第81回 イメージングカフェ レポート


    【ご参考】第81回募集案内


2020年2月7日(金) 18:30〜20:20、東京工業大学キャンパスイノベーションセンター(田町)にて第81回イメージングカフェを開催しました。今回は富士フイルム株式会社の藤井 武氏をお招きし、「インスタント写真とハイブリッドカメラ」と題し講演いただきました。参加者は22名(講師、企画委員含む)。懇親会ではアリスアクアガーデン田町に場所を移し、さらに活発に議論し、親睦を深めることができました。

始めに、インスタント写真の歴史と富士フイルム社のインスタントカメラ「instax:愛称チェキ」の経緯についてご説明がありました。
チェキは1998年に発売され、徐々に販売台数が伸びましたが、カメラ付携帯電話の普及により、販売台数は急落してしまいました。しかし、2007年 韓国のテレビ恋愛ドラマでのチェキの登場、また2008年 ポラロイドの経営破綻などにより息を吹き返し、2018年度には販売台数が1,000万台を突破しました。発売当初は女子高生に人気を博し、現在は欧米を中心に海外で人気が高まっているとのことです。

次に、インスタント写真の技術やシステムなどの概要について説明がありました。
ポラロイドは、印画紙の露光した面に画像(写真)ができるような仕組みのため、カメラのレンズでそのまま投影すると画像は左右反転像となってしまいます。そのため、カメラには像を反転するためのミラーが必要となり、とても嵩張った筐体となってしまいます。一方、チェキは印画紙が透明で、露光した面の反対側から画像を見るような構成のため、ミラー不要で正立像が得られ、カメラがコンパクトにできるという点が大きな違いなのだそうです。チェキのフィルムユニット(印画紙)は、写真感材が塗られた透明フィルムと感材を発色させる処理液を内包する袋状のポットで構成されており、フィルムユニットの排出時に2本の金属ローラーの圧力で内包ポットが破裂し処理液がフィルム全体に流れて画像を形成させます。処理液にはカーボンブラックが含有されているので印画紙は不透明となり、ちゃんと写真として見えるのだそうです。チェキでシャッターを切ってからフィルムが排出される約12秒間には非常に高い技術が隠されていることを実感しました。

最後に、現在に至る富士フイルム社のインスタント写真システムの特長や商品コンセプトなどについてご説明がありました。
インスタントフィルムチェキは3種類のフィルムサイズを取り揃えています。カードサイズではアナログタイプの「instax mini」、スクエアサイズではデジタルタイプの「instax SQUARE」、そしてワイドサイズでは「instax WIDE」となっています。
最近では、“五感を楽しむ”をコンセプトとしたユニークなチェキとして、録音した音をQRコードにして画像と一緒に写真プリントができる「instax mini LiPlay」も発売されているのだそうです。また、「instax SHARE SPシリーズ」、「instaxmini Link」といった、スマートフォンから画像を転送してインスタントプリントできる製品もリリースされており、写真プリント時代の復活を予感できるような、大変興味深いお話しをいただきました。
今後は、チェキのデジタル製品のコストダウンを行うと同時に、新興国後進国への普及、及び多くの男性客の獲得などマーケティングにおいても強化されていくようです。

記・企画委員 名越 応昇(三菱製紙)

 

次回(第82回)は3月19日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。