第56回  イメージングカフェ年末スペシャル  レポート


2016年12月21日(水) 15:00より、日本印刷会館(新富町)にて 第56回イメージングカフェを開催しました(参加者44名 委員・講師含む)。

今年も恒例となりました年末スペシャル「イメージング技術 2016 徹底討論」として、イメージングに関する各分野の今年の総括と今後の動向について討議しました。
15〜18時の各講演(第1部)に引き続き、さらに第2部としてお酒も交えながら討論と懇親を深めイメージング技術について語り合いました。

第1部は、日本画像学会の4つの技術部会の専門家の方々にご講演いただきました。

1.電子写真技術 (藤井章照氏:三菱化学) 電子写真技術部会

drupa2016やNIP32などの主な展示会や学会等で各社から発売・発表された新機種・新技術の特徴について解説がありました。電子写真も商業印刷(POD)向けの開発が進んでおり、特に液体現像方式マシンや液体現像用インクの研究例など紹介しました。また、オフィス向けMFP機種も今年は後半に各社から多くの新機種が発売され、バイオ原料を用いたトナーや用紙対応力を向上したトナーなど環境や利便性を意識した設計がされているとの話がありました。

2.インクジェット技術 (朝武敦氏:コニカミノルタ) インクジェット技術部会

drupa2016での各社発表内容を中心に解説がありました。インクジェットは産業用途への志向が明確になり、アナログ印刷機械の大手であるHeiderberg社が富士フイルムと提携しB1対応のマシンを発表するなど主要メーカーの大型インクジェットマシンの開発動向を紹介しました。また、高速化、高解像度化のための中間転写技術の導入、液滴制御技術、インクやヘッドの改良も精力的に行われているとの話もありました。また今年、各社が発表した、各種インクジェットプリンターの紹介や、買収や提携など業界の動きが活発になっているとの話もありました。

3.電子ペーパー/フレキシブル技術 (吉田学氏:産業技術総合研究所) 電子ペーパー/フレキシブル技術部会

エレクトロクロミズム、電子ペーパー(電気泳動型)、フレキシブルプリンテッド技術の最新技術動向を紹介しました。
エレクトロクロミズムについて、自動車や飛行機の調光(SMART WINDOW))で採用例や、現在、フレキシブル用途への研究例の報告がありました。電子ペーパーについては、低消費電力の特徴を活かした電子商品棚札への展開例や、視読性やカラー化技術の向上により、POPや電子タグなど様々な用途へ応用されているとの話がありました。最後にフレキシブル・プリンテッド関連技術の紹介として、展示会(SEMICON)での印刷方式による高精細OLEDの発表や産総研で開発している印刷TFT、吉田様が開発しているFlexible Hybrid Electoronics(FHE)の動向や技術の紹介がありました。

4.デジタルファブリケーション・他の技術 (酒井真理氏:東京大学) デジタルファブリケーション部会

3Dプリンティングの動向について、drupa2016で各社が精力的に新しいマシンや技術の展示をしており、3D成型加工が可能な伸縮性インクや熱可塑性メディアの紹介がありました。次にNIP32での3Dプリンタの市場拡大のためのデータフォーマット化の動き、プリンテッドエレクトロニクスのセンサーへの適用、バイオプリント技術による再生医療への応用など最新情報を紹介されました。最後に3Dプリンテッドエレクトロニクスの動きとして3次元の電子回路形成技術なども紹介され、この分野の開発が着実に発展していること、ただし、日本は欧米に比べ遅れており、技術開発とアプリケーションを一体で推進するためのコミュニティの必要性を述べられました。

第2部では、これまでの参加者から寄せられた「質問時間をもっと欲しい」との声に応え、第1部の講演中に参加者の方が感じた疑問を質問メモに書いていただき、それをまとめて講師や参加者が答える「質問コーナー」を設けました。率直かつ多岐に渡る質問に対して、様々な意見が交わされ、イメージングカフェらしい、技術に関する熱い討議で盛り上がり、是非、来年も実施してほしいという声をいただきました。

記・企画委員 森下浩延(出光興産)


次回(第57回)は、2月3日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。