第57回  イメージングカフェ  レポート


2017年2月3日(金)18時30分から、恵比寿カルフールにて第57回イメージングカフェを開催しました。今回は、「IPネットワーク監視カメラの製品・技術・最新動向と将来展開への夢」と題して、キヤノン株式会社NVS事業統括センター主席の蓬澤信哉氏をお迎えし、IPネットワーク監視カメラ進化の歴史と主要技術をわかりやすく解説していただきました。参加者は21名(講師、委員含め)でした。

最初に市場と製品についての解説がありました。近年の監視カメラ市場では、IPアドレスを設定してネットワークに接続可能なIPネットワーク監視カメラの出荷が世界的に急拡大しています。利用状況も様々で、例えばオフィス、スーパー、道路といった場所の撮影で利用されています。現在の一般的な製品はビデオマネジメントシステムとして、レンズ、画像センサー、プロセッサ(画像処理やネットワーク処理)、録画サーバーといった複数の機器で構成されています。業界規格のONVIFに対応していれば、メーカーが違う機器(カメラ、レコーダー、録画サーバーなど)も接続が可能です。そして、同じシステム上で複数台のカメラ映像と録画の管理が可能です。

次に製品技術・機能の解説がありました。マルチストリーミング機能は、複数カメラ映像の解像度、フレームレート、圧縮フォーマットを個別に設定できます。つまり1本のLANケーブルで異なる配信先への選択的あるいは同時に映像配信が可能となります。ネットワーク帯域使用量の低減とともに最適化コントロールも行うことができます。また、ワイドダイナミックレンジ(WDR)機能の解説がありました。極端に明るさに差のある状況に対応できる機能であり、まぶしい光があったり、暗い場所があったりしても、鮮明に撮影することができます。デイナイトモード機能では、昼間(可視光のカラー撮影)と夜間(近赤外光を加えた白黒撮影)の自動切換えの説明がありました。さらに夜間や霧の中で、近赤外対応レンズや内蔵赤外照明を利用して鮮明に撮影可能なモードについては、動画で通常撮影との差をわかりやすく示されました。高感度暗所撮影技術では、高感度化とノイズ低減の技術向上により、最低被写体照度0.0005lux以下(星明りなどの非常にわずかな光源)でも被写体を認識可能という事例を示していただきました。高画素化も進んでおり、技術発表した2.5億画素CMOSセンサーの紹介がされました。このカメラでは4K動画の約30倍の高精細動画が撮影可能で、人間の目では認識が困難な細部を拡大して詳細に映すことができます。

最後に映像解析の例として、通行する人数のカウントや特定エリアの侵入検知、店舗内の顧客動向などをリアルタイムに処理するデモがありました。撮影範囲内で動きのあった場所に注目して録画したり、追尾設定した挙動をとる対象を自動的に検出して追跡したりと、多様な事例動画の紹介がありました。

フリーディスカッションの時間では、音と監視カメラの連携についての議論がありました。公共の場での集音はプライバシーの問題があるため、規制される国もあるそうです。しかし例えばドローンの監視をするため、飛行音で撮影方向を変えるといった活用は考えられているとのお話がありました。

将来展開への夢では、IPネットワーク監視カメラにAI技術を応用して、必要なサービスを必要なだけ提供する大規模な映像情報ネットワークの構築について語っていただきました。世界的に参入企業数が増えているとのことで、今後の業界動向が注目されます。

記・企画委員 近藤芳昭(コニカミノルタ)


次回(第58回)は3月17日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。