第64回 イメージングカフェ  レポート


2017年10月27日(金)、東京工業大学 大岡山 蔵前会館にて第64回イメージングカフェを開催しました。参加者は30名(講師、企画委員含む) でした。

今回は、株式会社OpenFactoryのディレクターでグラフィックデザイナーでもある杉原彩子氏を講師にお招きし、「世界一ワクワクする印刷工場」をテーマに原宿通りで開業した“HappyPrinters HARAJUKU”と“HappyFabric”の開業に至った経緯や苦労話、物作りに対するお客様や社会の反応などをお聞きすることができました。

開業のきっかけは、杉原氏がオリジナルのスツールを製作しようとしたときに、座面の布地の注文に対して、まとまった量がないとメーカーがなかなか相手にしてくれない、という問題だったそうです。それならば自分でオリジナルなものを作ってしまえと考えて、愛知で布の印刷業をされていた堀江賢司氏(後の株式会社OpenFactoryの代表者)と会社の設立に至ったとのことです。

“HappyPrinters HARAJUKU”では、UVインクジェットプリンター、大判ラテックスインクジェットプリンター、テープクリエーター、レーザーカッターを設置し、お客様がオリジナルデザインを持ち込み、自分で装置を操作しながら製作してもらうスタイルで営業しています。それは、利用者に製作過程を楽しんでもらうことと、利用者自身が作品の仕上がりに責任を持ってもらうことをコンセプトにしているからだそうです。そのために、お店側もたくさんのサンプルを用意したり、データ加工のサポートサービスを行ったりしており、操作のスキルがなくても作りたいものを手軽に作ることができます。
ものづくりのステップとしては、「1つのものづくり」、「1から10のものづくり」、「10から100のものづくり」の3段階で進めているとのことです。「10から100」のものづくりでは、メーカーとのコラボレーションを進めており、モバイルバッテリーメーカーがHappyPrintersでデザインすることを前提にケースの形状や表面仕上げをUVインクジェットに適した設計に変更したといった事例、文化財としてアーカイブされている伊勢型紙のデザインを二次加工して各種のアクセサリに利用した事例なども紹介されました。

“HappyFabric”では、「1mから買える、作れる、売れる」をコンセプトに活動されており、オリジナルデザインの布地の製作だけでなく、登録されているクリエーターのデザインを利用できるようにし、さらに、それらを使った作品の販売まで権利処理をされているそうです。

講演の中でも、「誰もがクリエーター」といった表現をされていたように、多くの人が自分のオリジナル作品をつくることができる「ワクワクする」場や環境を提供していく、そんなすてきな活動を知ることができました。

記・企画委員 石井 昭(富士ゼロックス)


次回(第65回)は2月2日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。