第73回 イメージングカフェ 年末スペシャル  レポート


2018年11月22日(木) 15:00より、東京工業大学キャンパス・イノベーションセンター(田町)にて 第73回イメージングカフェ年末スペシャルを開催しました。(参加者39名 委員・講師含む)
毎年年末恒例となったスペシャルバージョン「イメージング技術 2018 徹底討論」として、イメージングに関する各分野の今年の総括と今後の動向について討議しました。各部会からの講演(第1部)に引き続き、さらに第2部として1部の講演での質問コーナーなど、お酒も交えながら講師・参加者どうし、討論と懇親を深めイメージング技術について語り合いました。

第1部では、日本画像学会の3つの技術部会の専門家の方々にご講演いただきました。

1.電子写真技術 (電子写真技術部会 古川利郎氏)

2018年の電子写真関連の展示会(page, IGAS),学会(ICJ、P4Fなど)及び各社が発表した新製品からのトピックス、技術動向について解説がありました。
この数年の傾向であるプロダクションプリント用機種に関する各社からの出展や新機種の紹介がありました。性能面では、高解像度化に関するもの、自動補正による色ばらつき低減など高い安定性を目指したもの、あるいは特色トナーの採用などによるデザイン性の拡張を図るなど新たな技術が進んでいることが紹介されました。
最後に、今年のカールソン方式発明80周年を記念して設立された複写機遺産認定事業の紹介もありました。
質疑では電子写真技術の新たな用途へ展開する期待の意見もあり、3Dやデジタルファブリケーション等に関する新たな電子写真技術の発表が今後期待されます。

2.インクジェット技術 (インクジェット技術部会 木村里至氏)

2018年の振り返りとして、商業・包装印刷、LFP、オフィス・ホーム・小型産業機器、新領域など市場動向及びインクやヘッドなどの部材動向について詳細な解説がありました。 
まずインクジェットが伸長している商業・包装印刷分野では、昨年からの潮流である「高画質化」「高速化」「メディア対応」に関する各社からの発表が継続されています。また、他の用途も含め、環境に配慮したUVインクや水性インクの技術採用が増加しているとの説明がありました。LFP(Large Format Printer)では、サイン・グラフィックスや捺染用途でのデジタル化が進み、「高生産性」「高画質」に加え「高信頼性」を訴求した機種など各社の競争が激しくなっているとの話がありました。オフィス・ホーム等小型機種では、オフィス向け高速機の発売や、大容量インク搭載機種を各社が上市するなど高性能化やコスト対応で新たな需要の掘り起こしを進めていることがわかりました。新たな用途として金属素材を用いた3Dプリンタや、アルミ缶ダイレクト印刷の紹介がありました。

3.デジタルファブリケーション・他の技術 (デジタルファブリケーション部会 酒井真理氏) 

2018年のトピックスとして、最初に4D printingの紹介がありました。4D printingは複雑な形状を造形できる3Dプリンタで、形状のみならず新たな物理特性や材料物性を付与することで、より新しい価値を提供しようとするものです。今年、日本でのコンファレンスも開催されるなど今後の新たなテクノロジとして期待されます。また3Dプリンタについても従来の樹脂造形プリンタでの生産性の向上やフルカラー化に関する発表や、押出方式によるバインダージェット金属造形など多種多様な新機種の紹介がありました。
Printed Electronicsの分野では金属と絶縁層を印刷できる3D printerを国内外のメーカーが発表するなど従来の印刷ではできないような電子部品が実現できる可能性が示唆されました。またディスプレイ用途ではInkjet OLEDに関する各社動向の紹介がありました。
最後にPrinted ElectronicsのIJ技術の国際標準化について液滴の測定方法などの標準化に向けたお話がありました。

第2部では、立食形式で講師と参加者の懇親を深めるとともに、第一部では聞きにくいような話題も飛び出す「質問コーナー」もあり、参加者の垣根のないイメージングカフェらしい、イメージング技術に関する熱い討議で盛り上がりました。

記・企画委員 森下浩延(出光興産)


次回(第74回)は1月25日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。