第54回  イメージングカフェ  レポート

2016年9月9日(金)18時30分から印刷会館にて第54回イメージングカフェを開催しました。今回は、「液体電子写真技術について語ろう 〜 画像形成技術としての特徴とデジタル印刷への展開 〜」と題して、寺岡 努氏にお話しいただきました。参加者は41名(講師、委員含め)。以前から要望の高かった液体現像技術をテーマとしたことで、多くの来場者を迎えることとなりました。

初めに、液体現像技術開発の歴史が紹介されました。液体現像技術の研究・開発は50年前から各社で行われ、何機種か商品化されましたがビジネス的には成功しませんでした。Indigoも1993年にE-Printを商品化したものの、画質はいまひとつでした。
2000年にHP買収後に商品化したUltraStreamでは、BID(Binary Ink Development)技術を導入し高画質化に成功しました。Indigoは低粘性キャリアを使用しているため、そのままでは画像濃度が薄いのですが、BIDでは現像領域にキャリアを搬送する過程で、トナー密度の濃縮を行い低粘性キャリアでも高濃度現像を両立させているとのことです。

一方、ミヤコシやXeikonで開発されている液体現像は高粘性キャリア方式で、プロセスによる高濃度化ではなく現像剤そのものを高濃度化して現像させています。

また、粉体の電子写真と液体現像との違いについても解説いただきました。

  1. 液体現像では、トナーそのものがチャージされた状態でキャリア中に分散している。粉体トナーでは現像器の中でトナーを帯電させる機構が必要だが、液体現像にはこれが不要。
  2. 液体現像トナーは粉体に比べて顔料濃度が高く、径の小さいトナー(1〜2μm)を使用できる。そのため、画像構造が薄く、オフセット印刷のように紙のグロスに馴染みやすい。

このような特徴から液体現像方式が活躍できるのはIndigoに代表されるようなデジタル印刷機の領域であろうとのことでした。

引き続いて、トナーやキャリアに要求される特性、画像構造の特徴、IJとの比較、定着性課題、Indigoの溶融転写定着のメリットとデメリット、など液体現像について多岐にわたる話題を紹介していただきました。

長年、液体現像技術に携わってこられた寺岡様の強い思いを感じる講演でした。

記・企画委員 石井 昭(富士ゼロックス)


次回(第55回)は、10月21日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。