
佐藤 利文
【会長就任の挨拶】
(日本画像学会誌、Vol. 61, No. 4 (2022)「巻頭言」として掲載)
日頃より,日本画像学会の事業にご支援を賜り,誠にありがとうございます.
6月22日から24日に開催されたICJ2022年次大会の初日にオンラインで開催された日本画像学会2022年度定時総会において,今期の役員が承認され、総会で報告させていただいた通り,引き続き会長の職に就くことになりました.これからの2年間,小林範久先生(千葉大学),藤井雅彦氏(慶應義塾大学)の2名の副会長とともに学会運営に尽力いたします.何卒よろしくお顧いいたします.
定時総会後の表彰式では,功労賞,論文賞,技術賞(2件),研究奨励賞(3件),日本画像学会会長特賞,フェロー会員証,日本画像学会コニカミノルタ科学技術振興財団研究奨励賞の表彰がありました.さらに,2018年の日本画像学会創立60周年を記念して創設された『複写機遺産』の第3回の認定式(3件)が執り行われました.受賞された皆様本当におめでとうございます.いずれも顕著な業績によるものであり,これまでの活動への感謝とお祝いを申し上げます.
2020年以降,新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響で社会全体が活動を制限され続けています.その渦中で,これまで特別なことであったWeb会議が当たり前のこととなり.オンラインでも対面と同等のコミュニケーションを図ることができるツールの利活用が進んでいます.今年度のICJ2022年次大会は,バーチャル空間「oVice」とZoomを利用してオンライン開催しました.仮想空間の中で参加者のアバターが動く様子は,リアルな会場を俯廠して眺めているかの如く,オーサーズインタピューや展示会への参加,会場内での立ち話等,導入の目的であった参加者相互のコミュニケーションの促進が実現できたと思います.この2年の間,オンライン化WGを立ち上げ,各種集客事業をサポートして開催してきた実績を踏まえ,これまでに顕在化したオンラインのメリット・デメリットを改めて認識し,情報共有し.今後の学会運営に反映させるとともに日々進化し続けているオンラインツールを活用して,最終的には会員の利益に寄与するものにしていくことが必要と考えています.また,このような物理的な移動の制約がなぃオンラインのメリットを最大限生かした会合はその技術の進歩と共に.Withコロナ.Afterコロナにおけるニューノーマルとして根付いていくものと思います.
今年6月に内閣府より女性活躍・男女共同参画の重点方針2022(女性版骨太の方針2022)が公表されましたこのIV女性の登用目標達成(4)科学技術・学術分野では,「科学技術・学術分野において男女共同参画を進め.研究・技術開発に多様な視点を取り入れていくことは,ジェンダード・イノペーションの創出にもつながり.重要である.」と記されています.その内容は,大学等のアカデミアでの女性登用や大学理工系学部における女子学生獲得のための施策が中心となっていますが,「科学技術・学術分野における女性登用の促進」の項目があります.当学会では,ここ数年の間.女性ならではの視点で学会活動を活性化する取り組みを進めています.技術委員会各部会では従前から企業在藉の優秀な女性委員が活動していることに加え,2021年度からは女性理事が就任して学会運営を担っています.今後も学術団体として継続して取り組んでまいります.
社会の変化は想像以上に早く,また画像関連分野の変革も著しいことは周知のことと存じます.その中で,当学会の核心となる技術頷域を生かしつつ,学際領域を含めた新規技術領域ヘの取組みを進めていかなければなりません.それを実現するためには,人材育成や人的資源の利活用が必要不可欠です.男女の区別なく,多くの会員の皆様に学会に積極的に関わっていただき,また学会の活性化を図るべく各種事業を展開してまいります.さらには国内外の関連学会との連携,画像関連学会連合会(日本写真学会,日本印刷学会,画像電子学会,日本画像学会)での取り組みを通じて画像技術の発展に寄与させていただきます.今年秋に開催される画像関連学会連合会秋季大会が,中部地区または関西地区を候補とする対面とオンライン併用のハイプリッド開備で準備を進めています.詳細が決まりましたらホームベージを通じてご案内させていただきます.
日本画像学会は.会員の皆様とともに発展していきたいと願っております.学会活動に関し,皆様からの忌憚のないご意見やご助言,ご提案を頂載したいと思います.今後とも,変わらぬご支援を何卒よろしくお願いいたします.