第37回  イメージングカフェ年末スペシャル  レポート

2014年12月12日(金) 15:00より東京工業大学 大岡山蔵前会館にて 第37回イメージングカフェ年末スペシャルを開催しました。参加者は38名(講師、委員含む)でした。第1部の講演に引き続き、第2部ではお酒も飲みながら討論と懇親を深めイメージング技術について語り合う特別企画です。

年末スペシャルも3年目となり毎年恒例となりましたが、今年も「イメージング技術 2014 徹底討論」と題して、イメージングに関する各分野について今年一年を振り返り、新技術や新製品、新サービスの情報を共有するとともに、今後の動向についてもディスカッションしました。

第1部の講演は、4つの主要技術分野について日本画像学会技術委員会のそれぞれの技術部会の委員が担当し、ご講演をいただきました。

1. 電子写真技術 永瀬幸雄氏 (キヤノン)、電子写真技術部会

今年の展示会(IPEX2014、GraphExpo2014)や講演会(ICJ2014、NIP30)で主要メーカーから発売/発表された新機種における内容や特徴について紹介していただきました。全体としてライトプロダクションへの展開が盛んになっているとのことでした。
Xeikonから高沸点キャリア液を用いた液体現像方式のプリンターが発表され、話題を呼んでいるようです。Kodakや富士ゼロックスからはゴールドなどのトナーを備えたプロダクションプリンターが発表され、電子写真で金属調の特殊トナーを用いて高付加価値化が図られてきていること、インクジェットに対抗して印刷スピードの高速化が図られてきていることなどのお話をいただき、今後の電子写真技術の方向性を理解することが出来ました。

2. インクジェット技術 高田雅之氏 (ブラザー工業)、インクジェット技術部会

国内におけるデジタル印刷の状況は、国内の印刷ページ数が前年比で微増となり、インクジェット方式について設置台数は横ばいであるが、印刷ページ数が前年比で大きく増加しているとのお話がありました。
2014年のトピックスとして、キヤノン、リコー、Kodakなどから商品印刷分野を狙って新機種が発表されたこと、ビジネス向けに各社がインクや搬送機構などの新技術を生かして製品展開されていること、またエプソン、XAAR、HPなど各社から新ヘッドが発表されたことなど、豊富な資料を使用し、詳細に解説していただきました。産業用インクジェットにおける技術が急速に進化していることが実感されました。

3. 電子ペーパー技術 都甲康夫氏 、電子ペーパー部会

電子ペーパーの各種方式の定義などがまず解説され、その後、高性能化に向けた取り組み、特にカラー化における各社の技術開発動向や製品画像などを視覚的に分かり易く解説していただきました。
さらに、第二世代の電子ペーパーとは?との命題に対し、「用途」を設定し「課題」を乗り越えたものになっていくであろうとの見解が示され、具体的には (1)オフィス・教育用途ディスプレイ、(2)デジタルサイネージ/スマートウインドウ、(3)ウェラブルディスプレイ、が挙げられました。東京五輪や教育のIT化をきっかけにこれらが普及していくものと期待される…との興味深いお話をいただきました。

4. デジタルファブリケーション・他の技術 酒井真理氏 (東京大学)、デジタルファブリケーション部会

デジファブの今年の動向について、Makerブームにより秋葉原に開発検証施設が出来たこと、3Dプリンターが急速に普及していること、また有機ELディスプレイではフレキシブル化を目指す動きが活発化していることなどのお話をいただきました。また、有機ELで日の丸連合の新会社「JOLED」が来年1月に発足すること、エプソンや東京エレクトロンにおけるインクジェット法による有機ELディスプレイの開発動向、TRAFAM(技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構)や3D Systemsによる3Dプリンターの開発動向について具体的な解説があり、実用化が近づいていることが伺えました。


18時からの第2部にもほとんどの方に参加いただき、場所を東京工業大学 大岡山キャンパスの季の味ガーデンに移してディスカッション等々、有意義なひとときをお過ごしいただけたものと思います。

記・企画委員 名越応昇(三菱製紙)


次回(第38回)は、2月6日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。