日本画像学会 第3回フロンティアセミナー

デジタルファブリケーション革命
−イメージング技術が製造技術を変える−


開催趣旨
 これまでプリンタとして紙への画像出力に用いられてきた技術−インクジェットに代表されるダイレクトパターニング技術−を電子デバイス等の製造技術に応用する生産技術の新しい波が起きようとしています.デジタル情報に基づく柔軟なオンディマンド生産システムや必要な所に必要な量の材料を直接描画する省資源・省エネルギーなパターン形成手段に,次世代の生産技術として多くの期待が寄せられています. 日本画像学会では,イメージング技術の新しい展開としてこの新しい製造技術に注目し,この分野の議論を深める場として本セミナーを企画致しました.デジタルファブリケーションとは何か.この新しい技術の萌芽が製造技術にどのような革新をもたらすのか.講師の方々に,その現状,解決すべき課題,可能性,そして将来の夢を語って頂きます.
この分野に関心のある方々にとって魅力ある情報収集と相互交流の場とすべく,講師と参加者間のディスカッションを密に取れるプログラム構成と致しました.本企画がデジタルファブリケーション技術の大いなる発展と交流の糸口につながることを期待します.
主  催: 日本画像学会
企画・運営: 日本画像学会 フロンティアセミナー実行委員会
開催日時: 2006年8月31日(木) 午前9時40分〜午後7時30分
場  所: きゅりあん(品川区立総合区民会館)小ホール (03-5479-4100)
東京都 品川区 東大井5-18-1
JR大井町駅東口,りんかい線大井町駅,東急大井町駅 下車徒歩1分
URL: http://www.shinagawa-culture.or.jp/curian/
(第二部は場所をアワーズイン阪急 http://www.oursinn-hankyu.co.jp/ に移して行います)
定  員: 200名
参加費(税込み): 会員 10,000円,非会員 15,000円,学生 3,000円,当日会場にてお支払下さい.
会員の方は会員証,維持会員証を,学生の方は学生証を提示下さい.
維持会員団体所属者の方は,一口2名様迄が正会員扱いです.
申し込み時に日本画像学会に入会すれば会員参加費で参加できます.
参加費には予稿集代,全プログラムの参加を含みます.
申込方法: セミナー名,氏名,所属,連絡先,会員/非会員/学生の別を記入し,日本画像学会事務局(eventisj-imaging.org)までメールでお申し込み下さい.電子メールの場合は件名に「フロンティアセミナー申込」と記載下さい.
問い合せ先: 〒164-8678 東京都中野区本町2-9-5 東京工芸大学内
日本画像学会事務局
TEL 03-3373-9576 FAX 03-3372-4414


プログラム
第一部(きゅりあん小ホール)
9:40 〜 9:50  開会の挨拶
9:50 〜 10:40
「デジタルファブリケーションを実現するインクジェット製造技術」
セイコーエプソン(株) 木口浩史
インクジェット技術を工業生産プロセスに適用した実用化例およびデモ・試作例を紹介し,製造技術としてのインクジェットプロセスの現状と課題を報告する.また,将来のビジネスチャンスの拡大を目指し,インクジェットプロセスを更に深化・発展させるいくつかの可能性について議論する.
10:40 〜 11:20
「インクジェット印刷用の独立分散導電性ナノ粒子インク,絶縁インク」
(株)アルバック・コーポレートセンター 小田正明
工業用インクジェットに使用する高濃度(20〜70wt%)金属ナノ粒子インク(Au,Ag,Cu,Pd,Ni,ITO) と絶縁用インク(UV硬化エポキシ等)の特性,及びその応用の一部を紹介する.今後の課題として,各種基材に対する密着信頼性の向上,インクジェット配線の高精細化,厚膜化,高速化がある.将来は,インクジェット法によるクリーンなデスクトップファクトリーを実現することを目標にしている.
11:20 〜 12:00
「超微細インクジェット技術によるオンデマンド微細パターニング」
産業技術総合研究所 ナノテクノロジー研究部門 村田和広
産総研では,従来の印刷技術の限界を超え露光技術に肉薄する微細印刷技術の可能性を追求している.現在進めているサブミクロン径のドットや,数ミクロンの線の描画も可能な超微細インクジェットは,様々なナノ材料の精密配置が可能で,特に金属ナノ粒子を用いた超微細配線は,実装技術の分野で有望と考えられている.講演では,超微細インクジェットの可能性と課題についても述べる.
12:00 〜 13:30  昼食(各自)
13:30 〜 14:10
「ナノテクノロジーのアプリケーション」
クラスターテクノロジー(株) 安達 稔
2001年に総合科学技術会議発足されナノテクノロジー・材料分野が国の重点分野として策定された.その後,02年に第一回産学官連携推進会議の開催となり,ナノテクノロジー・材料分野の研究開発が注目され,既に5年が経過する.しかし,国内の産業創成に繋げるには“中小中堅企業のモノ作り” が課題である.講演では,中小企業の立場からデジタルファブリケーション技術の産業化への取り組みを紹介する.
14:10 〜 14:50
「印刷技術が拓くプリンタブル有機エレクトロニクス」
産業技術総合研究所 光技術研究部門 鎌田俊英
近年,様々なモバイル情報端末の開発に対する要求が急速に高まってきており,こうした機器を支えるデバイス技術の開発が急務となっている.モバイル情報端末機器には,軽い,壊れない,大量供給,オンデマンド生産などが求められるが,こうした要求を満たすデバイス技術として,プラスチック基板上に印刷でデバイスを形成する技術に大きな期待が寄せられている.本講演では,最近我々が試みている印刷によるデバイス開発の例を紹介するとともに,現状における技術課題について紹介する.
14:50 〜 15:10  休憩
15:10 〜 15:50
「レーザ刻印による配線パターン形成技術」
日立ビアメカニクス(株) 松本 正
情報産業の進展と共に,その電子機器のベースとなるプリント配線板には高精細なパターンが求め られ,材料の無駄を最小限に抑えるダイレクトパターンニング法などが研究されています.その中で実現に向けて各種課題がありますがレーザ法,印刷法などの応用関連技術についてご紹介します.
15:50 〜 16:30
「電子写真法によるデジタルファブリケーション」
(株)東芝 細矢雅弘
電子写真によるデジタルファブリケーションの優位性は何か,いかなる革新をもたらすのか,開発の現状と課題は何か等について,湿式トナーと乾式トナーの両面から,インクジェット技術や従来の印刷技術と比較しつつ議論する.
16:30 〜 17:10
「ナノインプリント技術とその材料」
東洋合成工業(株) 坂井信支
ナノインプリントは,近年注目を集めているナノサイズの加工技術です.本技術は低コストと微細な加工の両立が見込めるため,半導体,ストレージ,バイオ,光学部材など多方面で実用化への取組みが活発になっています.講演では,光ナノインプリント技術を中心に概要と材料の開発事例を紹介します.
第二部(アワーズイン阪急 3FホールAB)
17:30 〜 18:00
サンプル展示および講師による説明
18:00 〜 19:30
懇親会 (講師を囲んで自由にご歓談下さい)
19:30       閉会の挨拶



日本画像学会 第3回フロンティアセミナー実行委員会
委員長: 酒井真理(セイコーエプソン)
委員: 大西 勝(ミマキエンジニアリング)、 小口壽彦(森村ケミカル)、 小田正明(アルバックコーポレートセンター)、 面谷 信(東海大学)、 北村孝司(千葉大学)、 半那純一(東京工業大学)、 福本 宏(三菱電機)、 藤井雅彦(富士ゼロックス)、 星野勝義(千葉大学)、 堀田吉彦(リコー)、 横家弘明(富士写真フイルム)、 横山正明(大阪大学)