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Imaging Conference JAPAN 2024

画像価値多様化への挑戦 - 来て・⾒て・語れ,画像技術の未来 -

開催場所:東京工業大学すずかけ台キャンパス & Zoom ハイブリッド開催
開催日:2024年06月12日(水) 〜 06月15日(土)

1) 開催概要
1.1)大会概要
2024 年 6 月 12 日(水)~14 日(金)の 3 日間、Imaging Conference JAPAN 2024 (ICJ2024)(日本画像学会年次大会(通算 133 回))を、東京工業大学 すずかけ台キャンパス すずかけ台大学会館(すずかけホール)を会場とするハイブリッド形式にて開催いたしました。例年通り、日本画像学会(The Imaging Society of Japan, ISJ)主催、画像電子学会、日本印刷学会、日本写真学会の協賛となっています。さらに、今回は日本機械学会との連携プログラムを企画しており同学会にも協賛いただきました。そして、広く参加を呼び掛ける意図も込めて、日本視覚学会、デジタルテキスタイル研究部会、色材協会、加飾技術研究会に協賛いただきました。また、昨年 ICJ2023 に続き、JSPS「研究拠点形成事業-B」グローバル感性イメージング科学技術のアジア拠点形成(Formation of a Strategic Base in Asia Creating and Developing Global Minded Imaging Science, BAGIS)が共催となりました。BAGIS は、ICJ2024 の第 1 日目、 6 月 12 日(水)に、同じ会場で Satellite ICAI( International Conference of Advanced Imaging)2024 を併催しています。

本大会は前回 ICJ2023 と同じくハイブリッド方式の開催といたしました。大会コンセプトは、「来て・見て・語れ、画像技術の未来 Come, Watch, and Discuss about the Future of Imaging Technology」といたしました。ポストコロナの新たなパラダイムの中で学会が成長し、また学会独自の進化を遂げていく意思と、ICJ の対面での参加を増強し会勢を盛り返す意図も込めています。また、企画・運営体制は、学会委員会が主体となって実行委員会を編成しました。

1.2)技術エリア・セッション編成
例年と同様に、幅広い技術エリアで講演募集を行い、また後述するようにオーガナイズドセッションを積極的に採用する方針としました。最終的には、2.5D/3D、インクジェット、電子写真、電子ぺーパ―・フレキシブル、画像・感性の主に 5 つの技術エリアに対して、基調講演 1 件、記念講演 2 件、招待講演 13 件、インタラクティブセッション 8 件を含め 62 件の講演が集まりました。

これらの講演に対してオーガナイズドセッション 15 を含めて 22 のセッションを編成し、Fig. 1 に示すスケジュールで開催いたしました。

一般講演・技術セッションのほかに、基調講演 1 件と受賞記念講演 2 件の講演をいただきました。また、企業各社の展示会やオンラインでのバーチャルラボツアーも開催し、第 1 日目の最後には、対面での懇親会を行いました。そのほか、学会の重要な行事として、2024 年度第 67 回定時総会、2023 年度日本画像学会表彰式、第 4 回複写機遺産認定式を、第 1 日目に開催しています。

1.3)トピックス
今大会は、初めてのハイブリッド開催とした ICJ2023 からさらに、講演、参加者数を募ってコロナ前の水準に戻すことを目指し、過去の ICJ で開催したイベントの復活、オーガナイズドセッションの積極的採用、役員研修会や技術委員会での提案の採用、という方針で企画いたしました。具体的には、インクジェット・ショーケースとイメージングカフェ・ワークショップ、バーチャルラボツアー、ImagingToday 特別セッション、日本機械学会情報・知能・精密機器部門との連携企画を特別イベントとして開催し、オーガナイズドセッションとしては、2.5/3D、インクジェット、電子写真プロダクション、電子ペーパー/フレキシブルの 4 つの技術分野で企画しました。 ImagingToday 特別セッション、日本機械学会情報・知能・精密機器部門との連携企画は、役員研修会や技術委員会から提案されたアイデアです。

2) セッション・講演内容
2.1)第 1 日:6 月 12 日(水)
第 1 日は、メイン会場である TrackⅠ多目的ホールで。大会実行委員長である東京工業大学飯野裕明先生より、開会の挨拶をいただき、3 日間の大会の幕を開けました。引き続き、最初のプログラムである基調講演では、「Vision and Language タスクに潜む社会的バイアス」について、大阪大学中島悠太先生より、ご講演をいただきました。生

成 AI がデータセットから学習することで発生するバイアス(回答の偏り)の存在と対応について紹介されました。話題の生成 AI に絡む興味深いお話で、活発な質疑もなされ聴衆の関心の高さがうかがえました。 基調講演に続く一般発表の最初のセッションとして、インタラクティブセッションのショートプレゼンテーションを実施いたしました。こちらは、大学と企業から 8 件の発表がありました。 講演者には、事前に 3 分間のスピーチ音声付きの発表資料を用意していただき、それらを連続再生する形としました。対面でのポスター発表は、同日午後に場所をラウンジに移して行われました。多くの聴講者がポスターを囲みながら、技術の説明と Q&A がコロナ前以上に活発に行われました(Fig. 1)。 続いて、2022 年度日本画像学会コニカミノルタ科学技術振興財団研究奨励賞受賞記念講演として、金沢工業大学岡田豪先生の「ラジオフォトルミネッセンス現象を用いた放射線イメージング」の講演が行われました。 午後に入って、最初に学会の行事である 2024 年度第 67 回定時総会、2023 年度表彰式、第 4 回複写機遺産認定式が開催されました。 午後の最初のセッションはオーガナイズドセッションである「2.5D/3D プリンティング(1)」で、ここでは株式会社原製作所原洋介様による「3D スキャン技術の産業への応用と文化財保存への展望」と東京工芸大学内田孝幸先生による「LiDAR とフォトグラメトリの補完と重畳」の 2 件の招待講演をいただきました。続く「2.5D/3D プリンティング(2)」セッションでは招待講演 2 件と一般講演 1 件が行われました。招待講演では、株式会社ブリジストン木脇幸洋様の「タイヤパターンデザイン(タイヤの溝)の役割と設計法」と、株式会社ストラタシス・ジャパン竹内翔一様の「フルカラー・マルチマテリアル 3D プリンティングの革新 -2D/3D 画像データの応用技術-」のご講演をいただき、また、バインダージェットでのアルミニウムの接合技術について、発表、ディスカッションが行われました。各セッションのあとには、オーサーズインタビューを行いました。こちらは対面のみで行われ、コロナ前のような盛り上がりが見られました。 第 1 日目の TrackⅡ集会室 1 では Satellite ICAI2024 が開催され、また集会室 2 ではイメージングカフェ・ワークショップが行われました。イメージングカフェ・ワークショップでは、100 回を記念して過去のテーマを振り返り、さらに今後の新たな企画についてディスカッションが行われ、期待以上の様々なアイデアをいただくことができました(Fig. 3)。ラウンジでは、ポスター発表のほかに終日展示会が開催され、こちらも盛況でした。展示会は大会期間の 3 日間開催されました。 第 1 日目の最後のプログラムが、対面の懇親会で、2 階にあるレストランに場所を移し、80 名弱の方々にご参加いただき歓談しました。ここでは、インタラクティブセッションを対象として審査した編集委員長賞、ベストポスター賞、ベストポスタープレゼンテーション賞の発表と表彰も行われ、東京工業大学鈴木一世様の「液晶性有機半導体を用いたイメージセンサピクセルの作製」、東海大学兵藤哲様の「アンチモンドープ酸化スズからなる不可視インクと背景色の組み合わせによる見えないデジタル情報」が編集委員長賞、そして東京電機大学奥田京香様の「比較対照色の無い環境における単一色認識の不正確化の評価」が編集委員長特別賞として表彰されました。また、東京工業大学中野博貴様の「液晶性の流動性を利用した有機半導体薄膜内の不純物分布制御」がベストポスター賞、株式会社アントンパール・ジャパン綿谷知美様の「インクジェットインクの乾燥過程におけるレオ・インピーダンス挙動」がベストポスタープレゼンテーション賞となりました。 2.2)第 2 日:6 月 13 日(木) 第 2 日 TrackⅠはインクジェットのオーガナイズドセッションで、午前は「インクジェットヘッドと吐出プロセス(1)(2)」、午後は「インジェットシステムと画像応用(1)(2)」の講演が行われました。午前のセッションでは、アクチュエータの過渡変形解析、表面張力や粘度と噴射状態の関係解析、インク粘弾性と吐出速度の関係の数値シミュレーション、高粘度インクの吐出技術、撃力によるインク吐出の安定化技術や床材の影響解析、についての発表、ディスカッションが行われました。午後のセッションでは、前処理液塗布システムを搭載したガーメントプリンタ、デイスペンサを用いるデジタル加飾印刷、誤差拡散法とディザ法のハイブリットハーフトーン技術、軟包装用水性インクジェット印刷機の画質向上と環境対応、アルカリ剥離性を有する UV インクジェットインクの発表、ディスカッションが行われました。 午後の最初のプログラムは、2022 年度論文賞受賞記念講演として、「ゼータ電位分布測定による顔料分散体の吐出安定性の予測」についてのご講演が行われました。アンケートでも最も好評だった講演の一つとなっています。続いて、編集委員会が定期的に企画開催する講演会であるフリートーキングの ICJ 版として、ImaginToday 特別セッションが行われました。「機能性ポリマー」をテーマとして、物質・材料研究機構 池田太一先生の「イオン伝導性高分子」、広島大学 中山祐正先生の「生分解性を有する新規ポリエステル系共重合体の設計と合成」、そして、山形大学東原知哉先生の「半導体高分子の伸縮化を目指した分子設計・合成」のご講演をいただきました。 2 日目 TrackⅡでは、午前にオーガナイズドセッションとして、「電子写真プロダクション」が行われました。未知の故障メカニズム解明へのアプローチ、高速デジタルラベル印刷機 AccurioLabel 400 の開発、RICOH Pro C9500 に新搭載の摺動定着技術の発表、そして、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社木内豊様の招待講演、「乾式電子写真技術による B2 XL 用紙サイズ本格印刷への挑戦」が行われました。講演終了後は、オーサーズインタビューとしてサンプル展示会も開催され、普通紙から特殊紙、封筒まで、サイズも多様な数々のサンプルの展示があり盛況でした。 TrackⅡ午後の一般セッションは、「デジタルプリンティング・電子写真(1)(2)」で、それぞれ3 件の講演があり、サロゲートモデルによるサーマル印字シミュレーション、カラーレーザー複合機用の LED 露光装置開発、クリーナレスでの高速・長寿命達成の歴史、3 種の発熱体を通電制御するオンデマンド定着技術、サロゲートモデルと多目的最適化を用いた定着器設計手法、2 成分現像剤の導電特性シミュレーション、についての発表、ディスカッションが行われました。 第 2 日の最後には、インクジェット技術部会主催の「インクジェット拡大交流会」が 1 日目と同じレストランで開催されています。 2.3)第 3 日:6 月 14 日(金) 第 3 日 TrackⅠはインクジェットのオーガナズドセッションで、最初の「インクジェット:メディアにおけるインク挙動の解析」のセッションでは、インクジェット液滴のメディア上での着弾と合一そして形成される画像に関して 3 件のシミュレーション、実験解析結果が報告されました。 続いて、インクジェットのオーガナズドセッション「インクジェット:メディアとインク」が午後にかけて 3 つのセッションに分けて行われました。最初にメディアに関して、株式会社ペーパル矢田和也様より「非食用米を用いた紙「kome-kami」の社会問題解決への貢献と印刷・風合い・煌めきに関する特性」の招待講演をいただきました。そして、インク材料の合成や新規顔料インク、分散剤の構造、乳化重合法による水性インクの開発、ハイブリッド微粒子の合成に関する 5 件の講演が行われました。 TrackⅠの最後のプログラムとして、日本機械学会 情報・知能・精密機器部門連携企画「プリンタブル・ウェアラブルデバイスの基盤技術と応用」のセッションが設けられ、青山学院大学渡辺昌宏先生より「能動的流れ制御と柔軟媒体に発生する流れ励起振動の制振」、山陽小野田市立山口東京理科大学吉田和司先生より「ベルトの横方向運動メカニズムの解明へ向けた取り組み」の招待講演をいただきました。続いて、「電子ペーパー・フレキシブル体のハンドリングと高機能化」のセッションでは、東海大学砂見 雄太先生より「ウェブハンドリング技術における画像解析」の招待講演をいただきました。 TrackⅡでは、オーガナイズドセッションの「電子ペーパー・フレキシブル」の 3 つのセッションが行われました。各セッションの最初には招待講演が設けられ、産業技術総合研究所駒﨑 友亮先生による「湿度変化で発電する湿度変動電池の開発 ~電子ペーパー駆動に向けて~」、産業技術総合研究所駒﨑友亮先生による「銀メッキ繊維を用いた柔軟デバイス」、富士通セミコンダクターメモリソリューション株式会社野添耕二様による「UHF RFID 技術を応用したバッテリーレス ePaper Tag の開発」のご発表がありました。一般講演として、電気泳動による構造色の制御、銀析出型エレクトロクロミック素子、Nanocellulose Paper、匂いセンサー、フレキシブル有機フォトダイオードに関するご発表がありました。 TrackⅡの最後のセッションは、「画像・感性」で、色予測モデルと、満月の過大視現象のメカニズムに関する 2 件の講演が行われました。 第 3 日目は、ラウンジでの展示会と平行して、午後の最初にバーチャルラボツアーが開催され、山形大学のインクジェット開発センターの紹介が行われました。続いて、インクジェット・ショーケースが復活開催され、講演とブースでの展示デモに多くの方々のご参加をいただき、大盛況となりました(Fig. 4)。 3) 選奨 大会終了後に座長、実行委員による選考を行い、以下の選奨を決定いたしました。 <研究奨励賞> キヤノン株式会社 吉岡広起様 「サロゲートモデルと多目的最適化を用いた定着器設計手法」 大阪大学 ⻩茵彤様 「高透明・皮膚親和性ナノセルロース紙の開発とセンサ応用」 東京工業大学 佐藤健太様「液晶性ジケトピロロピロール誘導体を用いたフレキシブル有機フォトダイオードの作製と評価」 <べストプレゼンテーション賞> 山形大学 山口彩乃様「ポリマー型顔料分散剤の構造が白色インクジェットインクの分散性及び吐出に与える影響」 4) まとめ 今回の ICJ2024 では、ハイブリッド形式の開催として、講演者、有料参加者合わせて 293 名 、実行委員、展示関係者を含めると約 320 名が参加され、盛会裏に終了することができました。さまざまなイベントを復活させ、新たな企画を盛り込み、オーガナイズドセッションを積極的に採用することで、当初の目的通りコロナ前に匹敵する盛況とすることができました。 企画や運営上の工夫も、さまざま行ってきておりますが、至らない点も多々あり、関係者にご迷惑をおかけした点をお詫び申し上げます。本大会を運営するにあたってご協力いただきました、大会実行委員の皆様、座長の皆様、学会理事・評議員の皆様、そして、発表者の皆様と、発表を支えていただいたご所属の関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。 次の ICJ2025 では、今回の良かった点、悪かった点、アンケート結果も踏まえて、さらに充実した大会とするべく企画していく予定です。次回も引き続きご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

報告者:ICJ2024副実行責任者/運営委員長:中山信行(富士写真フイルムビジネスイノベーション/東京工芸大学)
Fig. 1 Poster presentation
Fig.2 Imaging Conference JAPAN 2024 timetable
Fig. 3 Imaging cafe workshop
Fig. 4 Inkjet showcase