複写機遺産第05号

リコー 電子リコピーBS-1

製造年 :1965年
方 式 :EF感光紙を用いた湿式直接電子写真方式
複写速度:2枚/分(B4)
所在地 :神奈川県海老名市 株式会社リコー リコーテクノロジーセンター

【学会誌へのリンク】
59 巻 5 号 p. 496-497 (2020)
https://doi.org/10.11370/isj.59.496

リコーの電子リコピーBS-1は,シート状の原稿複写が全盛だった1960年代において,製本原稿の手軽なコピーを可能にした湿式EF(Electro Fax)複写機である.

リコー独自のインミラーレンズの採用により,小型化を図るとともに,デスクトップ機として世界で初めて,ガラス板上の原稿を動かすことなく立体物をコピーできる複写機構(原稿台固定方式)を実現した.

これにより,「なんでもコピー」を謳い文句に,さまざまな立体物を簡単にコピーできる複写機としてベストセラーを記録した.

インミラーレンズとは,対称型レンズの対向に反射鏡(ルーフミラー)を配置して,半分のレンズで入射(原稿の読取り)と射出(感光紙への露光)を行えるようにしたものをいう.

これを原稿と感光紙の間に設けることにより,原稿とその像を等倍(1:1)で平行に対向させたのである.

インミラーレンズ方式は,これ以降のリコー製等倍複写機の大半の機種に搭載され続ける画期的な機構であった.

電子リコピーBS-1は,大型経済不況で苦境に陥った当時のリコーを救うとともに,日本産業の輸出拡大の一翼を担うことで,複写機事業が自動車などと並ぶ日本の基幹産業の礎にもなった記念碑的製品と言える.

 
 


 
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