第97回 イメージングカフェ レポート


  【ご参考】第97回募集案内


2023年3月10日 15:00より第97回イメージングカフェをオンライン開催しました。参加者は28名でした(講師・委員含む)
表紙今回は、山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンターのセンター長である佐野健志教授に『ここまできた!次世代太陽電池(有機太陽電池・ペロブスカイト太陽電池)〜山形大学の最先端の取り組みから〜』と題してご講演をいただきました。講演の中で、佐野先生は山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンターにおける印刷技術を用いた製造装置や透明・フレキシブル有機ELパネル、多色・透明有機薄膜太陽電池などの試作品について紹介されました。また、これらを実際に住める家の中に設置した実証工房「スマート未来ハウス」についてもご紹介いただきました。

有機ELは、LEDよりも演色性が優れ、発熱が少なく、料亭や食品・食材などの照明に向いていることから、有機EL照明の開発が進んでいるとのことです。また、医療分野では、訪問診療先の暗い民家でも明るく自然な色で正しく診療ができるようになるなど、応用分野が広がっています。

集合写真次いで有機・ペロブスカイト太陽電池の研究成果についても紹介されました。有機太陽電池は軽量で柔軟性があり大面積化が可能で、一方ペロブスカイト太陽電池は高い光電変換効率を持つことが期待されています。山形大学では有機ELのフレキシブル化も研究しており、太陽電池にも応用することを目指しています。有機太陽電池は従来のシリコン太陽電池に比べてコストが低く、薄く、軽量であり、より柔軟であるため、将来、さまざまな応用が期待されると説明されました。 また、ペロブスカイト太陽電池については、現在の問題点を解決し大量生産に向けた研究が進んでいるとのことです。これらの太陽電池の開発は環境問題やエネルギー問題の解決につながり、今後ますます注目される分野です。佐野先生はエネルギー自給率や化石燃料依存度、地球温暖化などの資料を引用し、エネルギー自給率の高い社会に向けての具体的な取り組みや課題について、解説してくださいました。
最後に、有機太陽電池やペロブスカイト太陽電池の変換効率は向上しており、「薄く、軽く、透明な」特徴を活かした応用事例の紹介と合わせて、今後も用途開発が重要なので、学際的な協力が必要だと強調されました。

講演後には、参加者からの質問にも丁寧に答えていただきました。参加者からは、有機太陽電池やペロブスカイト太陽電池の応用分野についての興味や、具体的な技術的な質問などが寄せられ、多くの方が熱心に聴講されていました。本講演は、今後のエネルギー問題や環境問題に対する解決策の一つとして、有機太陽電池やペロブスカイト太陽電池の開発が注目されていることを知る貴重な機会となりました。また、山形大学の最先端の取り組みや実績についても知ることができ、非常に有意義な時間となりました。

記:企画委員 上林 昭


次回(第98回)は6月2日に開催予定です。詳しくは改めてお知らせいたします