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2011年度日本画像学会シンポジウム

『電子写真の次世代を担う技術革新』

Abstract
講 師題目&要約
宇佐美 元宏
(株式会社リコー)
「電子写真設計プロセス革新のための粉体挙動シミュレータ開発」
電子写真機器設計において計算機シミュレーションの活用を考えるとき、電子写真特有のものとして、粉体挙動計算が必要となる。現在、離散要素法に電磁気的な作用力を組み込んだ現像剤挙動シミュレータが開発され、機器設計に活用されつつあるが、その適用範囲は限定的である。より広範な活用を実現するためには、粉体シミュレーションの大規模化・高速化が必要であり、その実現に有効な手段として、東工大TSUBAMEに代表される産業利用のために開放された国内の大規模計算機の利用が考えられる。本報告では、これまでのシミュレータ開発を振返りつつ、スパコンの利用など、将来の電子写真機器設計における計算機シミュレーションの可能性について概説する。
斎藤 和広、加川 哲哉
(コニカミノルタビジネステクノロジーズ
株式会社)
「現像剤の運動挙動解析の新手法〜粒子法シミュレーションとX線による可視化〜」
電子写真プロセスでは各所で現像剤の挙動を把握することが重要となる。
トナーの粒子数が比較的少ない領域の数値解析を行う場合,個別要素法を用いることが多いが,現像器内等の現像剤の挙動は粒子数が多く解析エリアが広いために実粒子径と実粒子数を用いる計算は困難であった。
そこで現像剤を連続体近似して非ニュートン流体として扱い,粒子法を用いた数値解析手法(SPHinX)を考案した。合わせて、現像剤の実挙動を観測するため、X線による可視化技術を開発し、流体解析に必要な現像剤の塑性、空気抵抗などのパラメーターを合わせ込んだ。
その結果,シミュレーションと実物実験との良好な対応を確認でき,シミュレーションによる現像器設計の実用性を向上させることができたのでその内容を報告する。
内田 圭亮
(株式会社リコー)
「ラジオグラフィによる現像剤粉体中のトナー混合挙動の可視化」
従来,装置内部・現像剤内部で発生するトナー粉体の混合挙動は,可視光による観察は極めて困難であった.
しかしながら,今回現像剤よりもトナーに大きい吸収率を有する中性子線を用いて,その挙動の観察に成功した.
また二種類のトナーを用いて,回転場とスクリュー搬送場における混合挙動を観察し,その観察有効性を確認することができたので、概要を報告する.
長谷部 恵
(富士ゼロックス株式会社)
「統一解法を用いた粘弾性シミュレーションによる定着ニップ内トナー溶融プロセスの可視化」
多様化する画質のニーズに対応するためには,定着器設計においてトナーの溶融プロセスまで踏み込んだ理解が重要となってくる.
そこで,定着ニップ内のトナー溶融変形挙動を直接シミュレーションする新しい解析技術を開発し,これまで困難であった定着器内におけるトナーの溶融変形プロセスの解析を可能とした.
解析手法には,固体・液体・気体の統一解法であるCCUP法、トナー粘弾性の構成方程式にLeonovモデルを適用した.
本講演では、これらの解析技術を解説するとともに,実際の定着プロセスにおけるトナーの溶融変形挙動への定着パラメータの影響について,解析事例を紹介する.
依田 寧雄
(キヤノン株式会社)
「転写プロセスシミュレータを活用した試作レス開発への取り組み」
転写プロセスシミュレーターを活用した試作レス開発と新規技術開発、そして新しい開発手法への取り組みについて、キヤノンにおける事例を紹介する。
各々の事例として、転写工程における基本現象と不具合現象の把握、パッド転写開発、計算ツール開発を取り挙げる。
小林 康之
(富士ゼロックス株式会社)
「DocuColor 1450GAの高画質マーキング技術とグロスコントロール」
近年の印刷市場は、オフセット機からデジタルカラーパブリッシング機への移行が徐々に加速している。
デジタル化の流れは色校正の工程にも変化をもたらし、DDCP(Direct Digital Color Proofing)やインクジェットでの校正に加えてコストメリットのあるカラープリンターでの校正に対する需要が増加しつつある。
DocuColor 1450GAは、ゼログラフィーを用いたデジタルカラープリンターでの色校正に対応してきたDocuColor 1257GA(2008年発売)の後継機種であり、カンプ・プルーフ機に求められる色安定性に加えて、面内色均一性(面内色ムラ)を向上させたプリンターとなっている。
本報告では、面内色均一性を支えるマーキング技術と本紙校正に近い仕上がりをサポートできるグロスコントロールについて説明する。
岡野 覚
(株式会社リコー)
「RICOH Pro C751EXにおける液体冷却技術」
近年,プロダクションプリンティング,およびオフィスハイエンドのコピー/プリンタにおいて発生する熱は,高画質化,高速化などにより,増加を続けている.また,定着プロセスの省エネルギー化でトナー軟化点の低下により,温度上昇の許容レベルも下がりつつある.
しかしながら,なおもコピー/プリンタにはダウンサイジングが求められている.そのような中,現像ユニットにおいて十分な冷却が得られない場合,トナーは凝集し,ベタ画像の出力では複数の白スジが生じる画像不良を引き起こす.
本稿では,これを回避するため当社RICOH Pro C751EXの現像ユニットへオフィス分野では世界初の搭載となる液体冷却技術について紹介する.
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