
技術賞は、本学会の対象とする領域に関係する産業界において、独創性に富み、かつ優れた実用性が実証された技術の開発者に贈呈されます。
対象とする技術成果は、応募申請時において技術成果公表以後、原則として1年以上5年未満経過したものとします。
技術賞候補者の募集情報につきましては、『選奨委員会からのお知らせ』でご案内しておりますので、ご参照ください。
2021年度(第30回)
京セラドキュメントソリューションズ株式会社
『高速枚葉インクジェットプリンターTASKalfaPro 15000cの開発』
受賞理由:インクジェットプリンター「TASKalfa Pro 15000c」は、インクジェットヘッドメインテナンス、水性顔料インク設計、高速用紙搬送に関する新規技術により、A4毎分150枚、1時間9000枚ノンストップ印字の高い耐久性、生産性を実現した。新規技術により、低い環境負荷、印刷物のコスト低減も可能にした。




コニカミノルタ株式会社
『ハイボリュームプロダクションプリントを革新的に効率化するAccurioPress C14000 システムの開発』
受賞理由:乾式カラー電子写真エンジンである「AccurioPress C14000システム」は、2段磁気ブラシ現像、薄膜コート中間転写ベルト、第5世代ケミカルトナー等の新規技術により世界最速のA4毎分140枚印刷、さらに、画像汚れ自動検査機能、高精度表裏位置調整、メディアセンサーとAI推論によるメディア検知機能の実装等の新規技術により印刷の前後工程においても自動化、効率化を実現した。これによりオペレーターによる調整工程のスキルレス化、検品工程の低減を可能にした。





2019年度(第29回)
セイコーエプソン株式会社
『位置ずれに対するロバスト性向上ハーフトーン技術の開発』
受賞理由:インクジェットプリンタヘッド往復操作起因の着弾位置ずれは、平均画質を低下させ、機体間ばらつきを大きくする主因であった。これらの画質劣化要因を解消するため、ずれ発生による粒状性劣化メカニズムを解明し、その原因解消を行っている。本技術により、往復操作ずれが発生しても粒状性が劣化せず、インクジェットプリンタの画質を大幅に向上させることを可能にした。



株式会社リコー
『新規乾燥技術を搭載した高速インクジェット連帳機「RICOH Pro VC70000」の開発 』
受賞理由:「RICOH Pro VC70000」において開発した乾燥技術は、複数の加熱ローラに用紙を繰り返し巻き付ける構成を採用することによって、用紙のシワ(コックリング)を抑制しながら、インクの乾燥性を大幅に向上させることを可能にしている。これにより,装置サイズ、消費電力を前身機と同等に抑えながらも、オフセットコート紙への印刷速度として最大150m/minを実現した。さらに、乾燥技術とインクの組み合わせにより、色再現範囲、印刷濃度も大幅に拡大させ、オフセット印刷に迫る高画質印刷を可能にしている。



2017年度(第28回)
コニカミノルタ株式会社
『 新規UV硬化インクとハーフトーン・パターニングによる高速・高画質形成技術』
受賞理由:複数のワックスオイルゲル化剤を用いたUV硬化型インクの設計と画像処理技術により、高速ピニングと画像光沢度の制御を達成し、オフセット印刷に匹敵する高速・高画質形成を実現した。





2016年度(第27回)
三菱製紙株式会社
『銀ナノ粒子インクと多孔質ハライド含有ペーパーによる焼成不要な導電性パターン形成技術』
受賞理由:銀ナノ粒子と専用メディアを組み合わせた、焼成処理なしで電子回路配線を形成する新しい導電性パターン形成技術を開発している。銀ナノ粒子は、環境負荷が低く、取り扱いの容易な水系溶媒品であり、平均粒子径は約20 nmである。専用メディアはナノレベル無機顔料、バインダ、架橋剤などによる多孔質層であり、多孔質層の平均細孔直径は銀ナノ粒子の平均粒子径に近い値に設計されている。このため、銀ナノインクが専用メディアに印刷されると多孔質層が溶媒を毛細管現象により急速に吸収し、銀ナノ粒子を表面に堆積させる。さらに多孔質層中には、ハライドが含まれ、吸収された溶媒成分によりハライドが拡散し、表面に堆積した銀ナノ粒子に作用し、銀ナノ粒子同士が融合し導電性が発現する。本技術は、焼結処理が不要で、高速に電子回路素子が作製できる技術で、その革新性、新規性から技術賞に値する。



2015年度(第26回)
富士ゼロックス株式会社
『電子写真用 金銀メタリックトナーの開発』
受賞理由:従来の電子写真装置では、金色、銀色のようなメタリック画像のある印刷は後加工が必要であった。独自の乳化重合凝集法に基づくトナー構造の精密制御技術を確立し、金トナー、銀トナーを新規に開発している。電子写真方式プリンター「Color 1000i Press」に搭載され、電子写真技術の新展開を期待できる。





ソニー株式会社、E ink Japan株式会社
『A4フレキシブル電子ペーパーを用いたデジタルペーパーの開発』
受賞理由:A4サイズのフレキシブル電子ペーパーを開発し、軽く薄い紙のような使用感、タッチパネルおよびデジタルペンにより、ノートにペン書きするのと同等の操作感と書き味、デジタルサーバー会議用サーバーソフトウェアに基づくペーパーレス会議などを実現することにより、電子ペーパーの価値を高め、将来の普及の基礎を構築した貢献は大と評価できる。


セイコーエプソン株式会社
『薄膜ピエゾ技術、Si-MEMS技術を融合させたPrecisionCoreテクノロジーの開発 』
受賞理由:インクジェットプリンティングの一層の高画質、高生産性を図るため、薄膜ピエゾ技術とMEMS (Micro Electro Mechanical Syetems)製造技術を融合させたPrecisionCoreテクノロジーにより拡張性の高いプリントチップ技術を開発している。具体的には、1μm程度の厚みで高い変位性能を示すピエゾ結晶膜、および、インク流路等の高密度加工技術の開発である。高画質、高生産性に加え、高い拡張性、低コストである独自性の高いプリントチップ技術であり、技術賞に値する。





2014年度(第25回)
富士ゼロックス株式会社
『高信頼ロングライフゼログラフィドラムユニットの開発』
受賞理由:本技術では、新規に開発した解析技術を駆使し、クリーニング部におけるトナー/外添剤挙動と摩耗の関係を初めて定量的かつ動的に明らかにした。その成果を、2 層ブレードなどの特徴的な部材を採用して体系的に最適化したゼログラフィドラムユニットとして商品化し、ライフのトレンドを大きく変える長寿命化を達成した。クリーニング解析技術により、合理的な開発プロセスへ変革させて高い長寿命性能を実現した点が高く評価でき、また、地球温暖化防止の実現を目指して取り組んだ結果として、低炭素化などの点で社会への貢献も大きい。





綜研化学株式会社、大日本印刷株式会社
『ツイストボール型電子ペーパーの商品化』
受賞理由:ツイストボール表示方式自体は米国ゼロックスの発明であるが着色粒子のマイクロチャンネル製造方法及びそれに用いるマイクロチャンネル式製造装置は受賞候補者の発明によるオリジナル技術であり、ツイストボール表示方式の実用化と商品化に世界で初めてこぎ着けたキー技術として注目と賞賛に値する。
現時点での反響は地味であると思われるが、電子ペーパーを大画面に適用し、太陽光の直下でも見やすく省資源の大型表示パネルの実現を達成したことによる応用範囲は広いため、今後次第に大きな反響を呼ぶことになると期待される。


富士フイルム株式会社
『インクジェットデジタル印刷機JetPress720 シリーズの開発』
受賞理由:B2サイズの汎用コート紙に高画質で印字可能な高速インクジェット印刷機として始めて実用化されたシステムである。
・Si-MEMSプロセスとsuptter suptter-PZTと用いたインク循環機能を有する高信頼高密度IJヘッド技術
・Webと洗浄液を組み合わせた広幅ヘッドクリーニング技術
・水系Latex顔料インクとプレコンディショニング液を組み合わせてドット品質/膜物性/低カールを獲得した材料技術とマーキングプロセス技術
・シングルパスによるスジムラに耐性のあるハーフトーンと補正を行う画像処理技術
・吸着ドラムによる高精度の用紙搬送技術
などの技術においてブレークスルーが認められる。
「オフセット印刷物に混ぜることが出来るデジタルプリント」との評価があり、汎用コート紙でオフセット印刷画質を獲得した点で社会的反響が大きい。また、脱墨性能にも優れ、評価機関INDEGEから”Good Deinkable”を獲得している。





2013年度(第24回)
三菱製紙株式会社
『プロダクションインクジェットプリンター用コート紙「SWORD iJET」の開発』
受賞理由:オフセット印刷機用コート紙とインクジェットプリンター用専用紙の技術融合によるコート紙である。高いインク吸収性と発色性に加えインク定着性も良いため、印刷速度を高く設定でき、乾燥温度を低く設定できるためエネルギーコストを抑えることができる。また、オフセット印刷、折り、製本などの後工程にも十分に耐え、ほぼすべてのプロダクションインクジェットプリンターに対応している。コストを抑えつつ市場要求を満たすことにより潜在需要に大きく応えた製品として反響は大きいと思われる。





株式会社リコー
『 AC転写技術』
受賞理由:転写に交流を印加する技術は、従来より知られていたが、空気の絶縁破壊電界近傍の交流高電界という高い電界の利用を実用化したことは評価できる。また、有効性の解析も十分に実施しており、困難な技術化を科学的アプローチで実施したことも評価できる。エンボス紙等、これまで困難だった凹凸紙への転写を可能にした社会的インパクトも認められる。




東芝テック株式会社
『 Loops(用紙リユースシステム)』
受賞理由:短時間で消色できるマイクロカプセル色材を用いた低温定着トナーの新規開発をはじめとして複数の技術ハードルを乗り越えて達成したシステムとして高い技術達成度が感じられる。消色システムにスキャナーを組み込むことにより文書データ保存機能とともに用紙再利用可否判断機能も受け持たせたアイデアおよびコンセプトも秀逸で、ユーザーの利便性が高い製品完成度を実現している。e-Blueと比較して、消色が大幅に簡略化され、特定ユーザーに対する貢献だけでなく、電子写真技術の環境面の技術的進化の好例を示した点に関して、社会的インパクトは十分認められる。





2012年度(第23回)
富士ゼロックス株式会社
『プロダクションプリンタColor1000Press用インライン画像センサの開発』
受賞理由:用紙姿勢制御技術,動的再構成可能プロセッサを用いたリアルタイム処理などによりインライン画像検出,処理を可能とした技術が評価できる。従来の0次元的プロセスコントロールから多次元の検出制御を可能とした初めての技術として高く評価できる。小ロット多品種印刷の領域で期待される電子写真方式が従来の伝統的印刷技術に対する代替技術として広く用いられるために必要な画質の確保と維持に関して強力な保証手段を提供するものとして社会的意義も高い。





株式会社SIJテクノロジ
『スーパーインクジェット技術の開発と実用化』
受賞理由:独自の電界集中型静電方式による超微小液滴形成技術は、従来技術からの飛躍度と描画パターンの微細化(既存インクジェット技術の1/10程度)やインク選択自由度の高さなどの効果の点で極めて優れている技術と評価できる。インクジェット液滴の微細化という点で技術的注目を集めるだけでなく、デジタルファブリケーションなど最も着目されている技術領域に対しての影響力が極めて大きく、研究開発分野での実績も蓄積されてきている。今後の発展が期待できる技術である。

株式会社リコー
『リライタブルレーザシステムの開発』
受賞理由:サーマルリライタブル技術の欠点であった紫外線による画像劣化を保護層の開発、書き込み時の過熱を防ぐ文字作成アルゴリズムの開発など、ロイコ染料ベースのレーザーサーマル記録の特徴を生かした技術を実用化しており、従来の感熱記録方式から格段にロバストで耐久性の良いシステムをまとめ上げたことは高く評価できる。物流システムにおける画期的な業務効率化が図れるだけでなく、CO2削減などの社会的意義も大きい。





2011年度(第22回)
セイコーエプソン株式会社
『中空粒子を用いた水性白色インク搭載のインクジェットプリンタ』
受賞理由:受賞者は、水性白色インクを搭載したインクジェットプリンタPX-W8000 を発売している。開発された新しいインクは、水性白インクであり、その白さを表現する色材には中空粒子を用いている。中空粒子は、1.0 µm以下の球状のアクリル樹脂粒子であるが、その名の通り中心部が空洞になるような構造を有しており、ポリマー部の「殻」と中心部の「空」部分との間で生じる光の屈折率の差を利用して白く見えるように設計されたものである。この中空樹脂粒子を用いることで、
① 従来技術である二酸化チタンと遜色のない白色度、遮蔽性を得ることができる。
② 比重が小さく、沈降速度が遅いことから、沈降を回避させるための新しい制御機構をプリンタ本体に必要とせず、従来からのインクジェットプリンタの仕様をそのまま適用することができる。中空粒子の沈降速度は二酸化チタンのそれに比べ、およそ10 分の1 程度である。
③ メンテナンスや、印刷するにあたり特別な操作方法などスキルを必要としない。
④ 環境に配慮した水性インクであり、プリンタ設置場所に特別な換気設備を必要としない。
ような特徴を有する製品が可能になった。




コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社
『鮮やかな色再現でVividな価値を提供することに挑戦したハイクロマトナーの開発』
受賞理由:独自のハイクロマトナーを技術開発し、フルカラーデジタル印刷機bizhub PRESS C65hc/bizhub PRESS C70hcに搭載して商品化している。従来の電子写真技術やオフセット印刷では、再現が難しかったマゼンタからブルー、グリーン領域を新規なCMYKトナーにより大幅に拡大しsRBG色域に近い色再現を実現している。sRGBの色領域に適した色相と彩度の大幅向上を達成するため、銅キレート型のマゼンタ色材、フタロシアニン型のシアン色材を開発し、色材分散技術と発色プロセス設計および新規なラテックス設計によりハイクロマトナーを開発している。マゼンタ色材のキレート型染料は、キレート色素形成色素と金属イオン供給化合物とのキレート錯体形成反応を利用し、キレート色素形成色素および金属イオン供給化合物を最適に設計することにより、分光吸収特性や堅牢性の向上を同時に行うことを可能にしている。シアン色材としては、顔料であり、堅牢性に優れた、銅フタロシアニンが一般的に広く用いられている。ここでは、様々なシアン色材を検討し、最終的に銅フタロシアニンの中心金属を軸配位子を有する原子に変更し、色相の変更と明度、彩度の向上を達成している。本技術により、従来のオフセット印刷や電子写真印刷では実現できなった付加価値の高い色鮮やかな印刷物を、簡便かつ容易に提供することが可能になった。





キヤノン株式会社
『ワンパスフォト印刷を実現したDreamLabo 5000の技術』
受賞理由:インクジョットは、インク滴を吐出する多数のノズルをコンパクトなプリントヘッドに配列し、用紙に非接触で描くことが可能である。このため、シリアルプリンタの形態に適しており、安価に高画質なプリンタとして普及してきた。一方、用紙幅にプリントヘッドを固定し、そのノズル直下、用紙をワンパスで搬送しプリントする、ラインプリンタも登場してきている。これらの飛躍的な生産性でプリントが可能な一方、高画質化という点では原理的に課題を抱えている。従って、従来のインクジェット技術は高画質と高生産性を高いレベルで両立することは技術的に困難で、このような機器は存在しなかった。
受賞者ら2011年に発表したDreamlabo5000は、高速なプリントが可能なラインプリンタでワンパス記録でありながら、飛躍的に高い写真画像をも両立させた業界初の業務用フォトプリンタである。プリンタヘッドには、個々のノズル形状と配置の高精度化、最適化に加え、プリント幅1インチあたり約1万個のノズルを高密度に配置したプリンタヘッドを新開発し、このヘッドを7本(7色分)搭載している。冗長な数のノズルを持つことにより、個々のノズルのごくわずかなゆらぎやはらつきは画像上で打ち消され、大幅な画質の向上が達成されている。インクは、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色に、フォトシアン、フォトマゼンタ、グレーを加えた7色の染料インクを採用し、広い色域と滑らかな諧調性を達成している。プリンタ本体にも用紙の高精度搬送技術、自動両面機構、自動メンテナンスシステムが開発、導入されている。





2010年度(第21回)
ブリヂストン株式会社
『電子粉流体を用いた高速応答型電子ペーパー「AeroBee」』
受賞理由:電子粉粒体を用いた高速応答型電子ペーパー” AeroBee”はバックライトを使用しない全反射型で、かつ、表示した画像は電源を切っても消えないメモリー性を有する、今までになかった新しいディスプレイである。新規に開発された電子粉粒体は流動性が極めて高く、高速応答性(0.2 msecで白黒の切り替えが可能)を有している。さらに、メモリー性を有することから使用時の消費電力が極めて低い特長を有している。このため、このディスプレイは、広い応用分野、例えば、リテール分野、FA分野、オフィス分野、広告分野ですでに実用化されており、今後とも電子情報分野など紙を大量に消費する分野でディスプレイとして使用でき、電子ペーパー技術に寄与するところ大である。





富士ゼロックス株式会社
『新規EA-Ecoトナーの開発』
受賞理由:従来のEA (Emulsion Aggregation)トナーよりも定着温度が約20℃低いEAEcoトナーを開発している。EA-Ecoトナーは、温度に対してシャープに粘度が変化する特性を持たせることで、低い温度でも粘度が十分低くなり、最低定着温度を従来トナーより約20℃下げることを達成している。これを、新規に開発した温度に対し急峻に溶けるシャープメルトポリエステルと、緩慢に溶けるノーマルポリエステルを独自の乳化凝集の技術によって、トナー内部に最適立体配置させることにより実現している。また、EA-Ecoトナーは、従来のEAトナーと同じように、ワックスを内包する完全なオイルレストナーであり、さらにシャープな溶融特性により、用紙の光沢に追随する光沢再現性を実現している。このように低定着温度と高光沢再現性を両立させたEA-Ecoトナーの使用により、EAトナーに比べ、光沢モードで約40%の消費電力を削減でき、CO2排出削減に大きく寄与している。EA-Ecoトナーは、すでに700 Digital Color Pressをはじめ12機種に搭載され実用化されている。





2009年度(第20回)
アルプス電気株式会社
『1パスフルカラーダイレクトサーマル記録システム(ZINK)の実用化』
受賞理由:1パスでフルカラー画像を出力するフルカラーダイレクトサーマル記録システムを実用化した。シアン層、マゼンタ層およびイエロー層からなる積層フルカラー感熱記録紙に加熱記録するときのサーマルヘッドおよび温度制御の最適化により小型薄型の機器組み込み型フルカラープリンタを実現した。本技術は従来のフルカラー熱記録に必要なインクリボンを不要にし、1パス記録を可能にしたことは、NIP技術の進歩に大きく寄与するものである。





2008年度(第19回)
キヤノン株式会社
『透明トナーによる電子写真画像表現多様化への挑戦 imagePRESSC1+』
受賞理由:本技術はコート紙のグロスと等価なフラットグロス再現に加え、透明トナーによる部分マット/グロス効果や質感のある画像再現を可能にした。具体的にはフルカラー画像上に透明トナーを載せて一度に定着する1パス定着と、フルカラー画像を定着後、透明トナー像を重ねて作成し定着する2パス定着によりマット/グロス効果を実現した。



富士ゼロックス株式会社
『自己走査型LEDを用いた1200dpiLEDカラー複合機の開発』
受賞理由:従来のLEDプリントヘッドの課題を高解像度化と同時に解決し、ROSと同等以上の性能で、かつ小型化、低騒音化を実現した。高解像度自己走査機能を有する1200dpi SLED 技術と発光ドットを高精度に露光補正、制御する高機構ドライバASICの開発で高解像度、高画質で小型なLEDプリントヘッドの開発に成功した。本技術は従来のLEDプリントヘッドのトレンドを大きく変え、電子写真の進歩へ大きく寄与するものである。





2007年度(第18回)
株式会社アルバック・コーポレートセンター
『独立分散金属ナノ粒子インクを用いたインクジェット印刷による導電膜形成 』
受賞理由:デジタル・ファブリケーション技術の主たる応用分野である回路形成に独立分散金属ナノ粒子インクを用い、インクジェット技術の適用を可能にした点、ナノ粒子の高分散性能をユニークな作成方法で確立している点が評価できる。また、回路形成上の工程短縮、環境負荷低減、省資源など従来の生産技術を革新する示唆的技術であり、社会的意義も大きい。





京セラミタ株式会社
『エコロジー対応A3カラータンデムMFP KM-C4035Eシリーズ機の開発』
受賞理由:a-Siドラムの長寿命化にあわせ、ベルト、現像器、帯電ローラーなどの主要デバイスの寿命を30万枚に引き上げた技術開発は高く評価される。中でもDCプラズマCVD法による a-Siドラムの製法は新しいコンセプトに基づいており、性能、製造品質、コストの面で非常に優れている。また、環境配慮型エンジンの製品化は社会的価値も高いと判断する。





2006年度(第17回)
花王株式会社
『新規粉砕法による高速高画質オイルレス対応ポリエステルトナー』
受賞理由:本トナー開発において、オイルレスおよび小粒径化対応として、ワックスの高分散化が可能なオープンロール混練を導入、さらに新たな技術アプローチとして、シリカでコーテングしながら粉砕・分級を行なうシリカプレコン法を導入することにより、従来困難とされていた粉砕法による粒径5.5ミクロンの非磁性一成分現像対応のフルカラートナー製造技術を確立している。本技術の確立により、粉砕法でも小粒径化を含めた更なる高度な微粒子作成技術が可能であることを示すことができ、そして、小型、オイルレス、高速、高解像度、高耐久のすべてを満足する高付加価値プリンタの提供が可能になり、顧客および業界全体へのインパクトも大きいと判断された。




パナソニックコミュニケーションズ株式会社
『カラーIH 定着器の加熱幅制御技術』
受賞理由:複合機においてエネルギー消費効率を大幅に向上させるためには、定着器の余熱動作を不要とすることが不可欠である。本技術のカラーIH定着技術で、世界最速のウォームアップ時間15秒の高速立ち上げを実現することにより、余熱動作を不要とすることが出来、高いエネルギー消費効率を得ている。この高速立ち上げを実現するためにはIHの加熱幅制御技術が不可欠である。非磁性の加熱体を用い、インナコアによる加熱幅を制御する技術は独創性に富み、その効果も優れた実用性が実証されている。





2005年度(第16回)
株式会社東芝
『消せるトナー「e-blueTM 」の開発』
受賞理由:本技術は、電子写真プリンタに用いる消去可能なトナーに関するものである。このトナーは、ロイコ色素と顕色剤が化学結合して発色した色材を含有している。加熱により、色材は無色のロイコ色素と顕色剤に分離し、無色状態が保たれる。専用の消去用装置では、500枚の紙を一括して消去することができる。消去に必要な電力は紙1枚当たり1.1Whであり、紙をリサイクル使用するより環境負荷が小さい。本研究に係るトナーは通常のPPC用紙に画像を記録することができ、社内での試験では、用紙の使用量を約60%削減するという効果を確認した。社会的な反響も大である。





富士ゼロックス株式会社/富士写真フイルム株式会社
『冷却剥離による高面質定着装置MACSの開発』
受賞理由:本技術は、写真出力を可能にした電子写真方式のプリンタ・複合機に関するものである。電子写真が写真の市場に参入するためには表面品質(面質)の向上が必須であると考え、冷却剥離を用いたMACS技術を開発した。ここに新規に開発した専用紙を併せて用いることにより、電子写真方式による高画質のデジカメプリントを可能にした。本研究で開発した冷却剥離技術は無端ベルトを利用したユニットとしてコンビニエンスストア向けのデジタルカラー複合機に搭載され、社会的な反響も得ている。





2004年度(第15回)
株式会社リコー
『電気二重層キャパシタ補助電源による省エネ定着技術』
受賞理由:本研究の技術は、電気二重層キャパシタを補助電源として用いることで無駄な電力消費を防ぎ、省エネルギーを達成するものである。電子写真方式高速複写機において復帰時間(ウォームアップタイム) 10秒を達成した。環境負荷の低減化が要請されている今日の技術事情に通じている。本技術は電池に替わる新しい蓄電デバイスとしての位置付けでも有用であるが、本件は特にプリンタに最初に搭載されたものとして特筆される。社会的な反響も大である。




富士ゼロックス株式会社
『面発光VCSELを用いた2400dpiレーザ露光装置の開発』
受賞理由:本研究の技術は、電子写真方式レーザプリンタに用いる半導体レーザ露光機構部に関するものである。32ビーム発光源を持つ面発光型半導体レーザとレーザ駆動用ICを同時に開発することにより、2400dpi、100枚/分の出力性能を得ることができた。解像度とプリント速度の両者を同時に向上させて実用化に結びつけた技術力は評価に十分値する。また、本技術は、デジタルカラー複合機、カラー・オンデマンド・パブリッシング・システム等に搭載されており、社会的な反響も得ている。




2003年度(第14回)
京セラミタ株式会社
『世界最小カラータンデムプリンタFS-5016Nの開発』
受賞理由:小型LEDヘッドを代表とする新規デバイスの開発によるカラー高画質化の実現、デバイスの長寿命化による圧倒的な印字コストの低減、さらにコンパクト設計によるクラス最小/最軽量の小型化を達成し、カラー機の普及に貢献した。
塚原 茂樹(つかはら しげき)、大庭 忠志(おおば ただし)、佐藤 孝幸(さとう たかゆき)、坂田 昌一(さかた しょういち)、神山 雄二(かみやま ゆうじ)
東芝テック株式会社
『電磁誘導加熱による定着器の開発』
受賞理由:高効率で、従来に無い様々な特徴を持つ、電磁誘導加熱(IH)を熱源とする定着器を開発し、世界で初めて製品に搭載し、電子写真装置の省エネルギー化の新しい方向性を示した。
高木 修(たかぎ おさむ)、木野内 聡(きのうち さとし)
キヤノン株式会社
『カラーIH(電磁誘導加熱)定着方式の開発』
受賞理由:スリーブの採用やコア・コイル校正など、電磁誘導熱源と被加熱部材双方の改善によりウォームアップ時間を16秒以下にたんしゅくし、消費電力も大幅に低減している。また、カラー機にまで電磁誘導加熱技術を展開し、社会的な反響を得ている。
谷川 耕一(たにがわ こういち)、竹内 昭彦(たけうち あきひこ)、真野 宏(まの ひろし)、安部 篤義(あべ あつよし)、林崎 実(はやさき みのる)
2002年度(第13回)
キヤノン株式会社
『注入帯電クリーナーレスシステム』
受賞理由:磁気ブラシ帯電を採用することでカラー機においてクリーナーレスシステムを実現した功績は大きく、また、環境対応低ランニングコストの実現は評価に値する。
里村 博(さとむら ひろし)、渡辺 毅(わたなべ つよし)、小林 克彰(こばやし よしあき)、竹田 篤志(たけだ あつし)
株式会社リコー
『高速カラーレーザープリンタIPSiO Color 8000/8100シリーズの開発』
受賞理由:新規電子写真要素の技術を確立し、さらに、ユニークな作像エンジン配置と周辺技術によりモノクロと同等な省スペース高速カラープリンタを構築し、高速プリントと低価格の実現により、カラープリンタの普及に貢献した。
司城 浩保(しじょう ひろやす)、柳澤 孝昭(やなぎさわ たかあき)、中原 知利(なかはら ともとし)、安井 元一(やすい もとかず)、佐藤 眞澄(さとう ますみ)
富士ゼロックス株式会社
『高画質と低環境負荷を両立する乳化重合凝集法トナー(EAトナー)の技術開発』
受賞理由:乳化重合法による小粒径オイルレスカラートナーを開発し、高画質化をいち早く達成し、粉砕トナーの限界を打ち破る電子写真技術の新たな発展の方向を示した。また、環境負荷低減の実現で大きな社会的反響を得た功績は高く評価される。
松村 保雄(まつむら やすお)、鈴木 千秋(すずき ちあき)、石山 孝雄(いしやま たかお)、赤木 秀行(あかぎ ひでゆき)、百武 信男(ひゃくたけ のぶお)
2001年度(第12回)
富士ゼロックス株式会社
『オンデマンドカラープリンティングシステムColor DocuTech 60の開発』
受賞内容:中間ベルトを利用した電子写真4連タンデム方式および新規な用紙搬送定着システムや画像制御技術などを採用し、高画質化、用紙汎用性の拡大ならびに低ランニングコストを実現した。また、カラー画質のベンチマーク機として認知されるなど、社会的にも反響を得た。
高木 純(たかぎ じゅん)、齋藤 秀夫(さいとう ひでお)、松村 拓夫(まつむら たくお)、森田 章一(もりた しょういち)、今井 孝史(いまい たかし)
株式会社沖デジタルイメージング
『高速高密度1200dpiLEDプリントヘッド』
受賞内容:独創的な技術に基づき発光効率の極めて高いLEDアレイチップを開発し、次世代ディジタルカラープリンターやディジタル複写機のプリントヘッドに必要とされる高速・高密度対応で低消費電力かつ高輝度を達成し、オフィスネットワークや軽印刷分野でのプリンティングの利便性を大きく高めた。
中谷 真澄(なかたに ますみ)、小泉 真澄(こいずみ ますみ)、登 正治(のぼり まさはる)、遠山 広(とおやま ひろし)、中村 幸夫(なかむら ゆきお)
2000年度(第11回)
富士ゼロックス株式会社
『高画質フルカラープリンタ・複合機 Docucolor 1250/1255シリーズの開発』
受賞内容:濃度斑の抑制、細線文字の再現性向上、各色間の再現一ズレの抑制、スクリーン設計自由度の増大等を独自の技術により実現し高画質化と高速化を兼ね備えたフルカラーぷりんた・複合機を製品化した。
池田 周穂(いけだ ちかほ)、袴田 厚(はかまだ あつし)、金谷 真一(かなや しんいち)、蛯谷 賢治(えびたに けんじ)、木村 努(きむら つとむ)
京セラミタ株式会社
『電子写真OPC用高性能電子輸送材料の開発』
受賞内容:独自に電子輸送材料の開発を行い、材料技術分野の進展に寄与するとともに、これを用いて、従来、困難であった単層型の電子輸送型OPC感光体を実用化した。
水田 泰史(みずた やすふみ)、岡田 英樹(おかだ ひでき)、菅井 章雄(すがい ふみお)、渡辺 征正(わたなべ ゆきまさ)、横山 正明(よこやま まさあき)
1999年度(第10回)
松下電器産業株式会社
『消耗品をオールインワンカートリッジ化したカラーレーザプリンタ』
受賞内容:従来のカラーレーザプリンタの大きな課題を、エンジン部をオールインワンカートリッジ化することにより解決した。
山本 肇(やまもと はじめ)、寺田 浩(てらだ ひろし)、片伯部 昇(かたかべ のぼる)、浦田 嘉人(うらた よしひと)
富士ゼロックス株式会社
『Color Laser Wind 3310 「カラー高画質化技術」』
受賞内容:トリクル現像技術、中間ベルト転写技術、WDD感光体/転写ベルト駆動技術を駆使して、電子写真方式フルカラーレーザプリンタの高画質および画像安定性を実現した。
増渕 富志男(ますぶち としお)、内田 敏夫(うちだ としお)、奥野 辰男(おくの たつお)、浜部 幸志(はまべ こうじ)、稲葉 隆治(いなば りゅうじ)
キヤノン株式会社
『デジタルフルカラー用重合トナーの実用化』
受賞内容:フルカラー用重合トナーを開発することにより、定着オイルを用いない電子写真方式のフルカラー複写機、フルカラープリンタを製品化した。
山崎 益夫(やまざき ますお)、内山 正喜(うちやま まさき)、谷川 耗一(たにがわ こういち)
1998年度(第9回)
山梨電子工業株式会社
『有機感光体の光感度制御技術』
受賞内容:積層型有機感光体で電荷発生層を蒸着膜で製作し、電荷輸送層を塗布する前にこれを浸漬処理する、再現性と安定性を有する高光感度化と光感度の制御技術を開発し実用性を確保した。製造工程で有機溶媒を削減できる環境に優しい技術である。
藤森 研一、鶴田 文紀、中山嘉太郎、大森 幸雄、土肥 一仁
富士ゼロックス株式会社
『高精度カラーマッチング技術(フレキシブルGCR,3D-ACCT)』
受賞内容:3入力ー4出力(シアン、マゼンタ、イエロー、墨)の色変換処理において、任意の墨置換(GCR)率において色再現を一定にするアルゴリズムを開発し、色再現制度を向上させビジネス文書から写真、印刷物、イラストなどの大幅な品質向上を実現した。
小勝 斉、喜多 伸児、村井 和昌、日比 吉晴、松尾 康博
沖電気工業株式会社
『1200dpi高発光効率LEDヘッド』
受賞内容:従来のLEDヘッドに比較し1桁以上の高い発光効率を持つ高密度の1200dpiのLEDヘッドを開発し、その量産性と実用性を確認している。電子写真方式のプリンターの省エネルギー技術として有用である。
荻原 光彦、中村 幸夫、濱野 広、谷中 真澄
1997年度(第8回)
富士ゼロックス株式会社
『高精度タンデム・カラー・レジストレーション技術』
受賞内容:印刷機に比べて遙かにコンパクトな4連タンデム構成では、カラーエンジン、用紙搬送ベルトなどの可動構成要素の動きを精密制御することが、印刷に匹敵する画質を得る上に必須であり、プロセス方向と直交する方向のそれぞれについて新規制御技術及び材料を開発、A4横・片面毎分40枚の出力速度で、位置合わせ精度平均60μmを実現した。
岡村 昭夫、小林 健一、城戸 衛、 伊藤 昌夫、坂巻 克己
日立工機株式会社
『マルチビーム斜め走査技術による超高速レーザープリンタ』
受賞内容:シングルビームによる出力速度の限界を打破するため、回折格子を用いた印字歪みの少ない4ビーム斜め走査光学系を開発、A4換算219ページ/分の出力速度を持つ600dpi、印字幅17インチのプリンタにまとめた。
片岡 慶二、柴山 恭之、広瀬 洋二、横川 秀穂
1996年度(第7回)
株式会社東芝、株式会社テック
『一成分非磁性現像を用いたクリーナレスプロセスの開発』
受賞内容:新規設計された現像ローラー、非磁性トナーなどに基づく一成分現像により、トナークリーニングを不要として、極めてコンパクトで高性能なプリントエンジンを開発、電子写真による環境対応の方向を示した。
細谷 雅弘、大高 善光、三枝 久芳
アルプス電気株式会社
『高精細600dpi溶融熱転写印刷技術』
受賞内容:溶融サーマル記録系の記録ヘッド、制御方法、記録材料すべての精度を向上させることで、従来で不可能だった600dpiの解像力を実現、普通紙上で印刷に近い画質を達成した。
白川 享志、寒川井 伸一、寺尾 博年、大上 晃正、日比野 郁夫
1995年(第6回)
セイコーエプソン株式会社
『MACH-Jet技術の開発』
受賞内容:ピエゾシートと電極を約20層積層した新ピエゾ素子を開発して小型で大きなインク飛翔力と高い制御性を有するインクジェットヘッドを実現し、高画質、低価格のカラーインクジェットプリンターを実用化した。
碓井 稔、両角 正幸、山口 修一、奥村 資紀、中村 隆志 (情報画像事業本部)
富士ゼロックス株式会社
『ハイライトを重視した新規スクリーン技術”HIEST”』
受賞内容:デジタル処理されたハーフトーン・スクリーン技術と視覚特性を考慮してハイライト部分(低濃度領域)のスクリーン線数を半減することにより、ハイライト部の再現性、安定性を飛躍的に高め、高速デジタルフルカラー複写機に搭載して実用化した。
織田 康弘、新井 和彦、岩岡 一浩、服部 雅夫 (総合研究所)
ミノルタ株式会社
『ブックスキャナにおける歪補正技術』
受賞内容:ブックコピーの際のピントずれと画像歪みを、距離計測、形状計測、デジタル処理技術により解決し、原稿上向き静電複写機に搭載して実用化した。
唐崎 敏彦、松田 伸也、沖須 宜之、藤井 真一、掃部 幸一 (高槻研究所)
1994年度(第5回)
株式会社リコー
『高分子/低分子複合型熱可逆記録材料の開発』
受賞内容:脂肪酸系の長鎖アルキル基を有する低分子物質を塩化ビニル系樹脂中に分散し、加熱温度により透明状態もしくは白濁状態を可逆的に変化させることができる記録材料を開発した。また、この可逆変化の基本的機構を解明し、透明化温度範囲の拡大、繰り返し耐久性の向上などにより品質と信頼性を向上させ、書換可能なカードとして実用化した。
堀田 吉彦、鈴木 明、小長谷川 行夫、久田 見篤、久保 敬司 (化成品事業本部)
富士写真フイルム株式会社
『TA方式フルカラーハードコピーシステムの開発』
受賞内容:ジアゾニウム塩化合物を発色要素とした光定着可能な感熱記録材料と電子供与性染料前駆体を発色要素とした感熱記録材料を複合させ、画像の熱記録と光定着を交互に繰り返すことによりフルカラー画像を記録する方法を開発、実用化した。温度により物質透過性が変化するマイクロカプセルを用いてジアゾニウム塩化合物の不安定性を解消した点に特徴がある。この記録材料を用いたTA(サーモ・オートクローム)方式ビデオプリンタの商品化を達成した。
宇佐美 智正、五十嵐 明、石毛 貞夫、佐藤 正倫、高山 倫敏 (富士宮研究所・電子映像事業本部)
松下電器産業株式会社
『感光体内部磁石を応用した小型一成分現像方法』
受賞内容:新開発の磁性トナーを感光体内部の磁石により感光体全面に付着させた後、不要なトナーだけを回収ローラにより除去してトナー像残す磁気カスケード現像法を考案した。高画質画像が得られ、また、トナー回収ローラはトナーを担持せずに回転するのでトナー飛散による汚れが無いなどの特徴を有する。普通紙ファクシミリに搭載し実用化した。
山本 肇、寺田 浩、久田 均、林 一雅、湯浅 安仁 (開発本部商品技術開発センター)
1993年度(第4回)
株式会社リコー
『省スペース高画質デジタルフルカラーPPCの開発』
受賞内容:転写ベルトを用いることによりデジタルフルカラー複写機の省スペース化を実現し、ローラ転写と各種の制御により画質の安定性向上を図った。さらに、新しい像域分離法により網点検出能力の向上や色相分割マスキング法による色補正技術により忠実な色再現と鮮明な画像を得た。この技術はデジタルフルカラー複写機として、スピード、小型化、高画質を総合的に実現しており、システム性能や技術の完成度が高い。
美才治 隆、河石 康則、伊藤 啓徳、今尾 薫
日立工機株式会社
『高速レーザビームプリンタ用半導体レーザ光学系の開発』
受賞内容:高速レーザビームプリンタとして、初めて半導体レーザを適用し、光学系の小型化を測るとともに、高精度なビーム走査を実現する光学系技術を開発した。2ビーム平行走査によるポリゴン回転数の半減ビーム走査の安定化技術により、光学系の高速化と高精細化を実現し、さらに、走査用新非球面レンズを開発して広画角と高解像度を実現した。その結果、印刷速度100頁/分以上の高速プリンタを製品化した。この技術はマルチビーム走査の採用と光学系を含めた総合的設計によりレーザビームプリンタの高速化を実現したものである。
望月 健至、名倉 真、清野 稔、有本 昭、斉藤 進
1992年度(第3回)
株式会社リコー
『4ドラムデジタルカラー電子写真システム』
平倉 浩治、永原 康守、長谷部 光雄
富士ゼロックス株式会社
『高画質デジタルカラーゼログラフィー技術』
滝口 孝一、田中 公一、古谷 一明、寺尾 和男、深瀬 康司
キヤノン株式会社
『ウエイトレス熱定着システムの開発』
山本 明、草加 健作、細井 敦、丸田 秀和、木村 茂雄
1991年度(第2回)
ミノルタカメラ株式会社
『レーザ強度変調画像再現システムの開発』
古村 勝、福井 一之、山田 孝信、服部 好弘、荻野 繁夫
富士ゼロックス株式会社
『1パス2カラー電子写真プロセス技術』
丸山 和雄、野網 恒雄、済川 健、足立 康二、古谷 信正
キヤノン株式会社
『帯電ローラ/転写ローラシステムの開発』
荒矢 順治、大関 行弘、奥田 幸一、木須 浩樹、中村 俊治
1987年度(第1回)
株式会社リコー
『高感度積層型OPC感光体の開発』
橋本 充、佐々木 正臣、筒井 恭治、太田 勝一、小島 明夫
ミノルタカメラ株式会社
『バインダ型小粒径キャリアを用いた現像システム(マイクロトーニング方式)』
田嶋 紀雄、田中 晋、岡 建樹、田淵 健二
キヤノン株式会社
『OPCとジャンピング現像を用いたカートリッジシステム』
二反田 宏、斎藤 敬、木内 正志、石田 昇三、本田 晴久、三橋 康夫
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