第96回 イメージングカフェ レポート


  【ご参考】第96回募集案内


2022年9月22日(木) 15:00〜16:30に、第96回イメージングカフェをZoomにてOnline開催しました。今回は講師としてレンゴー株式会社の中村 隆弘様をお招きし、『身近にあるけど奥深い! 段ボールの基礎知識と最新動向〜 デジタル印刷の活用とリサイクル 〜』と題してご講演いただきました。参加者は40名(講師、企画委員含む)でした。また、ご講演後の情報交換会では、多くの参加者とともに活発な質疑や議論が行われました。

表紙ご講演では、まず始めに段ボールの基礎知識編をお話しいただきました。段ボールの歴史から、種類や強度を保つための工夫など構造面の特徴をわかりやすくお話ししいただき、基礎的な知識が深まりました。
昔からずっと段ボールの生産量はGDPとほぼ同じ曲線を描いており、景気の変化と見事に連動していることが紹介されました。このことから段ボールがいかに様々な産業と密接に関わっているかを伺い知ることができます。現在では、段ボールの年間生産量は約150億平米に上り、敷き詰めたときの面積は岩手県とほぼ同じ(東京都の約7倍)とのことで、いかに段ボールが我々の生活の中で必要とされているかを改めて認識することができました。

次に段ボールのリサイクルに関してお話しいただきました。リサイクルの工程を写真や動画でわかりやすく紹介いただきましたが、除去工程に関する説明の中ではリサイクルの障害となる具体的な例(フィルム、ロウ、油汚れ、金属ラミネート、臭い)とその理由について説明いただき、きちんと分別しなければと改めて深く納得しました。例えば、金属ラミネートはわずかでも混入するとできあがったパッケージが金属検知器に反応してしまうので特に気をつけなければならないのだそうです。また、臭いについては再生段ボールでは大きなクレームになるので、レンゴー様では臭いを嗅ぎ分けるよう訓練された臭気探知犬2頭が工場内で活躍しているのだそうで、意外な手法に参加者も皆驚いていました。

集合写真続いては世界の段ボールと古紙の状況について説明いただきました。世界に目を向けると段ボールの生産量は中国が最も多く、輸出入も中国の動向に大きく影響を受けるとのことでした。近年は中国が段ボール古紙の輸入を禁止したため日本からの段ボール古紙の輸出量が減っているものの、段ボール原紙の輸出量がその分増えている、という実態があるそうです。また、最近ではベトナムやインド等の新興国で需要が増えており、この両国では古紙不足量が回収量を上回っているのだそうです。

最後は段ボールへのデジタル印刷に関する説明でした。従来、段ボールへの印刷は主にフレキソ印刷が用いられていましたが、デジタル印刷ならではの小ロット対応や美粧性を生かした適用例を、実際の商品写真を用いながら紹介いただきました。また、レンゴー様が日本で初めて(アジアでも初)導入された段ボールライナー用のHP社のインクジェット印刷機(印刷幅 2.2m)の特徴についても説明があり、これに対しては多くの質問が寄せられ、参加者の興味を大いに惹く内容となっていました。

今回のご講演をいただき、改めて段ボールに込められた工夫の数々を実感できました。例えば、段ボールの使用量削減のためにお茶のペットボトルのパッケージの角を取ることで軽量化と強度アップする工夫がなされていたり、テープ無しでも閉じることができるように差込口が設計されていたりする等、日々進化していることを改めて感じました。確かに言われてみれば常日頃から目にしている内容も多く、段ボール業界の取り組みを実体験と結び付けて考えることができました。まさに段ボールの世界は「身近にあるけど奥深い」ことがとてもよく理解できるひと時でした。

記・企画委員長 中井 洋志(リコー)


次回(第97回)は2023年1月に開催予定です。詳しくは改めてお知らせいたします