| 第17回 イメージングカフェ レポート |
2012年11月9日(金) 18:30より恵比寿カルフールにて第17回イメージングカフェを開催致しました。 (参加者17名:委員、講師含む)
今回はネット時代の流通革命をテーマに、講師として相談ネットコム代表で元アマゾン・ジャパン ディレクターの酒井孝典様をお招きして、「Amazon.com Before and After −アマゾンが世にもたらしたものとそのDNA−」というタイトルで講演をいただきました。
B2Cのeコマースで世界的に著名なアマゾンドットコムは、ジェフ・ベゾスによって創設され、書籍のインターネット販売に始まり、電子書籍端末Kindleと組み合わせた電子出版サービスの提供へと、次々に出版業界に革命を起こしてきました。その実像に関しては、書籍や記事で間接的に窺い知ることができますが、今回のイメージングカフェは、10年弱アマゾンに身を置き、その日本法人の立ち上げに米国本社より参画した酒井氏から、直接話を聞くことのできる貴重な機会となりました。
講演は、「本日得たいもの(アマゾンに関して知りたいこと)」を参加者から引き出すことで始まりました。ホワイトボードに箇条書きで書かれたこれらの質問項目へ答えるかたちで、用意したスライドを使って進められる酒井氏の話はとても分かりやすく、アマゾンの世界に引き込まれていきました。
数多く立ち上がったインターネット販売の企業の中で、ネットバブル崩壊を切り抜け現在の地位を築くことができた理由として、「顧客視点でサービスを追及し続けたこと」が強調されました。「納期を愚直に守る」という流通業の基本を忠実に守り続けたことが生き残った理由であることは、言うは易く行うは難し、IT企業の真実を改めて理解したような気がしました。納期を短縮し且つそれを守るためには、配送センターを多く抱えなければならず、薄利多売のビジネスの弱点となり、長らく黒字化できず大胆なリストラも行われました。そのような困難な中でも「納期を愚直に守る」ことをし続けたことで、いつしか競合他社は消えて行き、大手としての地位を確立するに至りました。
一方で、米国のベンチャー企業らしく、個人の能力を最大限に発揮できるCultureを持ち、機動力のある組織運営となっています。"Think Big"は無理な目標に対しても何かしらの解を求める姿勢であり、議論を大事にし得られた結論に対しては集中して取り組む姿勢が従業員に求められます。プロジェクトチームには目標達成のための人事権を含め大きな裁量が与えられており、状況に合わせた柔軟な統廃合や創設により機動力を発揮します。
システムに大きく依存するビジネスモデルは、IT設備やSEを多く抱えなければならないリスクを有している反面、そのリソースを活かしたビジネス拡張を可能にしました。Amazon S3のクラウドストレージサービスやPrint-on-Demandサービスなど、会社の形態を進化させて時代に合った顧客視点のサービスを展開する同社の歴史を理解できました。コーチングのスペシャリストである酒井氏のテクニックを駆使した講演により、参加者は議論に参加して「本日得たいもの」の答えを手に入れることができました。
記・企画委員 酒井真理(東京大学)
次回(第18回)は、12月14日(金)に年末スペシャルで開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。