第86回 イメージングカフェ 年末スペシャル レポート


  【ご参考】第86回募集案内


2020年12月11日(金) 14:30より、オンラインにて 第86回イメージングカフェ年末スペシャルを開催しました。(参加者36名 ※委員・講師含む
今回は年末特別イベントとして「イメージング技術 2020 “激変”の一年を振り返る」と題し、イメージングに関する各分野の2020年の総括と今後の動向についてオンラインで討議しました。各部会からの講演の後は情報交換タイムの時間を設け、お酒も交えながら講師・参加者同士でイメージング技術について語り合い懇親を深めました。

第1部では、日本画像学会の4つの技術部会の専門家の方々にご講演いただきました。

1.電子写真技術 米山 博人(富士ゼロックス)電子写真技術部会

2020年はCOVID-19の影響で、drupa2020、ICAI2020、学会講習会などの対面交流機会が軒並み中止、延期、オンライン化されました。その一方で、関係者の尽力により複写機遺産として新たに3件4機種(リコー電子リコピーBS-1、キヤノンPC-10/20、富士ゼロックス2200)の現存確認と認定を無事に行うことができました。
次に各社の新製品技術動向が紹介され、特にプロダクション領域においては「生産性」、「画像品質」、「メディア対応力」を強化してデジタル印刷機の価値をお客様へ最大限に提供することに注力する傾向があるとの見解が示されました。昨今のテレワークの浸透などにより、既存のMFPビジネスは打撃を受け、各社で生き残りをかけた大きな変革が迫られています。2021年2月の電子写真技術研究会(オンライン開催)では、今後の電子写真技術の進化の方向性を業界横断的に考え、議論したいとのお話がありました。

2.インクジェット技術 宮戸 健志(富士フイルム)インクジェット技術部会

2020年の振り返りとして、業界各社の4分野、(1)商業・包装印刷、(2)LFP、(3)オフィス・ホーム・小型産業機器、(4)その他(インクやヘッド部材)における多数の新商品の解説が行われました。
全体的な技術傾向として、高画質、高速/高生産、基材汎用性拡大の流れが従来通り継続されています。またホームプリンタは在宅勤務の増加で需要が増加しました。2020年の市場全体の動向は、出荷台数・金額ベースで前年比85%ほどでした。原因は各社の新製品リリースの狭間の年であったことに加え、COVID-19感染拡大が重なった影響と推測され、今後は回復・伸長する領域と、元に戻らない領域の見極めが大切になるとのコメントがありました。
2021年の市場動向予想では、まず商業・包装印刷では後加工連携や紙種拡大などの高機能化が進み、環境対応ではインクの水性化、バイオマス化(UV含め)が進むと予想されます。LFP・小型産業機器では適用ジャンルの多様化が進み、コンポーネントの多様化と共に様々な用途展開、インライン化が進むと見られます。新しい生活スタイルに対応した機能搭載が加速し、プリントコストシステムの選択肢の拡大が見込まれるとのお話もありました。

3.電子ペーパー/フレキシブル技術 森川 尚(富士ゼロックス)電子ペーパー/フレキシブル技術部会

はじめに2020年11月18日オンラインにて開催された2020年度電子ペーパー/フレキシブル技術研究会『電子ペーパーとフレキシブル技術の最新動向』について紹介いただきました。
主な技術的話題では、電子ペン、カラーリライタブルシート、サイネージ、フレキシブル/プリンテッドセンサなどのIoT連携した最新技術のお話がありました。また、業界技術として、電気泳動方式カラー電子ペーパー技術及びその他アプリケーションの最新動向を紹介いただきました。さらにIDW2020からの速報として、新しい材料技術、アプリケーション適用などの事例を紹介いただきました。参加者からCOVID-19の影響について質問があり、電子ペーパーとしては電子棚札のような非接触の接客用途などで普及にプラスの影響になっているとのお話がありました。また電子ペーパーの昨今の用途について質問があり、現状ではセカンドディスプレイや電子書籍のような静止画においてニーズが高いとのことでした。

4.デジタルファブリケーション 酒井 真理(山形大学)デジタルファブリケーション部会

ガートナー社のハイプ・サイクルを題材にして、デジタルファブリケーションを取り巻く技術トレンドを解説頂きました。2018年からの経緯を確認し、2020年の特徴として日本語では理解しにくい言葉が散見された点があげられました。
次に、3Dプリンティング世界最大の展示会となるFormnextのオンライン開催状況を紹介いただきました。COVID-19の影響もあり、出展社数、参加者数は共に減少傾向でした。3Dプリンタの金属用技術では、マルチビーム化、バインダージェット、ナノパーティクルジェッティングの3つが生産性の観点で注目されてるとのお話がありました。オンラインでは3Dプリンティング技術の良さを直接的に確認できないため、オンラインとリアルのハイブリッド開催が望まれます。
最後に激変の一年後として、2021年の展望をお話いただきました。afterコロナ、withコロナ、ニューノーマルなどのキーワードのもと、サステナビリティ(持続性)を意識した、ESG:「Environment(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(ガバナンス)」やシェアリングエコノミーなどの付加価値づくり、あるいは生産効率向上などによる貢献をしていく必要があるとのお話がありました。

第2部はZOOMのブレイクアウトルームの機能を使って、参加者各自が複数のルームに自由に移動しながらそれぞれ話したい人と会話できるようにして講師と参加者あるいは参加者どうしで懇親を深め、イメージング技術に関する熱い討議で盛り上がりました。

記・企画委員 近藤芳昭(コニカミノルタ)

 

次回(第87回)は3月19日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。