から受容層に転移する. |
459 |
昇華型熱転写法 |
しょうかがたねつてんしゃほう |
sublimation dye transfer printing method |
熱移行性の染料を含有する層をPETフィルム等の支持体上に塗布して作った染料ドナーシートを,合成紙等の支持体上に染料受容層を有する受像シートに対向させて,画像情報に基づいて加熱することにより受像シート上に画像を形成する.当初は昇華性染料が用いられ標記の用語が一般化したが,最近は非昇華性の染料も使用されている.染料熱転写記録法ともいう. |
460 |
昇華性染料 |
しょうかせいせんりょう |
sublimation dye |
固体から気体に状態変化する染料を示すが,現在では昇華転写方式に用いられていて,インクフィルム(染料ドナーシート)から受容層へ転移することのできる,染料全般を示す. |
461 |
消去エネルギ |
しょうきょえねるぎ |
erasing energy |
リライタブル媒体において,印字記録後に画像を消去する際に必要とするエネルギ.媒体により,必要なエネルギは熱,電場,磁場等と異なる. |
462 |
消去温度 |
しょうきょおんど |
erasing temperature |
サーマルリライタブルマーキングにおいて記録画像を消去する温度. |
463 |
消去温度範囲 |
しょうきょおんどはんい |
erasing temperature range |
サーマルリライタブルマーキングにおいて記録画像を消去可能な温度範囲. |
464 |
消去残像 |
しょうきょざんぞう |
ghost image |
リライタブルマーキングの画像消去処理後に完全には消えきらずに残った画像のこと. |
465 |
消去性 |
しょうきょせい |
erasability |
記録画像を消去した部分の消去の程度を示す指標.下記の式で表される.一般に記録濃度が飽和記録濃度に達していないと消去の程度は良くなる傾向にあり,飽和記録濃度で記録した画像の消去が最も難しい.消去性(%)=(Dp?De)/(Ds?Db)×100, Dp:記録濃度,De:消去濃度,Ds:飽和記録濃度 ,Db:地肌濃度 |
466 |
消去特性 |
しょうきょとくせい |
erasing characteristics |
リライタブルマーキングでの記録画像の消去の特性.(参照:消去性) |
467 |
消去濃度 |
しょうきょのうど |
erasing optical density |
リライタブルマーキングにおいて,記録画像を消去した部分の光学的反射濃度.(参照: 消色濃度) |
468 |
消去バー |
しょうきょばー |
erasing bar |
サーマルリライタブルマーキングにおいて,棒状の発熱体を用いた画像消去手段.オンデマンド消去に用いられる.例としてセラミック基板に棒状の厚膜あるいは薄膜の発熱抵抗体を設けたものがある. |
469 |
消去ランプ |
しょうきょらんぷ |
erase lamp |
電子写真において感光体の繰り返し使用のために電荷を消去するランプ.
|
470 |
条件付きディザ法 |
じょうけんつきでぃざほう |
conditioned dither method |
写真などの連続調画像を2値出力の装置で表現する為のディザ処理の一つで,2値化処理を行う画素の周囲や,2値化された結果により発生した誤差等を用いて閾値処理を変更する方法.平均誤差最小法(誤差拡散法),平均値制限法,多段分割量子化法等がある. |
471 |
消磁 |
しょうじ じきしょうきょ |
magnetic erasing |
次の潜像記録の前に,不要になった磁気潜像を消すこと.磁気記録媒体に直流磁界を加えて一方向に均一磁化する方法と,交流磁界を加えて残留磁化をゼロにする方法とがある.磁気消去. |
472 |
消色型2色感熱紙 |
しょうしょくがた2しょくかんねつし |
discolor type two-color thermal paper |
支持体上にアルカリ性下で(たとえば赤に)発色するロイコ染料と大過剰の高融点固体アルカリ化合物を含む感熱層と,酸性下で(たとえば青に)発色するロイコ染料と低融点固体酸化合物を含む感熱層を積層させた感熱紙.低温では青に発色.高温では赤に発色するとともに青発色層は中和されるために消色し,混色の無い2色が得られる. |
473 |
消色性 |
しょうしょくせい |
erasability |
(参照:消去性) |
474 |
消色トナー |
しょうしょくとなー |
color fadable toner |
不要になったハードコピーに近赤外光(825nm)を照射してトナー色を無色にすることにより,用紙の繰り返し使用を可能としたもの.トナーは着色剤としてシアニン系染料,消色助剤として有機ホウ素アンモニウム塩を用い,光照射すると染料が無色のロイコ体になる.
|
475 |
消色濃度 |
しょうしょくのうど |
erasing optical density |
発色型リライタブルマーキング媒体において,印字記録後に消去操作を行った部分の光学反射濃度値.適切な消色操作がなされても地肌濃度とは異なった値を取ることがある. |
476 |
冗長度抑圧 |
じょうちょうどよくあつ |
redundancy surpression |
エントロピ符号化によりオリジナルのデータ量を符号化圧縮することをいう.冗長度は名目の情報量,すなわち最大情報量と実際のエントロピとの差を最大情報量で正規化した値をいい,これを削減するころから冗長度抑圧と呼ばれる. |
477 |
焦点深度 |
しょうてんしんど |
depth of focus |
幾何光学的に正しい像面位置から光軸方向に受光面がずれると像がボケる.このボケが実用上許容できる受光面のズレの範囲をいう. |
478 |
ショートランプリント |
しょーとらんぷりんと |
short run print |
1枚の原稿に対して500?1000部程度のプリントを行うことをいう.複写と印刷の中間領域.
|
479 |
初期電位 |
しょきでんい |
initial potential |
初期帯電終了時の感光体の表面電位.光減衰の解析のときには光照射を開始したときの表面電位をいう. |
480 |
触媒退色 |
しょくばいたいしょく |
catalytic fading |
記録媒体上の染料が共存する他の物質の触媒的働きにより,選択的に劣化するもので,混色部の染料(例えばマゼンタ)が共存する他の染料(シアン)により増感された一重項酸素等の活性酸素種により酸化され退色する現象. |
481 |
シリアルヘッド |
しりあるへっど |
sirial scan head |
記録媒体面上を往復運動させて画像を記録するヘッド.記録媒体をヘッドの走査方向と直行方向に送ることにより媒体全面に記録を行う.記録速度は遅いが安価なプリンタが構成できる.また,大判サイズのプリンタにも適している. |
482 |
シリンドリカルレンズ |
しりんどりかるれんず |
cylindrical lens |
一方向に屈折力を持ち収束または発散し,直交する方向では屈折力をもたないレンズ.面が円筒面で構成される.ライン照明や,一方向の画像圧縮や,レーザ走査光学系の面倒れ補正などに用いる. |
483 |
しわ |
しわ |
wrinkle |
用紙に発生するしわをいう.特に熱ローラ定着にて,部分的に吸湿し歪んだ用紙を用いた際に発生しやすい.
|
484 |
浸漬塗工法 |
しんせきとこうほう |
dip coating |
有機感光体の製造方法のひとつ.感光体材料を塗液とし,導電性素管を塗液中に浸漬した後,引き上げて塗膜を形成する.塗液の粘度,引き上げ速度で厚さをコントロールする.ディップコーティング. |
485 |
心理項目 |
しんりこうもく |
psychological factors (items) |
画質等を評価する場合の心理的評価項目のこと. |
486 |
心理物理量 |
しんりぶつりりょう |
psychophysical value (metric) |
知覚や感覚のように物理的な刺激と対応して比較的一定の方向に漸近的に変化する過程を,物理的刺激との関係で数値的に表わした量. |
487 |
錐状体(すいじょうたい) |
すいじょうたい |
cone |
色覚や明るい光での視覚をつかさどる網膜の光受容体.感光物質の組み合わせで分光感度特性の異なる3種類(L,M,S)が存在する. |
488 |
水性インク |
すいせいいんく |
water based ink |
水及び水に可溶な溶媒に染料,顔料などの色材を溶解または分散させたインク.安全性が高く,臭気が無いことより多用されている. |
489 |
垂直記録 |
すいちょくきろく |
perpendicular recording |
磁気記録媒体の膜面から垂直方向に磁化すること.磁荷は膜の表面に現れる. |
490 |
水溶性染料 |
すいようせいせんりょう |
water-soluble dyes |
染料の中で水に可溶な染料群.水溶性染料は,さらに塩基性染料,酸性染料,直接染料,酸性媒染染料,可溶性建染め染料などに分類される.水に対する溶解度の高さから酸性染料,直接染料がインクジェット方式では多用される. |
491 |
水溶性有機溶媒 |
すいようせいゆうきようばい |
water-soluble organic solvent |
インクジェット用インクにおいて,染料,顔料などの色材を溶解または分散する水溶性の有機溶媒.具体的にはエタノール,n?プロパノールなどのアルコール類,ジエチレングリコール,グリセリンなどの多価アルコール類,ピロリドン系溶媒などが使用される. |
492 |
SCID |
すきっど |
SCID(Standard Color Image Data) |
印刷等における作業の標準化や符号化特性の評価等を行なうことを目的に日本で検討されたのをベースに国際標準化(ISO12640, JIS X 9201)された標準画像データセット.印刷製版用のスキャナで入力されたCMYK網%で記述された写真データ等から構成される. |
493 |
スキャベンジング効果 |
すきゃべんじんぐこうか |
scavenging effect |
現像時に感光体に付着したトナーの一部が,現像域内でキャリアにより再びかき取られる現象.
|
494 |
スクイーズ |
すくぃーず |
squeeze |
湿式現像後,感光体表面に残存するキャリア液体を適当な厚さに絞ること.スクイーズにはコロナ放電器が用いられる.
|
495 |
スクリーン印刷 |
すくりーんいんさつ |
screen printing |
枠に絹,ナイロン,ポリエステル,金属のスクリーンを張り,画線部のみスクリーンの目をあけて(写真的方法によるのが主流)ステンシルとする.スクイージでスクリーンの目(ステンシル)を通してインクを押し出して印刷する方法. |
496 |
スケルトンブラック |
すけるとんぶらっく |
skelton black |
UCRにおいて,K(黒または墨)の生成を中間階調から高濃度側に限定してハイライト部分の再現性を向上させた方法.墨のレンジが短い為,トーンジャンプが発生しやすい.逆に,ハイライトまで入れるのをフルブラック,アクロマチック製版,GCRと呼ぶ. |
497 |
スコロトロン |
すころとろん |
scorotron |
コロナワイヤと被帯電体との間にグリッド電極を持たせた構成のコロナ帯電器.帯電をコントロールする機能をもつ.(参照: コロナ帯電) |
498 |
砂目立て |
すなめたて |
graining |
平版印刷版用の版材の表面処理の方法の一種.非画線部の親水性・保水性向上,また画線部を形成する親油性材料(樹脂)の基板への密着強度向上に効果的.最近の版材はアルミ基板が中心であり,ブラシや砥粒による表面粗化や,電解処理が利用される. |
499 |
スピロピラン |
すぴろぴらん |
spiropyran |
2個のピラン環が2,2'-位または2,4'-位でスピロ結合しているスピロピランの総称.スピロ環構造と開環構造との間に熱的な平衡を保ち,サーモクロミズムやフォトクロミズムの原因となっている. |
500 |
スポンジローラ現像 |
すぽんじろーらげんぞう |
sponge roller development |
湿式現像法の一つ.現像ローラとして導電性スポンジをテトロンメッシュで覆ったローラを用いる.現像時メッシュの厚みを隔てて現像液が感光体との空隙に浸みだし現像される.現像域を過ぎると圧縮から開放され復元の際に余剰液が回収される.
|
501 |
墨入れ |
すみいれ,すみせいせい |
black component generation |
プロセスカラー印刷等において,CMYの色材を重ねただけで十分な遮光性が得られない場合に,墨(K)を刷り重ねて高い濃度を実現すること,およびその方法.また,3色が重なったグレー成分を墨に置き換えるUCR等をさす場合もある. |
502 |
スリーブ |
すりーぶ |
sleeve |
円筒状のもの.磁気ブラシ現像法で,磁石を内蔵する非磁性体で出来た筒状部分をいう.この円筒表面に磁気ブラシが形成される. |
503 |
スリット露光 |
すりっとろこう |
slit exposure |
複写機やイメ?ジスキャナなどで原稿をスリット状に照明しつつ,直線走査する露光方法. |
504 |
正極性放電 |
せいきょくせいほうでん |
positive discharge |
プラス電荷を発生させる放電.一般には,電源の正極側に負極側よりも曲率半径の小さい先端部,あるいは曲率半径の小さいワイヤ状電極等を備えることにより実現する. |
505 |
制御電極アレイ |
せいぎょでんきょくあれい |
control electrode array |
イオンフロー記録方式において発生したイオン流を制御するのに用いられる電極列をさす.通常は,穴あき電極対を列状に並べたものが用いられる. |
506 |
正現像法 |
せいげんぞうほう |
charged area development |
潜像電荷と逆極性の電荷を持ったトナーを静電的に付着させる現像法.同極性の場合は反転現像法という.(参照:反転現像法)
|
507 |
正コロナ |
せいころな |
positive corona |
コロナワイアに正の高電圧を印加して発生する放電.電子写真感光膜を正に帯電するために使用される.負コロナの場合よりも荷電むらを生じにくく,また有害ガスの発生も少ない.
|
508 |
静電印刷法 |
せいでんいんさつほう |
electrostatic printing process |
導電性シート上に絶縁性画像を形成したものを原版とし,これに電子写真法と同様に帯電現像,転写を繰返して多数枚のプリントを得る方法.露光が不要な分複写機に比し構造が簡単で高速化が容易である.スクリーン方式もある. |
509 |
静電荷像転写プロセス |
せいでんかぞうてんしゃぷろせす |
charge transfer process |
(参照:潜像転写) |
510 |
静電気力 |
せいでんきりょく |
electrostatic force |
静止している電荷の間に働く力.2つの電荷の間に働く力は各々の電荷に比例し,その間の距離の2乗に反比例する.力の方向は両者を結ぶ直線方向で,電荷が同符号ならば斥カ,異符号ならば吸引力である. |
511 |
静電記録方式 |
せいでんきろく |
electrostatic recording process,electrographic printing |
誘電体層を持つ記録紙上に針電極等から直接電荷を与え静竜潜像を形成記録する.多針電極を用いると可動部なしで,高速記録が可能である.図面用の大型の装置も実用化されている.中間体を用い普通紙に記録する方式もある. |
512 |
静電記録紙 |
せいでんきろくし |
dielectric-coated paper |
導電処理した紙の上に誘電体層を設けた記録紙.針電極に高電圧パルスを印加して静電潜像を作りトナー現像により可視像を得る.高速記録が可能なことから高速ファクシミリ,プリンター,プロッターに使用されている. |
513 |
静電コントラスト |
せいでんこんとらすと |
electrostatic contrast |
画像部と非画像部の静電電位の差をいう.この電位差を利用して現像を行なっている. |
514 |
静電潜像 |
せいでんせんぞう |
electrostatic latent image |
感光体や誘電体層上に静電荷が画像状に分布した状態のことで,トナー等で現像する迄は目に見えないので潜像という. |
515 |
静電像 |
せいでんぞう |
electrostatic image |
現像前の誘電体もしくは光導電体層上に形成された静電荷像.(参照: 静電潜像) |
516 |
静電転写 |
せいでんてんしゃ(ほうしき) |
electrostatic transfer |
静電界の作用により像を転写すること.一般にはトナー像を転写することをいう.コロナ転写とローラ転写が代表的な方式.(参照: コロナ転写,ローラ転写) |
517 |
静電ブラシクリーナ |
せいでんぶらしくりーな |
electrostatic brush cleaner |
感光体上に残存するトナーを,導電性繊維からなるブラシに電圧を印加して静電的に除去する方式.ブラシに付着したトナーは逆極性の電圧を印加したローラで補集する.
|
518 |
静電プローブ |
せいでんぷろーぶ |
electrostatic probe |
表面電位等を測定するために,帯電体に近接,対向して使用する電極系,感応電極の部分は十分よく対地絶縁されている必要がある. |
519 |
静電分離 |
せいでんぶんり |
corona separation |
トナー画像の転写時に与えた電荷と逆極性のコロナ放電を与えて,用紙の感光体への静電吸着力を弱め,用紙の腰の強さと重力により用紙を感光体より分離する方法.
|
520 |
静電誘導現像方式 |
せいでんゆうどうげんぞうほうしき |
induction development |
磁性一成分現像法の一種.低抵抗導電性磁性トナーを用い,現像電界下でトナーに電荷を静電誘導で注入し現像する方式と,高抵抗磁性トナーを互いに逆回転する現像スリーブとマグネットローラにより現像領域に搬送し,現像ニップ内で撹乱することで,トナー層を実質的に導電状態にして現像する方式がある.(参照:マグネダイナミック法)
|
521 |
静電誘導帯電 |
せいでんゆうどうたいでん |
induction charging |
他導体と接触している物体が外部電界の作用で静電誘導により帯電する現象.接触部を通じて電荷が移動するために生ずる.導電性トナーの帯電にこの現象が利用されることがある. |
522 |
製版用フィルム |
せいはんようふぃるむ |
prepress film, reproduction film |
製版工程で使用するモノクロのフィルムの総称.3色分解用(可視光全域に感光,比較的軟調),プロセスフィルム(青・緑光に感光,普通フイルムより硬調,グラビア製版用),リスフィルム(超硬調・解像力大,網点の作成用,文字・線画の再現用)等がある. |
523 |
ゼータ電位 |
ぜーたでんい |
zeta potential |
界面動電位又は運動電位ともいう.固体と液体の界面に形成される電気二重層中の電位差のうち界面動電現像に有効に作用する部分をいう.コロイドの分散性及び電子写真液体現像における現像剤の評価に応用される. |
524 |
赤外線写真 |
せきがいせんしゃしん |
infrared photography |
赤外線用写真フィルム及び赤外撮影用フィルタを用いて撮影する写真技法.可視光写真と異なる判別力を利用して,遠距離被写体の撮影,生物組織体の透過撮影,航空写真による森林・海洋汚染の調査,司法鑑定,測温などに応用される. |
525 |
積層感光体 |
せきそうかんこうたい |
layered photoreceptor |
多層膜構造である感光体の総称.一般的には電荷発生層と電荷輸送層からなる機能分離型積層感光体を示す. |
526 |
絶縁性磁気ブラシ現像 |
ぜつえんせいじきぶらしげんぞう |
insulative magnetic brush development (IMB) |
高抵抗磁気ブラシを用いる二成分現像法.高抵抗樹脂をコートした球形キャリアを用いる.通例では1012Ωcm以上の抵抗値を絶縁性と称す.
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527 |
絶縁破壊 |
ぜつえんはかい |
dielectric breakdown |
絶縁体に印加する電場が,ある限界以上になると突然に絶縁性を失って大電流を通すようになる現象.一般に不可逆的な破壊を伴う場合が多い. |
528 |
絶縁破壊強度 |
ぜつえんはかいきょうど |
breakdown strength |
絶縁体に印加する電界を増大していくと,ある限界以上で急激に絶縁性を失って大電流が流れるようになる.これを絶縁破壊といい,絶縁破壊に必要な最少の電界が絶縁破壊強度である. |
529 |
接触加熱定着 |
せっしょくかねつていちゃく |
contact fusing |
熱伝導によりトナーおよび用紙を加熱する定着方式.熱ローラ定着が代表例.
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530 |
接触現像 |
せっしょくげんぞう |
contact development |
現像剤を感光体に接触させて行う現像方式であるが,トナー薄層が形成された現像ローラを感光体に摺擦する方式の一成分現像法を指すことが多い.(参照: 非接触現像) |
531 |
接触帯電 |
せっしょくたいでん |
contact electrification |
異種の物質を接触させると一般に界面を通じて電荷が移動し,それぞれの物質を正負に帯電する.これを接触帯電現象といい,電気化学ポテンシャルの概念を用いて説明できる.現在は,感光体に電圧印加した導電性のブラシやローラ等を接触させて帯電する方法を指す場合がある |
532 |
接触電位 |
せっしょくでんい |
contact potential difference |
金属のフェルミ準位と外界の電位との間には仕事関数だけの差があるが,異種の金属を接触させるとトンネル効果によって界面を電子が移動しフェルミ準位が等しくなって平衡する.この結果金属の表面間に現われる電位差をいう. |
533 |
接続色空間 |
せつぞくいろくうかん |
profile connection space |
ICCプロファイルで使われている概念で,スキャナのRGB等の一つの色空間からプリンタのYMC等の他の色空間に変換する際に,途中で経由する空間として用いられるXYZやCIELAB等のデバイスに依存しない色空間.この空間への機器従属空間からの変換や,この空間からの変換には,デバイスプロファイルを用いて行われる. |
534 |
CEPS(セップス) |
せっぷす |
color electronic prepress system |
モノクロもしくはカラーの印刷物を作成する製版工程で,写真原稿,文字原稿,イラストなどをデジタルデータとして取り込んで,最終印刷物のレイアウトに応じた画像合成,画像処理(色修正,文字の加工,階調処理,鮮鋭度処理など)を行うシステム.初期のころはミニコンピュータが活用されたが,現在ではデスクトップのパソコンなどが主流になってきている. |
535 |
セラミック基板 |
せらみっくきばん |
ceramic substrate |
セラミックを材料とした基板.サーマルヘッドに使用している.セラミック材料は主としてアルミナが使用される. |
536 |
セレン合金 |
せれんごうきん |
selenium alloy |
セレンに他元素を添加した合金.アモルファスセレン感光体が結晶化しやすい事,および分光感度のピークが短波長に片寄っている事,等を改善した感光体.砒素,テルル等が添加元素として用いられる.(参照:セレンテルル合金,セレン砒素合金) |
537 |
セレンテルル合金 |
せれんてるるごうきん |
selenium tellurium alloy |
セレンとテルルを共蒸着して得られる合金.非晶質構造を有する事からアモルファスセレンテルル合金とも言う.アモルファスセレン感光体,セレン砒素合金等に比べ,より長波長に感度をもつ. |
538 |
セレン砒素合金 |
せれんひそごうきん |
selenium arsenic alloy |
セレンと砒素を共蒸着して得られる非晶質合金.化学量論的にはAs2Se3.セレン感光体に比べ,結晶化しにくく,長波長領域に感度を有する.PPC用感光体. |
539 |
ゼログラフィー |
ぜろぐらふぃ |
xerography |
元来,カールソン法電子写真全体を指す言葉であるが,狭義には転写型電子写真方式を指す場合も多い.
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540 |
ゼロプリンティング |
ぜろぷりんてぃんぐ |
xeroprinting |
光導電性支持体上に絶縁性の像を形成し,コロナ帯電,トナー現像,用紙へのトナー転写を繰返して多数枚のハードコピーを得る印刷方法.絶縁性の像は電子写真法により容易に形成できる. |
541 |
ゼロラジオグラフィー |
ぜろらじおぐらふぃ |
xeroradiography |
電子写真的な手段を用いて,X線,γ線等の放射線像の記録を行う方法(放射線により静電像を作製する).
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542 |
尖鋭度 |
せんえいど |
sharpness |
(参照:シャープネス) |
543 |
鮮鋭度 |
せんえいど |
sharpness |
(参照: シャープネス) |
544 |
線画再現性 |
せんがさいげんせい |
line copy reproduction |
文字や線画などの2値画像のハードコピーにおける再現性の良し悪しを表し,解像性,濃度,コントラスト,ラジッドネスなどで評価する. |
545 |
線画像 |
せんがぞう |
line image |
文字や図形など線によって構成されている画像をいう.一般の写真のような連続階調をもつ画像に対して,高いコントラストをもつ作像法が適する. |
546 |
線形マスキング |
せんけいますきんぐ |
linear masking |
印刷の分野で古くから用いられてきた色再現の手法で,色材の不要吸収を除去する為に,入力RGB各版の濃度を調整して重ねあわせることにより出力YMC各版を作成する手法.デジタルの世界では,RGBに対し3×3のマトリックス演算をしてYMCを求めることに相当するが,この用語は,他の3×3のマトリックス演算処理にも広く用いられる. |
547 |
センシトメトリー |
せんしとめとりー |
sensitometry, photographic sensitometry |
写真感光材料の特性測定法(感度, 最小濃度, 階調, ラチチュードなど).電子写真法にも転用されて, 露光量と感光体表面電位, 感光体表面電位と現像濃度の相関などを考慮した複写プロセス全体の感度特性をいう. |
548 |
線順次方式 |
せんじゅんじほうしき |
line sequential method |
カラースキャナで原稿を読み,色分解するときの方式の一つで,原稿を読み取る動作は1回であるがラインセンサで1ラインを読む毎に赤,緑,青の光源またはフィルタを切り替えて色分解する方式をいう.
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549 |
潜像 |
せんぞう |
latent image |
現像前の目に見えない像をいう.銀塩写真の場合は現像核によって,電子写真の場合は静電荷によって構成される. |
550 |
潜像形成 |
せんぞうけいせい |
latent image formation |
ハロゲン化銀粒子が放射又は粒子線を吸収して,潜像を形成すること.吸収によって生じた電子が感光中心に捕獲され,ついで格子間銀イオンが捕獲されて銀原子となる過程の繰り返しによって潜像が形成されると考えられている.電子写真においては,帯電された感光体を露光することにより,感光体上に画像に対応した静電荷パターン(潜像)を形成すること. |
551 |
潜像転写 |
せんぞうてんしゃ |
electrostatic image transfer |
電子写真記録の一つで,コロナ帯電等で荷電した感光体に光像を照射し,感光体上に静電的潜像を形成させ,その静電的潜像を静電記録紙等にバイアスを加えて転写すること.静電転写後,静電記録紙を現像し可視化する. |
552 |
選択転写 |
せんたくてんしゃ |
selective transfer |
感光体上のトナー像を紙へ静電転写する時,適当なる条件下では,画像部のトナーのみ転写し,非画像部のカブリトナーは転写しないようにする転写. |
553 |
染着層 |
せんちゃくそう |
dye receiving layer |
(参照:色素受容層) |
554 |
線広がり関数 |
せんひろがりかんすう |
line spread function |
各種の光学系や画像処理システムの空間周波数的な特性を含めたレスポンス特性を表わすための関数で,理想的な線像(一次元のδ関数)が,その系を通過した場合にどの様に広がるかで表わす. |
555 |
染料インク |
せんりょういんく |
dye ink |
色材として染料を含有するインク.顔料インクに比べ,鮮明な色相を特徴とするが,耐光性,耐水性に劣る場合もある. |
556 |
染料転写型感熱記録シート |
せんりょうてんしゃがたかんねつきろくしーと |
thermal dye transfer sheet |
熱移行性の染料とポリマーを主成分とする染料層(0.5?1ミクロン)を極薄ポリエステルフィルム(5ミクロン前後)上に塗布して設けてある.裏面にはサーマルヘッドとの融着を防ぐための耐熱滑性層が塗布されている.昇華型熱転写記録に用いる. |
557 |
増感 |
ぞうかん |
sensitization |
広義には,記録材料の感度を向上させること.ハロゲン化銀感光材料の増感には,硫黄化合物,金錯塩,還元性化合物などによる化学増感と,シアニン色素などによる分光増感がある.電子写真感光体においても同様に化学物質,あるいは増感色素により増感が行われる. |
558 |
増感現像 |
ぞうかんげんぞう |
push process, push development |
現像時間を標準条件よりも延長して現像感度を高くすること.撮影条件の制約などで露出不足の感光材料から許容できる写真画像を得るために行う.撮影条件のラチチュードに制約のある反転カラー写真で多用される. |
559 |
走査速度 |
そうさそくど |
scanning speed |
(1)原稿読み取りにおいて,原稿をスリット露光する場合の原稿と露光系の相対的な速度. (2)レーザ走査光学系において,順次描画していく速度.ライン方向を主走査といい,紙送り方向を副走査という.(3)インクジェットなどのシリアルプリンタでは,印字ヘッドが描画する際の移動速度をいう. |
560 |
相反則 |
そうはんそく |
reciprocity law |
「光化学反応の反応量は,光の強さと時間の積即ち光量によって決まる」という一般光化学に共通の法則.Bunsen-Roscoeの法則ともいう.銀塩写真法では,低照度・高照度の場合とも感度の損失があってこの法則が当てはまらず,これを相反則不軌と呼んでいる. |
561 |
相反則不軌 (そうはんそくふき) |
そうはんそくふき |
reciprocity law failure |
露光量E=光照度?×時間tの相反則が成立しないこと.例えば,一定画像濃度を与えるEが,高照度や低照度では,中間の照度よりも大きくなること. |
562 |
像面湾曲 |
ぞうめんわんきょく |
field curvature |
レンズの収差の1種で像面が湾曲していることをいう.たとえば平面の物体を結像させると,像面が平面でない状態. |
563 |
ソータ |
そーた |
sorter |
多数枚のコピーをとる場合,自動的に分類とページ揃えを行う装置.用紙の静電気対策が必要である.
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564 |
組織的ディザ |
そしきてきでぃざ |
ordered dither method |
2値出力系を用いて連続調階調を表わすディザ処理において,2値化の閾値を着目している画素の位置のみにより決定する方法.通常,固定の閾値マトリックスを用いるので出力画像に周期的な構造が表れる.ドット集中型とドット分散型に大別される. |
565 |
外型カラーフィルム |
そとがたからーふぃるむ |
coupler-in-developer type color film |
カプラーと発色現像主薬を感光材料の外から供給するタイプのカラーフィルム.カプラーを乳剤層に含まないため,各乳剤層をカプラー含有発色現像液で別々に発色させるので,処理操作は複雑である.コダクローム(コダック社)が代表例. |
566 |
ソフトコピー |
そふとこぴー |
soft copy |
一般的にはデジタル情報をそのままの形で別の媒体に複写することを指すが,ハードコピーと対比して用いる場合には,ディスプレー上に閲覧のために表示される画像を指す.
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567 |
ソラリゼーション |
そらりぜーしょん |
solarization |
写真感光材料に過度の露光を与えた場合に,露光量の増大に対して写真濃度が減少する現象.潜像が多発して分散するために光の利用効率が低下するために起こる.照度が高いほど起こり易い. |
568 |
ソリッドインクジェット |
そりっどいんくじぇっと |
solid ink jet system |
ソリッドインクを高温にして液体状態に保持しながら吐出を行い,記録媒体上で急速に固化させ,色材を定着させるインクジェット記録方式.液体インクを用いる場合に比べ,印字後の乾燥に優れる. |
569 |
ソルベントコーティング |
そるべんとこーてぃんぐ |
solvent coating |
熱溶融性インク層や染料熱転写層の構成素材を有機溶剤中に溶解あるいは分散して塗工液として仕上げておいて支持体上に塗布する方法.対立する方法は水系塗布,ホットメルト塗布など. |