|
第30回 イメージングカフェ レポート |
2014年4月18日(金)18:30より、恵比寿カルフールにて第30回イメージングカフェを開催しました(参加者23名、講師・委員含む)。
今回は講師として、富士ゼロックス(株)R&D企画管理部の坂田靖様をお招きして、「"標準"、その影響力とメカニズムの考察 〜技術で勝っても、ビジネスで負けてしまう原因は?〜」というタイトルで講演いただきました。
坂田様は富士ゼロックス入社後、半導体プロセス研究、ゼログラフィプロセス開発、システム商品群企画、という業務を経験された後、2008年より標準化活動に従事されています。講演の前半では、まず1970年代の日本製品の普及拡大と近年の低迷の要因分析がされました。デジタル化・ネットワーク化がもたらす第三の産業構造転換においては単にいい技術を生み出し知的財産で守るだけでは勝ち組になることは不可能。オープン化による市場拡大の主導権の確保と根幹技術のクローズ化とのトータルの戦略が必須であることが、Nokia、Apple、Intel、など欧米企業の様々な実例で紹介されました。その戦略に欠かせないのが“標準化”ですが、その標準化にもいろいろな団体や国家の思惑が絡んでいて高度な交渉が必要とのこと…。
その他、知財権の変遷や経済産業省の知財標準化戦略とトップスタンダード制度など様々な角度から標準化が語られました。後半は、国際的な標準化体系や制定団体などの関係を中心に、近年のトピックスとして中国の標準化活動について話されました。
中国では国際標準を満たすだけでは十分でなく、中国固有の標準要求にも応える必要があり、さらに政府調達ではたとえ任意標準であっても大きな影響力を持ちます。情報セキュリティ製品の認証制度に関してはソフトウェアのソースコード開示を巡って政府レベルにまで問題が拡大した事例も紹介されました。
昨今では中国の標準化政策を参考に他の途上国にも類似の標準化政策が拡大する兆候も出始めているとのことでした。技術者・研究者は自然科学の領域だけに注力するのでなく、知財や標準化・産業政策など、人為的に制定されたルールや制度の領域にも興味関心を広げる重要性が共有されたと思います。
記・企画委員 石井 昭(富士ゼロックス)
次回(第31回)は、5月23日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。