第59回  イメージングカフェ  レポート


2017年4月21日(金)18時30分から、恵比寿カルフールにて第59回イメージングカフェを開催しました。今回は、「紙に自由自在に印刷できる見えないコード!? 〜 “スクリーンコード”が拓く新たなIoT 〜」と題して、株式会社アポロジャパン代表取締役社長 CEOの岸上郁子氏からお話を伺いました。参加者は講師、委員含め26名でした。

紙に印刷するコードといえば、バーコードやQRコードなどが思い浮かびますが、情報量が小さいことやデザインの自由度の制約、複写の容易さによるセキュリティ問題などいくつもの課題があります。
アポロジャパンが開発したスクリーンコードは、一見、コードが印刷されていることは見えないにもかかわらず、紙の全面の自由な位置に情報を埋め込むことが可能な第3世代のコード技術です。この技術は、新しい学習教材、コミュニケーションツール、セキュリティシステムなど、さまざまに応用が広がっています。例えば、失語症のサポートツールとしてペンで絵に触れると音が出る音声ペン技術を応用した例や、各国の国旗と案内図を選択するとそれぞれの国の言語で案内メッセージが流れるような多言語対応ツールの例など、たくさんの分野の応用例が紹介されました。

スクリーンコードは、印刷物の表面に黒インクで42ミクロンの微小ドットをほぼ一定間隔で印刷し、赤外光源付きカメラを装備した専用の音声ペンで読み取ります。2mm×2mmに6×6ドットが配列されていますが、そのドット位置のわずかなずれの組み合わせで何と281兆通りもの情報を埋め込むことが可能です。さらに最近では専用ペンを使わずスマートフォンのカメラで読み取れるように、イエローインクで260ミクロンのドットで構成したタイプのスクリーンコードも開発されています。
教材ツールには音声ペンタイプ、コミュニケーションツールとしての応用にはスマートフォンタイプと用途により使い分けられています。それぞれ、デコードした情報に書かれているリンク先に接続し、映像や音声を再生することも可能です。教材用途では、必要な音声データを音声ペンのメモリーに格納しておくことにより、ネットにつなぐ必要もなく、紐付けられたコードを読み取ることで音声を自由自在に再生することができます。

黒ドットのスクリーンコードは製作コストが安い上に、複写機でコピーされたものは読み取れなくなることから、ICカードに代わるセキュリティカードや、チケットの真贋判定、農産物や商品のトレーサビリティ用シールなどに、イエロードットタイプはスマホが利用できることから広告やコミュニケーションツールなど幅広い用途が期待されています。
紙に付加価値が付く点で、イメージング産業に携わる人間にとって注目していきたい分野だと感じました。

記・企画委員 石井 昭(富士ゼロックス)


次回(第60回)は5月26日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。