複写機遺産第12号

キヤノン LBP-10

世界初の半導体レーザビームプリンタ
World’s First Semiconductor Laser Beam Printer
 

製造年 :1979年
方 式 :半導体レーザ+NP電子写真方式
複写速度:9.5枚/分  (A4)
     10枚/分 (LTR)
所在地 :東京都大田区 キヤノン株式会社

【学会誌へのリンク】
 63 巻 4 号 p. 352-355 (2024)
https://doi.org/10.11370/isj.63.352

1979年4月,キヤノンはそれまでのHeNe(ヘリウムネオン)レーザではなく,半導体レーザを世界で初めて使った卓上型のレーザビームプリンタLBP-10を発表した.LBP-10は当時のレーザビームプリンタの10分の1である195万円という大幅な低価格を実現するとともに,小型化にも成功した.

小型化に大きく寄与した半導体レーザは,当時開発されたばかりであり,熱に弱かった.これをペルチェ素子で冷却する独自のパッケージを開発し,使いこなした.

記録方式は複写機NP-1100に搭載されたキヤノン独自のNP方式であるもののそのままでは使えなかった.HeNeレーザの赤色光に対し半導体レーザは赤外光である為,感光体の赤外増感が必要であった.

また,画質やレーザ寿命の観点から,画像部を露光するイメージ露光を採用した.これは背景部を露光する複写機とは異なる為,帯電極性が逆の現像剤の開発も必要であった.

このようにLBP-10は新規技術や,これまでの資産は使えなくとも原理的に優れた技術を取り入れた.その技術やチャレンジ精神は,後継機において踏襲され,さらなる進化が図られた.

1984年に発売されたLBP-CXは,もっとも消耗の激しい感光ドラム・現像器等をカートリッジ化することでメンテナンスフリーを実現した.進化を続けラインナップを増やしたレーザビームプリンタは,パーソナルコンピュータの普及と相まって,オフィスに浸透していった.

 
 


 
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