複写機遺産第02号

富士ゼロックス 914

製造年 :1962年
方 式 :乾式電子写真方式
複写速度:7枚/分(B4/B5/A4/A5)
所在地 :神奈川県南足柄市 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 技術歴史館(塚原研修所内)

【学会誌へのリンク】
58 巻 1 号 p. 71-73 (2019)
https://doi.org/10.11370/isj.58.71

「914」は,世界初となる事務用普通紙複写機として,米国ゼロックス社の前身となるハロイド社で1959年に開発された.国産化への準備は,1961(昭和36)年から始まり,日本に移送された2台の「914」の分解・点検,構造や部品機能の精査,さらに,富士写真フイルムおよび富士写真光機の技術者がランク・ゼロックス社に赴いての国産化へのノウハウ獲得などを経て,1962年9月に1号機が完成した.並行して,国産部品による生産の準備が進められ,1963年1月には生産拠点となる岩槻光機での本格生産開始に至った.

国産化では,米国規格に沿っていた図面をJIS規格に準ずる形にするなどの課題があったほか,夏場の高温多湿・冬の乾燥という日本特有の環境への対応や,漢字文化の日本では欧米に比べて細い線が多く,解像力に関してもより高度な性能が求められた.ラピッドスタート式蛍光灯など,当時最先端の技術を多数搭載し,また多くの協力会社の技術が支えとなってこれらの課題を解決し,国産化を達成した.

1962年に富士ゼロックスが設立され,機械ではなく,コピーという〝効用〟を売る理念の元に,当時画期的であったレンタル方式を採用して販売にあたった.市場での「914」の評価は高く,販売開始後5年間で当初目標の2倍以上となる5000台超を設置する実績をあげた.

 
 


 
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