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第91回 イメージングカフェ 年末スペシャル レポート |
2021年12月3日(金) 14:30より、2年連続となるZOOMによるオンラインにて 第91回イメージングカフェ年末スペシャルを開催しました。(参加者34名 ※委員・講師含む)
今回は年末特別イベントとして「イメージング技術 2021 徹底討論」と題し、ウィズコロナを睨んで新サービスや新商品が登場してきた、イメージングに関する各分野の2021年の総括と今後の動向についてオンラインで討議しました。各部会からの講演の後はブレイクアウトルーム機能を利用した情報交換タイムの時間を設け、講師・参加者同士でイメージング技術について語り合い懇親を深めました。1.電子写真技術 渡辺 猛(東芝テック)電子写真技術部会
2021年はCOVID-19の影響で昨年延期された、virtual.drupa、ICAI2021、page2021等学会や展示会がオンラインで再開されました。ICJやICAI2021での学会発表件数は低調で、高速度カメラの高性能化に伴い、可視化→解析により解析主導設計を目指すものが主流との事です。
次に各社の新製品技術動向が紹介され、中速レンジのプラットフォームの高速化が進み、カラー70枚/分程度まで同一エンジンを使うのが主流との事。製造・在庫管理の効率化を優先し、プラットフォームだけでなく同一機体化し、セットアップ時に速度を選択して機種を確定させる運用もみられるようです。テレワークの進展で一般オフィス需要が減少する中で、小売り店舗や薬局などの窓口業務向けのA4小型プリンタが出てきているようです。電子写真関連の国内公開特許件数は2006年からの減少傾向が継続中で、詳細を見るとプロセス分野は減少幅が大きく、ペーパーハンドリング分野は横ばいだが分野別のトップとなっているようです。件数ではキヤノンがトップとの事です。近年、電子写真技術の横展開を謳った、リコーの固体色素増感太陽電池や、シャープの光触媒スプレーのような製品もいくつか見られているとの事です。なお、次の複写機遺産認定活動は2022年を予定しているとの事です。2.インクジェット技術 名越 応昇(三菱製紙)インクジェット技術部会
2021年の振り返りとして、業界各社の4分野、(1)商業・包装印刷、(2)LFP、(3)オフィス・ホーム・小型産業機器、(4)その他(インクやヘッド部材)に分けて詳細な新商品の解説が行われました。全体的な市場動向は、アナログ大型機を追う商業および包装印刷領域では少しづつインクジェットのシェアが増える傾向にあり、参入領域の拡大に向け高生産性・高品質・高信頼性への技術開発が継続しているとの事です。また連帳タイプだけでなく、枚葉タイプのマシンが少しづつ増えているようです。テキスタイルでは高生産性(幅・速度)を訴求した印刷機の発表が多かったとの事です。サイン・グラフィックスではメディア対応拡大に伴いフラットベッド機のラインナップが拡大しており、合わせて大容量インクタンク機の発表が比較的多かったとの事です。オフィス・ホーム・小型産業機器は、HPがオフィスプリンタービジネスから撤退という大きなニュースがありました。オフィス・ホーム用プリンタのインクタンクの大容量化は継続中で新製品も出ており、在宅勤務の定着で販売台数は増加したとの事です。その他、メディアでは三菱製紙から抗菌性を付与したインクジェットメディアや、EPSONから自宅での印刷状況が把握できる企業向けプリントサービス、九州大学からIJ印刷可能な抗原抗体検査向け光センサーなど、生活スタイル変化への対応も進んでいるようです。
2022年はサステナブル対応や、後加工までの自動化が一段と進み、包装印刷では一般印刷からIJ印刷への置き換えが進むと予想。LFP・小型産業機器・ビジネス領域では環境の観点から溶剤系インクからレジン、ラテックスやUVインクへの切替が進むと予想、コンシューマ領域では生活スタイル変化に対応したインクの大容量化やサブスクリプションサービスで競争が激しくなると予想されていました。3.電子ペーパー/フレキシブル技術 吉田 学(産業技術総合研究所)電子ペーパー/フレキシブル技術部会
2021年11月16日オンラインにて開催された2021年度電子ペーパー/フレキシブル技術研究会『電子ペーパーとフレキシブルエレクトロニクスの最新動向』を中心に紹介いただきました。フレキシブルエレクトロニクス技術分野では東京大学からスマートテキスタイル、エレファンテック社や産総研からインモールドエレクトロニクス、フューチャーインク社からシート型バイタルセンサーの紹介があり、Ambient Weavingと名付けられた西陣織のスマートテキスタイルはZoZoテクノロジー社との協業もあり興味深い講演でした。電子ペーパー分野では、Eink社のコロナ臨時病棟への活用の話題と首都高技術からの漏水検知センサーへの適用報告があり、リコーより42inchのeWhiteboardの製品紹介がありました。コロナ病棟への活用では、低消費電力で配線の必要がない利点を生かした隔離病室での情報表示への応用が紹介され、電池交換の頻度低下は好評との事です。副次的な効用として光害による睡眠妨害がない事を挙げられていました。この技術研究会では台湾のEink本社のデモルームからの中継も行われ、断片的に知っていた製品群が一同に見られ、オンラインの利点を生かした内容となっていました。電子ペーパーのカラー化に対して質問があり、多色粒子系とフィルター系の説明があり、フィルター系もフロントライトとインクジェットによるカラーフィルターの直接描画により画質の改善が目覚ましく、用途で使い分ければよいとの説明がありました。
4.デジタルファブリケーション 酒井 真理(山形大学)
最初に、恒例となったガートナー社のハイプ・サイクルを題材にしたデジタルファブリケーションを取り巻く技術トレンドを解説頂きました。2019年からの経緯を確認し、2021年の特徴として世界的な傾向として「信頼を構築」、「成長を加速する」、「変化を形作る」の3つのテーマが社会課題になっていると指摘されました。全体的に物を作るだけでなくバーチャルの要素が増えているようです。一方、日本ではウェアラブルからデジタルヘルスに変わった項目が消失したり、次世代型リアル店舗の前進や、6Gが現れるなど大きな変化が見られる事が紹介されましたが、全体として消化不良な感じがあると指摘されました。
次に3Dプリンティングの話題の紹介があり、カーボン系では講師自身が発注した3Dプリントによる自転車がまだ納品されず、ホイールで苦戦している模様との紹介があり、金属系ではインクジェット法を用いたメタルジェットの話題やDesktop Metal社がExOne社を買収した件が紹介されました。樹脂系ではHPがバインダージェットを用いてGKNなどで造形サービスを展開しているが熱の管理が難しそうとの現状紹介や、Inkbitが各層の高精度画像分析から不良解析し1層毎に次層の描画条件を制御する方式を出してきた事が紹介されました。
最後にプリンテッドエレクトロニクスの話題として、JOLEDが業界2位のTCLと資本提携して65inch, 8kの8.5世代工場を発表したが建設予定が未定になっている事、色再現領域の拡大を目指した量子ドット有機ELの紹介、新しい技術としてQNED(量子ドットナノロッドLED)の紹介がありました。また、エレファンテック社が三井化学名古屋工場内に大型量産実証拠点(AMC名古屋)を立上げ、4月から量産を開始した事、導電材料と絶縁材料を用いてインクジェットで作るPCBの紹介がありました。記・企画委員 森川 尚(富士フイルムBI)
次回(第92回)は1月28日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。