複写機遺産第13号

リコー リファクス 600S

世界初、全システムをデジタル処理した民生用高速ファクシミリ
The world’s first high-speed consumer digital facsimile with all systems digitally processed
 

発売年 :1974年
方 式 :湿式静電記録方式
伝送・印刷速度:1枚/分(A4)
所在地 :東京都大田区 株式会社リコー
リコー本社 1F

【学会誌へのリンク】
 63 巻 4 号 p. 356-359 (2024)
https://doi.org/10.11370/isj.63.356

リファクス600Sは,公衆回線網に接続する世界初の一般事務用高速デジタルファクシミリとして,1973年,日米間での通信実験でその高速性と先進性を世界へ大きくアピールし,デジタル化の先駆けとなった.これを機に,ファクシミリは,専用回線を用いた特定業務用から公衆回線網を用いた一般事務用へと拡大した.

当時,ファクシミリはアナログ方式が主流で,A4原稿の伝送に6分を要した.これに対し,システム制御(原稿読取り,データ処理,伝送,出力)を全てデジタル処理し,A4標準原稿をアナログ方式の6倍の速さとなる1分での伝送を達成した.また本技術を基礎とした伝送プロトコルは1980年に国際標準化(T.30)された.

原稿読取りはピンホール回転方式で,平らな原稿の像を、回転ディスク面上に結像し,ピンホールを通した光をフォトトランジスタで電気信号とするもので,CCD以前の先駆け技術だった.用紙への記録はマルチスタイラスヘッド(多針電極)を用いた湿式静電記録方式を採用し,臭い・粉塵・電気ノイズ低減を実現した.また,この記録方式を実現するための静電記録紙も同時に商品化した.

原稿読取り,記録,コピーといった複合機の基本機能が,このファクシミリで発展した.我が国の通信分野に大きな貢献をしたとともに,世界の先進的なデジタル技術発展の礎を築く第一歩となった

 
 


 
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