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第92回 イメージングカフェ レポート |
2022年1月28日(金) 19:00〜20:30に第92回イメージングカフェをZoomにてOnline開催しました。今回は講師として3Dフォーラム/元キヤノンの桑山 哲郎様をお招きし、「オフィス機器の光学は面白い! 〜 コピー機,スキャナー,プロジェクターなどの話題から 〜」と題してご講演いただきました。参加者は18名(講師、企画委員含む)でした。
また、ご講演の後にはZoomのブレイクアウトルームを利用した情報交換会も実施し、より気軽な雰囲気の中で議論を深めることができました。
最初に、コピー機は記録と言われるが通信の一種であり、伝送の役目を果たしている、というお話がありました。光学系には情報を伝達する仕組みが詰まっており、特にアナログのコピー機では感光体上に正しく静電潜像を形成するための知恵と工夫を垣間見ることができます。例えば移動式原稿台を備えたコピー機では、原稿台の移動とドラムの回転を完全に同期させることで潜像が描かれています。また、固定式原稿台においては定滑車と動滑車の原理が用いられ、スキャン時の光路長が常に一定に保たれています。更には、コピー機の変倍機能もレンズとミラーの位置関係を正しく制御することで可能となったものです。
しかし、アナログ時代にはこのような工夫の塊だった光学系も、デジタル化によって面白みが減ってしまったというお話もあり、我々が便利を手に入れた代わりに技術的な創意工夫を発揮する場が減ってきている現実には、考えさせられてしまう部分もありました。後半はプロジェクターの話をメインとして進められました。プロジェクターの情報を得るにあたってカタログは大変有用ですが、その中で使われている図は光学系がかなり省略されてしまっているようです。恐らく一般の人向けには全てを記載するとわかりにくくなってしまうことから、あえてそのように表現されているのですが、それだけ実際の光学系は工夫されていて像を得るために複雑な光路が組まれているため、内部を知っている人間からするともっと正確に伝えて欲しいという思いがあるとのことでした。続いて実際の映像を交えながら、プロジェクションシステムの構成例を数多くご紹介いただきました。その中では、最先端の技術でも原理自体は古く中世から用いられていたものもあり、過去技術の基本構造を理解することが新しい技術開発に役立つことも合わせて述べられていました。
一般の人にとっては、コピー機は「原稿の上の文字や画像を別の紙に写す」存在、プロジェクターは「パソコンのディスプレイをスクリーンに映す」存在であり、なかなかそれ以上の印象を持つことはないでしょう。しかし、それらは実は情報を伝達するための手段であり本質は通信機器であること、そして情報を伝達するために光学系に込められた知恵と複雑さをできるだけ多くの人に知ってもらいたい、という桑山様の思いが今回のご講演には強く込められていました。
記・企画委員長 中井 洋志(リコー)
次回(第93回)は3月18日(金)に開催予定です。詳しくは開催案内をご覧ください。