学会の活動や存在を広く知ってもらう機会は、決して多くありません。イメージング技術は生活に深く関わる分野であり、その面白さや社会的意義を広く伝えていくことには大きな価値があります。
しかし、何を、誰に、どのように伝えるのが効果的なのか? その問いが曖昧なままでは、せっかくの取り組みも空回りしてしまいます。だからこそ、まずは「誰に知られたいのか」を明確にするところから始めることが大切です。
誰に向けて認知度を上げたいのか?
「認知度を上げたい」と言ったとき、その対象は誰なのでしょうか?
- 一般の生活者?
- 高校生や大学生?
- 関連技術を扱う企業や異分野の研究者?
- メディア関係者?
- 政策立案者?
目的が「会員を増やすこと」や「共同研究の促進」であれば、企業や学生、産業界のパートナーにリーチする必要があります。
一方で、「技術の社会的貢献を伝えたい」「若い世代に興味を持ってもらいたい」のであれば、もっと広い層に向けた言葉や表現が求められます。
画像学会の「画像」って、何のこと?
一般の方は、画像=写真や映像と捉えがちです。しかし、実は日本画像学会の中心にあるのは “イメージング技術”、とりわけプリンター関連の技術です。この認識の違いは誤解を招きかねず、非常に重要なポイントです。
インクジェット、電子写真、熱転写、電子ペーパーなどの技術は、単なる印刷にとどまらず、さまざまな産業や社会インフラに応用されています。
たとえば:
- 家庭やオフィスで使われるインクジェットプリンター
- 商業施設のPOPやポスター印刷
- 工場のラベルプリンターや産業用印刷機
- 教育現場を支える教科書や試験用紙の印刷
- テキスタイルやパッケージ印刷などの産業応用
- アクリルスタンド(アクスタ)などの推し活グッズ印刷
- 電車・バス・飛行機などのラッピング広告印刷
- 試作やカスタムパーツ製造に活用される3Dプリンター
これらはすべて、「デジタルの情報をリアルに変換する技術」として、現代社会を支えています。画像を“出力する”ことの奥深さを、もっと多くの人に知ってもらいたいですね。
画像学会の情報が「役立つ人」って、誰?
誰にとって、学会の情報は“得になる”のでしょうか?この視点を持つことが、発信の設計には欠かせません。
- 理系学生:進路選択や研究テーマのヒントになる
- 企業関係者:技術動向を把握し、連携のチャンスを得る
- メディア関係者:分かりやすい科学技術の素材になる
- 地域社会や教育現場:科学イベントや教材に活用できる
つまり、「誰にとって価値があるのか」を明確にすれば、届け方も見えてくるのです。
イベントだけが手段じゃない!伝え方の選択肢はもっとある
認知度を上げるにはイベント……という発想は自然ですが、それが最適な手段とは限りません。
たとえば:
- 科学系YouTubeチャンネルとのコラボ動画
- 専門知識をやさしく伝える記事連載
- 研究者自身によるSNS発信の支援
- 高校・大学への出前講義や教材提供
- イメージングNEXTブログでの継続的発信
- noteなどを活用した多層的な発信
- 展示会や博覧会での体験展示
「どんな人に、どんな形で届くのか?」を基準にすれば、方法はもっと柔軟に選べます。
学会の魅力を“言葉”にしよう
技術の奥深さ、産業への貢献、社会的な意義、多様な専門家とのつながり。
それらをどう表現すれば、伝わるのか?
- 専門用語を避ける
- ストーリーで語る
- 身近な例を使う
こうした工夫が、学会を「人に伝えたくなる存在」に変えていきます。
さらに、研究者の情熱や挑戦の物語にも、共感を得る力があります。技術だけでなく、そこにいる人の魅力も一緒に届けていきましょう。
学会の未来像を考える
私たちが思い描く日本画像学会の未来像は、「画像(イメージング)技術が社会と人々のくらしを豊かにする原動力となる世界」です。
印刷や表示、センシング、データ解析といった多様な技術が融合し、教育・医療・物流・エンタメなどさまざまな分野の課題解決に貢献していく。そんな社会の中で、学会が「技術と社会をつなぐハブ」として機能する未来を目指しています。
まとめ:誰に、何を、どう伝えるか? そこから始めよう
認知度を上げたい。
その思いを実現するには、まず「誰に」「何を」「なぜ」伝えたいのかを明確にすること。
そして、その答えに合わせて、最適な伝え方を選ぶこと。
イメージングNEXTでは、こうした問いを共有しながら、学会の魅力を社会にどう届けるかをみなさんと一緒に考えていきたいと思っています。
あなたは、画像学会の未来をどのように描いていますか?
その魅力を、誰に、どう届けていきますか?
「学会の魅力」という所で思ったのですが,「学会の魅力」のうちの8割がたは「会員の魅力」のような気がします.学会のイベントに参加して「あの方」にお会いしたい,というのも私にとって学会に参加する動機の一つかもしれません.第1回のimagingNEXTで藤井さんのインタビューをされたように,画像学会で会える「あの人」の魅力を伝えるコーナーっていうのはどうでしょう.技術の奥深さを伝えようとすると難解になるか抽象的になりがちですが,「人」にはそれぞれ個性があって言葉の端々から人となりが滲んできます.その言葉が次世代の方に何等か影響を与えるのであれば,それが画像学会の未来を創っていくのかも.
服部さん、コメントありがとうございます。
「学会の魅力は会員の魅力」という視点、とても興味深く拝見しました。確かに、あの人に会いたくて参加する、という感覚はありますよね。
技術を伝える手段として、人を通じて見せるアプローチも一つの形だなと感じました。今後の発信で、そういった要素も少し意識してみたいと思います。
管理人さんの経歴に秘められた想いのたけを語って頂ける機会もいつかあるといいなと思っています。
そう言っていただけるのは大変光栄です!