複写機遺産第10号

三田工業 コピスター211

製造年 :1969年
方 式 :EF感光紙を用いた湿式直接現像方式
複写速度:4枚/分(A4)最大A3,ブック原稿複写可
所在地 :大阪市中央区 京セラドキュメントソリューションズ株式会社

【学会誌へのリンク】
 61 巻 4 号 p. 337-339 (2022)
https://doi.org/10.11370/isj.61.337

コピスター211は,1969年に発売された,三田工業(現:京セラドキュメントソリューションズ)が独自に開発した湿式EF(Electro Fax)複写機である.1960年代はゼロックス社のPPCに対抗すべく,各社がEFの開発に取り組んだ時代であった.EF開発に関しては,オーストラリア政府が保有する湿式現像方式の特許に抵触しないことが必要であった.しかし当時リコー社がこれを独占取得したため,当社は改めて独自の湿式EF技術による開発が必要となった.

当社は,揮発性の少ない溶液を用い,顔料分散安定性や定着性向上に着目し,工夫をこらした独自技術を開発する事で量産化を実現した.またこの独自現像液を開発する過程で,青,黒,赤,茶の4色がコピーできる現像液の開発にも成功し実用化を行った.

コピスター211の特徴は,原稿通過方式にある.原稿台上部を取り外し,付属の補助部材を装着する事でブック原稿などの立体物を移動させる事も可能となり,立体物のコピーを可能とした事である.

加えて当時としては圧倒的にコンパクトな設計でありながら,A3サイズまでコピーする事ができ,さらに立体物もコピーできる事から多様な顧客開拓に貢献したマシンである.

 
 


 
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