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第41回 イメージングカフェ レポート |
2015年5月22日(金) 18:30より恵比寿カルフールにて第41回イメージングカフェを開催いたしました。 (参加者18名:委員、講師含む)
今回は講師として、千葉大学環境リモートセンシング研究センターの建石隆太郎センター長にお越しいただき、「ビッグデータ時代の最先端モニタリング技術:リモートセンシング ―地球全体から農地の一部まで―」と題してご講演いただきました。
リモートセンシングとは、人工衛星や航空機などのプラットフォームに搭載されたセンサーを使用して、地表面の物体から反射したりその物体自身が放射している電波や光などの電磁波を観測し、その分光特性や分布から地表面の物体を識別したり、その性質を探査する技術です。
最初に、黒体の分光放射輝度に基づいたリモートセンシングの観測原理についてお話しいただき、電磁波の波長域に応じた様々な応用があることを紹介されました。また、広範囲にわたる地表面の変位の測定では、地表の同一区域の観測を時期を違えて2回行い、人工衛星と地表との間の距離の変化によって生じる反射波の位相のずれを干渉画像として捉え、地表面の変動を面的に把握する手法が用いられていることが紹介されました。実例として東日本大震災における東北地方の地盤の変位量の画像やデータなどを交えてお話しいただきました。
リモートセンシングで観測できるのは地表面のみであり地中にあるものは直接は観測できないのですが、地形や植生、海水温などを手がかりとして地下や海中の情報を推定することができ、気象・漁業・資源探査・農業・林業・災害・防衛軍事など幅広く応用されています。例えば、
・ 世界の土地被覆の観測から得られる地球温暖化に関する情報
・ 世界の夜間光の観測から得られるGDPなど人間の社会活動に関する情報
・ 水稲の収穫量や生育状態の観測
・ 食料生産に利用するため土壌炭素貯留量や窒素施肥量の観測
・ 航行している船舶の数や経路の観測
など多くの実用例をご紹介いただきました。現在、リモートセンシングは地球環境の現状を把握するのに必要不可欠な技術となっていますが、まだ十分に利用されているとはいえないため、行政などと連携しながら大きく発展させていきたいという建石先生の強い意思が伝わった講演でした。
記・企画委員 名越応昇(三菱製紙)
次回(第42回)は、6月26日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。