| 講 師 |
所属・役職 |
題目&アブストラクト |
|
木村 良晴 |
京都工芸繊維大学 大学院 工芸科学研究科 バイオベースマテリアル学専攻 |
「バイオベースインダストリーを牽引するバイオマスプラスチックの開発の動向」
現在,化石資源の枯渇や地球温暖化の防止を目的に、再生可能資源であるバイオマスをエネルギーや素材原料に用いた工業生産が始まろうとしている.特に、素材分野ではこの動きが加速されている.
一般的に,バイオマスから生産されるモノマー類を重合して得られるポリマーはバイオベースポリマーとよばれている.
本講演では,バイオマスの効率的なリファイニング(ブレークダウン)がどのように進められているか,また、どのようなバイオベースの基幹化学物質が製造され,どのようなモノマーの生産が有力視されているかを見ながら,生産可能なバイオベースポリマーの合成ルートとその構造・物性について概括する.特に、バイオマスリファイニングに伴う数々のモノマーやポリマーの合成ルートについて紹介するとともに,今後のバイオインダストリーの開発動向についてまとめてみたい.
|
|
加藤 聡 |
株式会社 三菱化学科学技術研究センター 企画調整部 |
「バイオマス材料応用編
〜バイオマス材料の表と裏、成功例と失敗例〜」
近年環境問題への関心が深まり,特に地球温暖化問題、化石燃料枯渇問題を解決するための技術開発は世界中で重要視されている.一方でバイオマスのエネルギー変換が穀物などの高騰を引き起こすなどのことから,材料のバイオマス変換に関しても方向を誤ると将来的には食糧不足を深刻化することにもなりかねない.
環境対応型樹脂の実用化までの動き,バイオパスプラスチックの研究の歴史から環境循環型社会への動き,古くから知られているバイオマス材料がなぜ注目されているか,またなぜ長い間材料として注目されなかったか,実用化への現在の課題は何かについて概説する.
またバイオマス材料の実用化の成功例,失敗例の紹介しながら最近の開発動向とこれからの目指すべき方について述べたい.
|
|
明石 將 |
大王製紙株式会社 |
「難リサイクル古紙再生技術」
日本の古紙再利用状況は,古紙回収率79.9%,古紙利用率63.7%で世界的に見ても高水準にある.これは古紙回収の仕組みが整備されてきたことと,古紙のパルプ化・利用技術の進展が相俟って得られたものである.
本講演では,従来リサイクルが難しいとされてきた背糊付き雑誌,CD付録付き雑誌などを分別せず原料化しつつ,最終製品の品質を担保する難リサイクル古紙再生技術を当社の事例で紹介する.
また,古紙リサイクルのエネルギー消費量や地球温暖化に影響するCO2発生量等の観点から各種パルプ化工程と環境負荷との関連を考察する. |
|
吉田 稔 |
東芝テック株式会社 |
「異次元の環境性能
〜LOOPSのコンセプトと構成技術〜」
「CO2などの温室効果ガスによる地球温暖化」は,人類が取り組むべき重要な課題である.東芝テック鰍ヘ,2013年2月に,用紙をリユースすることで、印刷することによる環境負荷を約50%削減(※)できるLoopsの販売を開始した.(※ CO2換算、当社比、利用回数5回/枚)
Loopsは複合機LP30と消色装置RD30により構成されている.LP30で消色可能なトナーを用いて文書の印字を行い、使用済の文書をRD30で消色することで用紙を再利用できる.RD30は印刷を消色するだけでなく、消色前にスキャンすることで画像を電子化する機能、再利用可能な紙と不可の紙を分別する機能を有し,ユーザーの使いやすさを実現している.Loopsでは、「消色できる」ことにのみ目を奪われがちであるが,「消さずに定着する」ことが技術上の最大のポイントである.本報告では、Loopsのコンセプトと構成する技術について紹介する. |
|
石橋 幹生 |
株式会社リコー 画像エンジン開発本部 プラットフォーム開発センター |
「MPC6003シリーズにおける、環境配慮設計
〜省エネ省資源と高生産性の両立〜」
13年6月に上市されたMPC6003シリーズは,SRA3対応,更なる省エネ,復帰時間短縮,生産性向上等,自社前身機比較で多くの機能UPを実現した新商品である.
自社の掲げる環境経営方針に沿って,MPC6003シリーズでは省資源と省エネルギーの両立を目標として開発を進めてきた.
本稿では,MPC6003の作像部設計を中心に,軽量化と小型化により自社22cpm機と同一の本体幅と重量で60cpmの生産性を実現した省資源設計や,第四世代目の新カラーQSU-DH定着を改良したTEC低減など,省エネ省資源と高生産性への取り組みについて報告する. |
|
並木 則和 |
工学院大学 工学部 環境エネルギー化学科 |
「オフィス機器における環境負荷低減技術
〜超微粒子(UFP)生成機構とその対策〜」
電子複写式のプリンタやコピー機からは,粒径100nm以下の超微粒子(UFP)が発生することが指摘されている.現在、ISO/IEC28360では指定の環境試験チャンバ内で発生したUFPの発生量を個数濃度で評価することが規定され,さらに業界の達成基準も決定されたことから,UFPの削減対策が急務となっている.有効なUFP削減対策を講じるためには,UFPの生成機構を解明する必要がある.
そこで本講演では,我々の研究グループが行ってきた生成機構解明に関する検討として,構成部材に含まれるVOCおよび紙に含まれる水分が定着工程の加熱により揮発し,その後空間での冷却凝縮によりUFPが生成される過程が主要な機構であることを述べる.後半では、この知見に基づいたエアフィルタによるUFP生成抑制対策では,UFPの核となる高沸点のVOCミストを細繊維からなるフィルタで選択的に捕集することで,一定の粒子生成抑制が可能であることを述べる.最後に、室内の大気塵を想定した外部粒子添加に関する検討では,外部粒子が存在すると容易にプリンタから生成する粒子の個数濃度が変化するため,個数濃度で規制を行う現行法に関する問題点についても指摘する.
|
|
戸井 武司 |
中央大学 |
「感性を考慮した快音化とサウンドデザイン」
家電,MFPなどの精密情報機器,自動車などの不快な騒音は,環境負荷を低減する低騒音化でなく,感性を考慮した快適な動作音として付加価値を高める快音化が進められている.
本講演では,近年の音環境の変化と快音化が求められる背景に触れ,発音メカニズムと快音設計について事例を交えて紹介する.また,音の評価としてアンケートに基づく主観評価のみならず,生体情報に基づく客観評価による定量化について述べる.次に,家庭,オフィス,医療施設,自動車車室内などで音環境にリラックス,知的生産性向上,体感温度変化,覚醒維持などの機能を持たせる機能性音響空間”スマートサウンドスペース”の最新の研究を紹介する.さらに,聴覚のみでなく視覚などとの複合刺激を受ける際に,印象が変化することを示し,今後のサウンドデザインについてまとめる.
|