第53回  イメージングカフェ サマースペシャル  レポート

2016年7月29日(金) 14:15より、トッパン小石川ビルにて、第53回イメージングカフェ・サマースペシャルを開催致しました。 (参加者27名:委員、講師含む)

今回は凸版印刷(株)様のご協力により、「VRで見る文化財デジタルアーカイブ、印刷博物館見学 〜圧倒的な臨場感と没入感のVRで文化財を堪能しよう〜」と題して、Virtual Realityによる文化財のデジタルアーカイブの見学と解説、さらに印刷博物館の見学会を行いました。

凸版印刷は1900年に設立。最初の製品はタバコの包装紙で、今日まで色々な印刷物を世に出されています。さらに、印刷技術を通して長年培った高精細画像処理技術、色彩計測技術、三次元計測技術を基に、新たな領域への挑戦の一つとして、国内外の文化財のデジタルアーカイブに取り組んでこられました。
彫像や絵画、絵巻などの文物から、それらが納められていた建物などの構造物、そしてその建物が存在していた空間までデジタル化して保存。そしてそのデジタルアーカイブデータをVR技術を活用して実際にその場にいるかのような映像としてリアルタイムに生成し、圧倒的な臨場感と没入感のある仮想体験を「トッパンVR」として提供しています。「写実性にこだわった忠実な再現」、「見ることが出来ないものの可視化」、「リアルタイムな描画生成による対話性」を特徴として多くの場所で公開されています。
今回のイメージングカフェでは、その背景や取り組みについてご紹介していただき、実際にVRシアターで唐招提寺とマチュピチュについて体験しました。非常に忠実に再現されており、普段見られない細部や内部まで理解でき、本当にその場所に居るような感覚が味わえる、大変貴重な体験となりました。圧巻の一言に尽きると思います。

また、2000年に凸版印刷が100周年記念事業の一環で設立した企業博物館である印刷博物館についてもご紹介いただき、学芸員の方の興味深い特別解説付きで見学いたしました。「かんじる」「みつける」「わかる」「つくる」の4つのキーワードに基づいた展示となっています。
なお、2012年1月28日の朝日新聞「be」では、「大人が楽しめる企業博物館」ランキングで印刷博物館が第1位を獲得しています。
印刷博物館には100点以上もの様々な史料が展示されており、人類が作り上げてきたコミュニケーション・メディアとしての印刷における長い歴史を身近に肌で感じることが出来ました。例えば、グーテンベルクが活版印刷技術で印刷した42行聖書の印刷物は、文字組み版が素晴らしく、人々に印象を強く与えたため今日でも同じような形式で使用されていることや、現存する世界最古の印刷物が奈良時代に作られた日本の百万塔陀羅尼であることなど、興味深いお話をいただき、大変勉強になりました。

今後は、よりリアリティを求めて(質感の記録と再現)、新しい体験を提供する、ことなど取り組まれていかれるそうです。子供から大人まで一日中居ても楽しめる、そのような空間であり、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

記・企画委員 名越応昇(三菱製紙)


次回(第54回)は、9月9日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。